目借時夢の一句を忘れけり
(めかりどきゆめのいっくをわすれけり)
「蛙の目借時(かわずのめかりどき)」
あるいは単に「目借時」ともいいます。
春に眠気を催す理由は、
蛙が人の目を借りるためだという俗説が古くからあり、
これから出た季語だといわれます。
日迎や十指開きて寝る赤子
(ひむかえやじゅっしひらきてねるあかご)
「日迎」・・・・彼岸の中日に、東のほうにある寺を巡拝すること。
午前中は日迎であるが、午後からは日送といって、
西のほうへ歩いて巡拝する。
投稿句有難うございました。
牡丹芽の柔らかにして強きこと よしさん
3月11日~20日の、ツイッターでのつぶやき句をまとめました。
(一部削除 一部推敲)
萍の生ひ初めぬらむ地震の地に 萍生ふ園児らの声弾けきて
凍解けて汚染大地の露わかな 凍解けど解けぬ心地震忌日
春場所や和服美人の砂かぶり 春場所や一人相撲で悩みをり
買出しの名知らぬ力士難波場所 春場所や谷町美人連れ添ひて
垣繕ふ変らぬ里を残さばや 住み古ればここも都ぞ垣手入れ
垣手入れ母独り居の庭なれば くるくると代る政権猫目草
愛といふ不確なるもの猫目草 ゆきちゃんの懐こい笑顔猫目草
垣繕ふほどに綻び見える国 春泥やいまだ瓦礫の目途立たず
若狭より送られ来たりお水取り お水取り昼間は僧も寛ぎて
松明の闇の世照らすお水取り 泣く隙間残してをかむ坐禅草
坐禅草赤子抱ける母のよに 坐禅草慈母観音の立ち姿
種袋振りて元気の音を聞き わだかまり解けて雪解の雫かな
探し人いまだ数多に春愁ひ 鎮魂の思いを連れて竜天に
山覚めて竜は天に登りけり 竜天に登る御霊の安かれと
竜天に登る俄かにかき曇り 雪雫母恋ふ涙流せし日
トレモロは雪解雫か涙雨 灯台草北前船の交ひし岬(さき)
脇役にあたるライトや灯台草 脇役の来し方なりき灯台草
旅立ちの若者街に柳絮飛ぶ 気まぐれの旅に発ちたし柳絮跳ぶ
どうしようもういいよって柳絮飛ぶ 琵琶を弾く仏の像や彼岸入り
我が視野の小さきことよ蟻出づる 小さくも時に意地あり蟻出づる
日迎や十指開きて寝る赤子 不整脈激しくけふの彼岸雨
霜くすべやがて葉を成し実を成さん 霜くすべ黙し鍬振る祖母と吾と
そろそろの絵馬のご利益社日かな つくづくし遠く日野山見て立ちぬ
剥がれたる淑女の仮面蟒草 蟒草老いて一合手酌酒
ふたもじや寄り添ひ人の生きるかな ふたもじや老いて草食系となり
若衆のソーラン踊り漁夫来る 漁夫来る鰊はどこへ行ったやら
春分や弥勒菩薩に笑み返し 居酒屋のママ老いにけり朧影
IT句会・早春句会の参加作品です。
<木の芽部門>
少年の口笛軽し木の芽風
(しょうねんのくちぶえかろしこのめかぜ)
<特選>臥竜さん、春旭さん
<並選>義久さん、shanamamaさん、れもんさん、
ルフレママさん、湘次さん
有難うございました。
<冴返る、春寒、余寒部門>
老い母に放ちし語気の余寒かな
(おいははにはなちしごきのよかんかな)
<特選>sakura008さん、春旭さん、みすずさん、
れもんさん、ルフレママさん
<並選>義久さん、reiさん、雪うさぎさん、たんとさん
有難うございました。
最後に、お世話になった事務局のみなさん、
有難うございました。
投稿句ありがとうございました。
強情は親譲りなる牛蛙(うしかわず) よしさん