煙草屋の看板婆や昭和の日
(たばこやのかんばんがあやしょうわのひ)
昭和の日思へば遠く来たりけり
(しょうわのひおえばとおくきたりけり)
昭和21年生まれ、間もなく七十路突入。
♬ 思えば遠くへ来たもんだ・・・ ♬
煙草屋の看板婆や昭和の日
(たばこやのかんばんがあやしょうわのひ)
昭和の日思へば遠く来たりけり
(しょうわのひおえばとおくきたりけり)
昭和21年生まれ、間もなく七十路突入。
♬ 思えば遠くへ来たもんだ・・・ ♬
婆と孫仲良く蓬団子かな
(ばあとまごなかよくよもぎだんごかな)
不揃いながら、これがなかなか美味しい!!
ほんのりと郷の野の香や蓬餅
(ほんのりとさとのののかやよもぎもち)
リラの香の夜の闇つきて届きけり
(りらのかのよのやみつきてとどきけり)
路地裏の古りしポスターライラック
(ろじうらのふりしぽすたーらいらっく)
リラの香や風の便りは唐突に
(りらのかやかぜのたよりはとうとつに)
4月11日~20日のつぶやき句を32句にまとめました。
闘鶏や南沙諸島に波高く 闘鶏や九条に誓ふ平和主義
闘鶏やすまじきものは宮仕え サックスの少女や菜花蝶と化す
園児らの舞や菜の花蝶と化す 淡海へ菜の花蝶と化す如く
迷路より出でて菜の花蝶と化す おかっぱをおさげに十三詣かな
恥ぢらひを初めて十三詣かな 少年の照れある笑みや知恵貰ひ
緞帳の降りし余韻や残り花 読了の浸る余韻や残り花
遠き日の褪せし恋文残り花 停車場のラストシーンや残り花
自分史に一つ添えたる残花かな ここ一番肥後もっこすぞ春の地震
過ぎ来れば辛苦も彩に春の虹 今泣いた子がもう笑う木の芽晴
妖精の目覚むる如く木の芽晴 人柄ののぞく笑顔や木の芽晴
青海苔や滑舌清き奴の弁 青海苔の侘しき独り朝餉かな
青海苔や酒道極むに未だ半ば 花銀杏少女の初めし薄化粧
恋求む和泉式部や花銀杏 恋心秘める少年花銀杏
描いて消し描いては消して磯遊び 磯遊び波と交はせる独り言
まだ恋と知らぬ二人や磯遊び 梢より残滴一つ穀雨かな
祈り伏す揺るる大地の穀雨かな 被災地にうべなふけふの穀雨かな
懐郷や母不孝して闌くる春
(かいきょうやははふこうしてたくるはる)
道草を食ひつつ春の闌くるかな
(みちくさをくいつつはるのたくるかな)
この先はスローライフぞ闌くる春
(このさきはすろーらいふぞたくるはる)
加速する如き時の流れ・・・・ゆっくりと生きたいものだ。
4月17日より数日ブログを休みます。
故郷の無人の駅や啄木忌
(ふるさとのむじんのえきやたくぼくき)
北陸本線湯尾(ゆのお)駅。
無人となり、懐かしい訛りを聞けない停車場。
老農の手の節くれや啄木忌
(ろうのうのてのふしくれやたくぼくき)
「我が暮らし楽にならざり ぢっと手を見る」
兵馬俑を老農に見立ててしまいました(~_~;)
遠き日を辿る野辺路や啄木忌
(とおきひをたどるのべじやたくぼくき)
有り難き故郷の山河
少年の清き挨拶春の芝
(しょうねんのすがきあいさつはるのしば)
春芝やフォークダンスの手の温み
(はるしばやふぉーくだんすのてのぬくみ)
4月1日~10日のつぶやき句を32句にまとめました。
初蛙雨の朝となりにけり 変はる色まだ決めかねて初蛙
古池は埋め立てられて初蛙 夕蛙帰る つもりが赤提灯
たわいない昨夜の喧嘩連翹忌 二人とは一人と一人連翹忌
捨てられぬ古き恋文連翹忌 屋根葺きや峠に残る一軒家
童らに名を決められて野良子猫 葺替えや老いの守れる宿の跡
清明の詩歌満ちたる大地かな 清明の天地を清む降雨かな
清明や口笛吹きて通る人 堺市の少子高齢利休の忌
もてなしはペットボトルで利休の忌 米朝のはてな茶碗や利休の忌
落し角老いてまあろくなりにけり 昔日の企業戦士や忘れ角
忘れ角草食系のをのこ増え 反骨の火種削ぎたる麻疹かな
癒えてまた恋といふ名の麻疹かな 麻疹熱夢路に迷ふ昭和かな
はしか熱恋の免疫知らぬまま 四畳半の恋に分け入る春蚊かな
春の蚊や万年床に覚めにけり 春の蚊を見紛ひにけり飛蚊症
なよやかに夢二のをみな柳陰 カラコロと外湯巡りや柳陰
達観の老いの余生や柳陰 春灯や書きては捨つる懸想文
やすらひやまたひと年を永らへん やすらひや木霊交へる宮の杜
国
ことわりの諸行無常や桜過ぎ
(ことわりのしょぎょうむじょうやさくらすぎ)
桜過ぎ顔の皺また深くなり
(さくらすぎかおのしわまたふかくなり)
人声の失せし暮色や花疲れ
(ひとこえのうせしぼしょくやはなづかれ)
チウリツプ昔々の伽話
(ちうりっぷむかしむかしのとぎばなし)
忘れゐし夢に覚めけりチウリツプ
(わすれいしゆめにさめけりちうりっぷ)
春の日の猫には猫の矜持かな
(はるのひのねこにはねこのきょうじかな)
清明やわらべに戻る歌の声
(せいめいやわらべにもどるうたのこえ)
清明を詠むに心の汚れかな
(せいめいをよむにこころのよごれかな)
清明やなささうである表裏
(せいめいやなさそうであるおもてうら)