☆☆☆ コンプライアンスの本来の意味
私の尊敬する山路栄一さん(三重県庁職員)のON&OFFメールマガジンになるほど、そうですよねと共感した記事がありましたので引用の許可をいただき、以下に掲載させていただく。
コンプライアンスは「法令順守」と訳されることが多いのですが、本来は、「相手の願いや期待に応える」という意味です。(Oxford Dictionary of English、研
究社「新英和中辞典」など)。私はさらに進んで「相手の身になって考え、行動すること」がコンプライアンスだと考えています。
企業が期待に応えなければならない「相手」とは、消費者、社会、従業員、株主です。ですから、企業にとってコンプライアンスとは、「消費者、従業員、社会、株主、それぞれの期待に、誠実に応えていくこと」にほかなりません。
「消費者」が企業に期待するものは、安全、表示の適正、価格の公正などです。「社会」が企業に期待することは安全、環境保全、平穏などでしょう。「従業員」が企業に期待することは安全、機会の平等、公平、快適な職場です。「株主」が企業に期待することは配当、株価、情報開示です。これらのことを一つひとつ、着実に実現していくこと、それがコンプライアンスであり、世間の好感を獲得する王道だといえます。
(「その『記者会見』間違ってます!」中島茂著 日本経済出版社より)
~~~~~~~~~ここから下が山路さんの意見~~~~~~~~~~
自治体が期待に応えなければならない相手は第一に市民、県民といった住民であり、そして当該自治体に立地していただいている企業などです。
かつて自治体、特に基礎的自治体である市町村と違い、中二階のような存在である都道府県は住民や市町村の方ではなく、国の方を見て仕事をしている感がありましたが、自治体というパブリック・セクターであるからには税金を負担してサービスを託していただいている住民を第一に考えなければならないのは言うまでもありません。
そしてその住民の期待に応えるためには、単に要望に対処療法的に、人気取りのように応え、将来的な負担を考えずに「いい顔」をすればいいのではなく、アメリカのネイティブ・インディアンの酋長が重要な決定をする際は7代先の世代のことを考えて決定するように、将来世代のことも考え、住民の潜在ニーズを汲み取り、費用対効果に見合う政策を実施しなければなりません。
こういった意味では自治体にとってコンプライアンスとは「住民の身になって考え、その付託に応え、将来世代のことも考えて、Value For Moneyの政策を立案し、実施すること」になるのではないでしょうか。
★☆☆ 現場の難しさ
公民館の仕事は地域と接する最前線であります。
そして、さまざまな仕事があり、そして様々な仕事が新しく出てきています(一方で廃止したり削減するのが下手なため全体総量が膨らむばかりなので、今は減らす努力をしているところです)。
それは地域とのインターフェイスが公民館しかないというところから、そのような状況になるわけであります。
また、時には新しい活動組織を創設し、育み、自立するまで面倒を見なければならないときがあります。
しかし、時に、それはどう見ても公民館活動からはかけ離れていたり、目的からかけ離れていても『地域』というキーワードだけで公民館が受け持たなければならないことがあります。
そのときに、「これは公民館の仕事ではありませんから...。」と断ることもできます。
中には、「コンプライアンスに反しますから...。」ということで断ることもできます。
でも法律の難しさは、解釈の仕方で正反対の見解を出すことも可能だということです。
それはなぜかと考えた時に、法律は必ずしも規制したり罰するためにあるのではなく、持続可能な地域社会システムを構築する上で明確な方向性を示す根拠になったり、時に地域住民の中での特定者を救済するためにもあるからだと思うのです。
つまり、性善説的に捉えるか性悪説的に捉えるか、それはその時々の状況によるのだと思います。
そのためには、柔軟な思考と行動が求められます。
では、その時の判断は...
私は、山路さんが引用された「住民の願いや期待に応えること」だと思うのです。
そして、地域住民は最初からまちづくりのプロではなく、切磋琢磨していくうちにプロになっていくのですが、それ以前に一定のレベルまで達するまで、私たちがアシストすることがとても重要だと思いませんか。
(※掲載写真は、高浜公民館主事の毛利さんの作品)
私の尊敬する山路栄一さん(三重県庁職員)のON&OFFメールマガジンになるほど、そうですよねと共感した記事がありましたので引用の許可をいただき、以下に掲載させていただく。
コンプライアンスは「法令順守」と訳されることが多いのですが、本来は、「相手の願いや期待に応える」という意味です。(Oxford Dictionary of English、研
究社「新英和中辞典」など)。私はさらに進んで「相手の身になって考え、行動すること」がコンプライアンスだと考えています。
企業が期待に応えなければならない「相手」とは、消費者、社会、従業員、株主です。ですから、企業にとってコンプライアンスとは、「消費者、従業員、社会、株主、それぞれの期待に、誠実に応えていくこと」にほかなりません。
「消費者」が企業に期待するものは、安全、表示の適正、価格の公正などです。「社会」が企業に期待することは安全、環境保全、平穏などでしょう。「従業員」が企業に期待することは安全、機会の平等、公平、快適な職場です。「株主」が企業に期待することは配当、株価、情報開示です。これらのことを一つひとつ、着実に実現していくこと、それがコンプライアンスであり、世間の好感を獲得する王道だといえます。
(「その『記者会見』間違ってます!」中島茂著 日本経済出版社より)
~~~~~~~~~ここから下が山路さんの意見~~~~~~~~~~
自治体が期待に応えなければならない相手は第一に市民、県民といった住民であり、そして当該自治体に立地していただいている企業などです。
かつて自治体、特に基礎的自治体である市町村と違い、中二階のような存在である都道府県は住民や市町村の方ではなく、国の方を見て仕事をしている感がありましたが、自治体というパブリック・セクターであるからには税金を負担してサービスを託していただいている住民を第一に考えなければならないのは言うまでもありません。
そしてその住民の期待に応えるためには、単に要望に対処療法的に、人気取りのように応え、将来的な負担を考えずに「いい顔」をすればいいのではなく、アメリカのネイティブ・インディアンの酋長が重要な決定をする際は7代先の世代のことを考えて決定するように、将来世代のことも考え、住民の潜在ニーズを汲み取り、費用対効果に見合う政策を実施しなければなりません。
こういった意味では自治体にとってコンプライアンスとは「住民の身になって考え、その付託に応え、将来世代のことも考えて、Value For Moneyの政策を立案し、実施すること」になるのではないでしょうか。
★☆☆ 現場の難しさ
公民館の仕事は地域と接する最前線であります。
そして、さまざまな仕事があり、そして様々な仕事が新しく出てきています(一方で廃止したり削減するのが下手なため全体総量が膨らむばかりなので、今は減らす努力をしているところです)。
それは地域とのインターフェイスが公民館しかないというところから、そのような状況になるわけであります。
また、時には新しい活動組織を創設し、育み、自立するまで面倒を見なければならないときがあります。
しかし、時に、それはどう見ても公民館活動からはかけ離れていたり、目的からかけ離れていても『地域』というキーワードだけで公民館が受け持たなければならないことがあります。
そのときに、「これは公民館の仕事ではありませんから...。」と断ることもできます。
中には、「コンプライアンスに反しますから...。」ということで断ることもできます。
でも法律の難しさは、解釈の仕方で正反対の見解を出すことも可能だということです。
それはなぜかと考えた時に、法律は必ずしも規制したり罰するためにあるのではなく、持続可能な地域社会システムを構築する上で明確な方向性を示す根拠になったり、時に地域住民の中での特定者を救済するためにもあるからだと思うのです。
つまり、性善説的に捉えるか性悪説的に捉えるか、それはその時々の状況によるのだと思います。
そのためには、柔軟な思考と行動が求められます。
では、その時の判断は...
私は、山路さんが引用された「住民の願いや期待に応えること」だと思うのです。
そして、地域住民は最初からまちづくりのプロではなく、切磋琢磨していくうちにプロになっていくのですが、それ以前に一定のレベルまで達するまで、私たちがアシストすることがとても重要だと思いませんか。
(※掲載写真は、高浜公民館主事の毛利さんの作品)