投了の決めの一手や扇置く
(とうりょうのきめのいってやおおぎおく)
遠鐘を風に聞きつつ秋団扇
(とおがねをかぜにききつつあきうちわ)
鷺草やあれが初恋だつたかも
(さいそうやあれがはつこいだったかも)
夏の季語ですが
鷺草や寄り添ひ舞ひて共白髪
(さぎそうやよりそいまいてともしらが)
これよりは結界てふや草雲雀
(これよりはけっかいてふやくさひばり)
歩を止めばまた鳴き競ひ草雲雀
(ほをやめばまたなききそいくさひばり)
施設居の母の聞くやら草雲雀
(しせついのははのきくやらくさひばり)
丹波へと発つ特急や盆備へ
(たんばへとたつとっきゅうやぼんぞなえ)
精霊の気配ちらほら墓参かな
(しょうりょうのけはいちらほらぼさんかな)
「精霊」も季語?
新秋や光あまねく光照寺
(しんしゅうやひかりあまねくこうしょうじ)
我が檀家寺、故郷の浄土真宗仏光寺派の光照寺の鬼瓦です。
恩讐の数多を越えて墓参かな
(おんしゅうのあまたをこえてぼさんかな)
高校から、母の連れ子として養子に入った我が家です。
冷遇されての怨みつらみはたくさんありますが・・・。
手花火の音符のやうに弾けけり
(てはなびのおんぷのようにはじけけり)
立秋ですが、夏を惜しみ、夏の季語詠みました。
手花火の尽きて戻れる憂き世かな
(てはなびのつきてもどれるうきよかな)
潔く逝きしあいつや遠花火
(いさぎよくいきしあいつやとおはなび)
写真はお借りしました。