○母&母系解説(Family Story)
半姉マンデシャは全欧3歳女王、クラシックを意識する世界的良血
愛で生まれた母マンダララは、仏で競走馬デビューし1戦1勝の戦績を残しました。 現役引退後、仏で繁殖牝馬入り。当地で誕生した第2仔となる牝駒が、G1アスタルテ賞、G1ヴェルメイユ賞、G1オペラ賞を制し、欧州3歳牝馬王者に選出されたマンデシャ(父デザートスタイル)ということになります。 ほかにも、仏ジャンプ戦線を賑わせた強豪セン馬マンダリ(父シリダー)を産んだ母マンダララは、大きな期待を担って日本に導入され、公営岩手で6勝を挙げた牡駒ユアアイズオンリー(父ディニーバー)、中央競馬で未勝利戦、500万下戦を連勝した牝駒レッドシェリール(父ゼンノロブロイ)らを輩出しました。 そして、現役で走る牝駒レッドマジュールに続き、再び父に現役ナンバー1種牡馬ディープインパクトを迎えて誕生した牝駒が、マンダララ14。 牝馬クラシック戦線で抜群の強さを発揮する父の力も活かして、偉大な半姉マンデシャと肩を並べるような成果が望まれています。 |
○配合診断
ヴェルメイユ賞(仏G1)など3つのG1を制し、カルティエ賞最優秀3歳牝馬に輝いたMandeshaの半妹。 アガ・カーン4世殿下が代々育んできたファミリーの出身で、牝系をさかのぼると大種牡馬Nasrullahの全妹に至る名門です。 母の父LahibはRiverman産駒の名マイラー。Rivermanはフランスで二度リーディングサイアーとなった名種牡馬で、中距離向きの瞬発力を伝えます。 Mandeshaが勝ったヴェルメイユ賞の、馬群からあっという間に抜け出した決め脚はまさにRiverman的な鋭さでした。 母の父にRivermanの息子を持つディープインパクト産駒といえば、日本ダービー馬ディープブリランテがいます。 底時からを感じさせる堂々たるクラシック配合で、切れ味を感じさせるのもいいですね。 1600mから2400mまで幅広い距離をこなすタイプでしょう。 |
○馬体解説
体高があり脚も長い、とてもスタイルが良く、骨の丈夫さも伺うことができる牝駒です。 身のこなしは、とてもしなやか。 またトモが発達していて歩様に力強さがある点も、大きなセールスポイントとなっています。 瞬発力が問われる芝のレースをもっとも得意とするタイプで、決め手の勝負になれば、かなりの強さを発揮してくれるはずです。 血統的に見ると、マイル~2000m戦への適性が高そうですが、胴の長さを保持している馬体の持ち主だけに、ある程度の距離延長には十分に対応できるのではないでしょうか。 今後の成長次第ではありますが、素質の高さを感じさせてくれる若駒だけに、2歳秋ごろのデビューから、桜花賞、オークスへと続く牝馬の王道を歩むことを、大いに期待したいところです。 |
○角居勝彦調教師コメント
全欧3歳女王のマンデシャの半妹にあたり、ヨーロッパの名血といえるファミリーラインに、ディープインパクトの軽さが加わった好配合です。 おそらくヨーロッパへ連れていけば、誰もが欲しがる超一流の血統馬だと思います。 重賞クラスに出世できれば、海外遠征も視野に入れたくなるような楽しみな逸材です。 血統背景も含め、無理をして早期デビューを目指すようなタイプではありませんので、当面は馬の状態に合わせてじっくりと成長を促しながら鍛え、クラシックの有料駒馬が集う2歳秋頃のデビューを目標に考えています。 |
2015年10月
2016年1月
2016年4月