笑み生けば憂き世の風も薫るらむ
(えみいけばうきよのかぜもかおるらむ)
帰省編の第3弾です。
何故か、故郷の我が実家が好きな野良、
時に、こうした表情を見せてくれます。
新樹光君の瞳に首つたけ
(しんじゅこうきみのひとみにくびったけ)
こんな瞳で見つめられると弱いです。
5月9日~20日の、ツイッターつぶやき句をまとめました。
(一部省略、一部推敲)
故郷へ向かふ朝や風薫る 薫風や土鳩の声に目覚めけり
走り茶に語る薀蓄ひとくさり 虞美人草亥下に咲きし涙花
虞美人草常世に結ぶ悲恋花 四面楚歌聞こゆ亥下や虞美人草
鵜の一羽水面を叩き翔ちにけり 宮杜を棲家と集ふ川鵜かな
待ち人やくるりと日傘落ち着かず 絵日傘や四条の橋の京美人
絵日傘や裾の乱れも艶やかに パラソルの下より伸びる脚美人
約束の日傘を探す忍ぶ恋 絵日傘や蝶々夫人の住みし街
虹鱒や醒ヶ井宿の地蔵川 虹鱒や希望の名前得て焼かれ
虹鱒の陽に輝きて釣られけり 虹鱒や醒ヶ井宿の一夜酒
さう言へば玉菜と言ひし祖母なりき 剥くほどに甘味の増せる玉菜かな
虫食いの玉菜の美味き証しかな 山畑は遠くにありき玉菜穫り
甘藍や陽と地の恵み包み込み 和せば成る玉菜の如き人世かな
倹約に生きて玉菜の芯甘く 夏蜜柑ものぐさなりて食べもせず
恋多き青春なりき夏蜜柑 通学のバスのときめき夏蜜柑
老いてなほ純情自認夏蜜柑 面の皮の厚いあいつや夏蜜柑
あまちゃんの演技溌剌夏蜜柑
ゆきちやんの丸めし蓬団子かな
(ゆきちゃんのまるめしよもぎだんごかな)
先日、帰省してきました。
今回は、その帰省編の第一弾。
小学3年生のゆきちゃんが、蓬団子を作ってくれました。
蓬は春の季語ですが、この際、大目に見て下さい。
のびのびと育ちて少女野蒜掘る
(のびのびとそだちてしょうじょのびるほる)
私と野蒜を堀ることを楽しみにしてくれていたゆきちゃん、
楽しいひと時を過ごしました。
野蒜も春の季語ですね。
大目にお願いします。
そうして、採った野蒜は、こうして酢味噌和えにするのが最高!!
お酒が進みます。
でも、ゆきちゃんも、この野蒜が好きなんだとか・・・・。
川渡る風や卯月の香となりて
(かわわたるかぜやうづきのかとなりて)
木漏れ日の陰濃くなりて卯月かな
(こもれびのかげこくなりてうづきかな)
ミズバショウ(?)の開きかけです。
敢えて「影」とせず「陰」としました。
《お知らせ》
5月9日から数日間留守します。
その間、訪問・コメントなどできませんので、ご容赦ください。
5月1日から8日までの、ツイッターのつぶやき句をまとめました。
(一部省略、一部推敲)
現世や勿忘草の人老いて 届けたき人ありわすれなぐさの歌
老ふごとに勿忘草の名の悲し 口笛に“五月のばら”を奏でけり
口笛の心地見山に青き踏む キリシタン隠れの里や青き踏む
路辺に佇つマリアの像や青き踏む 満たされて忘る憲法記念の日
平和にて忘る憲法記念の日 憲法記念日忘れてならぬ歴史あり
ひたひたと迫る軍靴や憲法日 失つてからでは遅き憲法日
腹足りて忘る憲法記念の日 暮の春四季ある国に生きてをり
明日思ひ得る幸せや暮の春 緑の日水ある星に生きてをり
生命ある星に生きるや緑の日 また背丈少し縮みて子供の日
夏立てば横になつてはをれませぬ 履き古りし運動靴や夏立つ日
夏立ちて洗濯日和妻の留守 子供の日嫁いで母のゐざりけり
水木花まだ見ぬ人にときめけり ときめきの余力まだあり水木花
石楠花や達磨が睨む勝尾寺 石楠花を辿る先なる多宝塔
新緑の中に勝尾寺ありにけり 新緑の見山の里に遊びけり
丹波路の緑の中を走りけり 新緑や初恋人の笑みに似て
早緑の包める森の館かな 早緑の包む小人の館かな
老い進む里を包みて若緑 鰹潮未来見据える竜馬像
領侵す外国船や青葉潮 黒船の来たる昔や青葉潮
青葉潮鯨漁師の太地かな ジャスミンの夜闇に深む香りかな