大海を知らぬ少女や室の花
(たいかいをしらぬしょうじょやむろのはな)
昨年、ツイッターでつぶやいた句に、こんな写真をつけてみました。
ツルウメモドキです。
室の花夢を夢見る乙女かな
(むろのはなゆめをゆめみるおとめかな)
昨年つぶやいた句(推敲)に、こんな写真をつけました。
枯れし野や戦にあるは滅びのみ
(かれしのやいくさにあるはほろびのみ)
クリスマスムードにそぐわないテーマの二句ですみません。
何となく、戦争のきな臭い臭いのする今日この頃ですので・・。
写真は、JR小浜線の美浜での撮影です。
発熱の床に悪夢の枯野かな
(はつねつのとこにあくむのかれのかな)
今、ダウンしているわけではないんですが、
その時のことを思い重ねて詠みました。
故郷の家の2階から見た風景です。
一茶忌や二合の酒に満たされて
(いっさきやにごうのさけにみたされて)
先日21日に、ツイッター季題で詠んだ2句です。
毎日、晩酌は2合ぐらいです。
一の茶に二の酒、如何です?
羨みて生くは愚かぞ一茶の忌
(うらやみていくはおろかぞいっさのき)
少し時期外れの写真になりましたが。
霜柱忍耐強き祖母なりき
(しもばしらにんたいづよきそぼなりき)
霜柱の立つ姿は、最近見たことが無いですが、
故郷の遠き日を思い出して詠んでみました。
霜柱どつこい過疎の里なれど
(しもばしらどっこいかそのさとなれど)
故郷頑張れとの思いを込めて。
12月11日~20日の、つぶやき句を自選30句にまとめました。
冬夕焼帰つて来いと故郷かな 物の怪の出番待ちかな冬夕焼
卵酒四畳ひと間の孤独かな 百薬の長とて過ごす卵酒
卵酒より効きにけり女の肌 卵酒ひと夜添ひ寝をくれし女
寒潮や時に抗う頑固者 寒潮やひと夜唸る越の海
寒潮や死刑執行てふニュース 炉話やざしきわらしのふと気配
炉話や翁はポンと煙管打ち 炉話に百鬼夜行の気配かな
山姥の舌舐めずりや炉火揺るる 極月の明日が昨日になる速さ
極月や場末のママの独りぼち 呼び戻せないもの数多極の月
ちんどんのにぎにぎやかに年の市 初氷割れたる夢の数多あり
初氷割れたる夢の欠片かな 初氷幼き恋の二人かな
初恋や儚く消えし初氷 次の世もこの妻ならむ畳替
畳替ここまでくれば共白髪 断捨離の効かぬ煩悩畳替
冬帽子脱ぎて齢のばれにけり 冬帽子脱ぎて語りし本音かな
畳替決断すべきことのあり 短日や忙中閑に紅茶入れ
短日や風にかたかた恋の絵馬 短日や追ひつ追はれつ影法師
悲劇なき人生あらず散紅葉
(ひげきなきじんせいあらずちりもみじ)
誰もが、悲しみを抱えて生きているのでしょうね。
落葉や網膜色素変性症
(らくようやもうまくしきそへんせいしょう)
生まれながらにして、視野がどんどん狭くなっていく
特定疾患指定の病気です。
恐くて、人込みの中を歩けません。
それに加えて、左は黄斑円孔といって、
網膜の中心に穴が開いていて、
右目なしでは行動できない状態です。
ボーナスや企業戦士は老いにけり
(ぼーなすやきぎょうせんしはおいにけり)
ツイッターの季題「ボーナス」に詠んだ句に、写真を添えました。
この動輪のように、日本の経済成長を支えてきた企業戦士、
もうすっかり老いてしまったようで、
それとともに、日本経済も・・・・。
ボーナスや路上暮しの人のゐて
(ぼーなすやろじょうぐらしのひとのいて)
古いモノクロネガから取り込んだ写真ですので、
ちょっとコントラスト、ピントが甘いですが・・・。
古傷を問はぬ止まり木冬の暮
(ふるきずをとわぬとまりぎふゆのくれ)
ツイッターの「冬の暮」で詠んだ二句です。
この場合の止まり木は、酒場、酒場のカウンターのことです。
止まり木の名前は夕子冬の暮
(とまりぎのなまえはゆうこふゆのくれ)
仮想のお店の名ですが、「冬の暮」だけに
「夕子」が似合いそうで・・・・。
そういえば、このインコ、「夕子」の名前が似合うと思いませんか?
冬木立聖人君主然として
(ふゆこだちせいじゅんくんしゅぜんとして)
考力と知力の失せる炬燵かな
(こうりょくとちりょくのうせるこたつかな)
もの言へぬ国となりしか開戦日
(ものいえぬくにとなりしかかいせんび)
安倍首相がそうでないことを強調しても、
全く、具体性がありません。
将来への禍根となる法律だとしか思えません。
隙間風心情詠めば孤独なる
(すきまかぜしんじょうよめばこどくなる)
こういうことを書けば書くほど、孤独を感じるのは何故だろう。
12月1日~10日のツイッター句を、自選30句にまとめました。
花八手数多学徒の散りしこと 弾けたきこと時にあり花八手
八つ当たり後の虚しさ花八手 厚着してどうやらわれも好々爺
厚着して内なる憂さを被いけり 厚着して気象予報士伝へけり
常世には急ぐことなし散紅葉 散紅葉風の便りを送らむか
特急の風一陣や散紅葉 散紅葉京の古刹の鐘の音
都鳥渡月橋なる舞舞台 彼の人のいざ言問はむ都鳥
名にしおはば一差し舞へや都鳥 枯園やさつさと剥がす世間体
枯園の国に沁みたるお・も・て・な・し 硬き殻剥がせぬ我や牡蠣の鍋
越前の海の潮香や酢牡蠣喰む 牡蠣喰むや人は肉食獣ならむ
無口あり饒舌もあり酢牡蠣喰む 大雪に特秘法なる暴挙かな
越前の大地一震鰤起し 彼の国のひた寄す波や開戦日
改憲の声ある九条開戦日 とらとらの芸者遊びや開戦日
荒海に吠える阿形や鰤起し ボーナスや路上暮しの人のゐて
ボーナスや企業戦士は老いにけり 古傷を問はぬ止まり木冬の暮
止まり木で愚痴が先立つ寒暮かな 止まり木の名前は夕子冬の暮