青鷺や唯我独尊然と佇ち
写真短歌
青鷺の天下国家を語るげに
俯瞰しをるや大屋根に佇ち
水面撫で覗く風あり夏館
蝉声の変わる分布や病む地球
青鷺の頭抱へる憂き世かな
啖呵切る金さんめきて青鷺は
一点見据え一喝しけり
白鳥の誘ふ古城秋立ちぬ
幾夏を重ねしラインの古城かな
山頂に浄土ありけり夏惜しむ
行く夏や今ぞ別れの槍ヶ岳
そも山に惹かれし訳を問はれれば
この景ここにありしが故と
池の面に浮かぶ名峰夏盛り
ユングへと登山電車の急登かな
ヨーロッパアルプスのユングフラウ
北アルプス銀座てふ名の登山道
頂へ汗噴く一歩一歩かな
若さてふ危ふき日々や登山道
見返へれば若さてふ名の登山道
無事ある今の有り難きこと
道頓堀の走る広告熱帯夜
決断は明日のこととし熱帯夜
炎熱や弥生の民の息づかひ