腕白の秘密基地あり蕗の薹
(わんぱくのひみつきちありふきのとう)
先日、ツイッターで、「蕗の薹」の季語が出たので詠んだ一句です。
ただし、写真は、以前に故郷で撮ったもの。
今頃は、まだ雪の下かも知れません。
蕗の薹ほろりと里を想ひけり
(ふきのとうほろりとさとをおもいけり)
先日、スーパーで蕗の薹を買ってしまって、
蕗の薹味噌を作りました。
こういうものは、自分で摘むのが楽しいのですがね。
この苦みが何とも美味しい!!
これこそ、「手前味噌」ですね。
しかし、その刺激のせいか、鼻におできが・・・・。
食べるのを控えています。
投稿句ありがとうございました。
寒き夜の月の下なる菜種花 よしさん
町にゐて孤独なるかな春の鷺
(まちにいてこどくなるかなはるのさぎ)
近所を流れる安威川で撮影した鳥たちを詠みました。
町に住むと、鷺ならずとも孤独なものです。
現世は仮の止まり木雁の風呂
(うつしよはかりのとまりぎがんのふろ)
【季語:雁風呂】浜辺の木を薪として風呂をわかすこと。
雁が秋にくわえてきた木を、春にはくわえて帰ると考え、残った木は
死んだ雁のものとする俗信から、青森県外ヶ浜で雁を供養した風習《広辞苑》
句は昨年詠んだものです。
投稿句ありがとうございました。
山家忌や家のひとつもありませず よしさん
2月11日~19日のツイッター、つぶやき句をまとめました。
(一部省略、一部推敲)
生徒らの声に向って春スキー 雪焼けの君を見直す春スキー
精悍な彼を見直す春スキー 栂池の鐘の鳴る丘春スキー
山深き隠れの里なる踏絵かな 踏絵する心地路傍のマリア像
幾たびの踏絵踏み来て六十路かな 日和見に生きて眩しき踏絵かな
芝焼きや身焦がす恋の日々ありき 芝焼きやリセツトしたき思ひあり
芝焼きや無より生まれし天地生 六十路きて我未だ成らず春遅し
故郷の母を思へば春遅々と 田に畑にまだ人見えず春遅し
忘れられし懐中時計春遅し 秒刻む時計の音や春遅し
煮て蒸され初めて死知る浅蜊汁 起きがけの不機嫌覚まし浅蜊汁
大口をたたく輩や浅蜊汁 口開けぬ浅蜊一粒反抗期
新たなる今日を生きむか草燃ゆる 草萌や決断すべきことのあり
恋の詩に挟める栞草萌ゆる 草萌や四人姉妹の物語
春雨やシヨパンの楽のプロローグ 春雨やいまだ笑へず四方の山
春雨に欝という字を書いて消し 病だれ数多抱へて春の雨
滴りの音柔らかき雨水かな 風の音窓打つ今朝の雨水かな
春の雨気象予報士早口に 春雨や未だシヨパンの音ならず
春雨や小浜線なる無人駅 獺祭や魚の棲まぬ川となり
獺祭の浪花八百八橋かな 故郷の夜叉ヶ池かな獺祭
獺祭や川に魚の戻りきて 山深き獺祭かな夜叉ヶ池
故郷の日野の速水や獺祭 酒が良しバターまた良し浅蜊蒸し
速さ増す谷の瀬音や雪割草
(はやさますたにのせおとやゆきわりそう)
ツイッターで出された「雪割草」の季題で詠んだ句です。
どんな花かも知れないし、写真もありませんので、
名前のイメージで、写真俳句にしてみました。
耐へ生きることを知りけり雪割草
(たえいきることをしりけりゆきわりそう)
写真は、福井県南越前町孫谷地区で撮ったものです。
投稿句有難うございました。
貝寄せに乗れば故郷は近さうな よしさん
2月1日~10日のツイッターのつぶやき句をまとめました。
(一部省略、一部推敲)
宮水の垂氷となりし筧かな 垂氷もて切り裂きみたき胃の腑かな
病み臥すや垂氷の垂るる音を聴き 溶け垂氷集め速水となりにけり
寒木瓜の隠す魔性や棘砥ぎて 悪戯つぽい君の笑顔や寒の木瓜
小悪魔の如きをみなや寒の木瓜 鴨川に並ぶアベツク早春賦
鴨川の水の煌めき冬果つ日 豆撒きや新世界てふ古浪花
異国語の交ふ豆撒きや八坂宮 仏僧のお宮詣りや鬼やらひ
立春や目覚めは雨のセレナーデ 登校児見送る母や春立ちぬ
花道に豪優逝きぬ春待てず 春立ちてふと懐かしきキャンディーズ
立春や水子供養の地蔵にも 四の五のと言ふては逃げる二月かな
師も弟もいよよ忙しき二月かな せせらぎの煌めき増せり猫柳
岩海苔を掻く越前の荒波に 岩海苔や海の男は下戸なりき
岩海苔や海の女の饒舌に 去り行ける君に手を振る余寒かな
嘘言ひてその場逃れし余寒かな おはように返事せぬ児の余寒かな
シャッター街吹き抜く風の余寒かな 野良一匹塒探せる残り寒
初恋は十二の時に雪割草 雪割草越前人に粘りあり
雪割草お郷訛りの少女かな 針供養夜なべの祖母の眼鏡ずれ
慣れぬ手の釦つけかな針供養 針山にお婆の歴史針供養
初午や伏見稲荷の焼き雀 初午や揚げを好まぬ妻なりて
薄氷や記憶の彼方なる日々は 薄氷や青春の日々遠くなり
薄氷を踏み重ね来し六十路かな 尖閣のことはこととし春節会