笑へる日やがて来るはず桜草
鳥曇地には耕す農夫かな
亡き母の夢に漂ふ落花かな
うらめしき別れの夢や桜散る
時止まる如きひと月花は葉に
桜蕊栄華の名残る紅ほのと
少年が青年になる四月かな
フリーズの心解きてチュウリップ
花疲れ未だせぬうちの自粛かな
馬耳東風然として佇ち葱坊主
入学や詰襟服の凛として
アイドルのもう五十路とや春盛り
宮杜に満つる力や木の芽時
幼顔のけふは凛々しく入学児
歌姫に寄る年波や貌の鳥
貌の鳥我が紅顔の遥かかな
野遊びやあなたの姿だけを追ひ
野遊びやあなた見つけて私ここ
ふらここの揺れ残されて昼餉時
なだれこむ児らの笑顔や桜園
かげろうや変幻自在の忍者劇