夢のもつれ

なんとなく考えたことを生の全般ともつれさせながら、書いていこうと思います。

ジャパン・レクイエム:Requiem Japonica(11)

2005-07-02 | tale
 店を出て、アパートに戻り、少しでも風を通そうと玄関のドアを開け放つまで、誰も口をきかない。  女の話なんかして、なんだか雰囲気を悪くしてしまったのかなと思った仲林は、話題を変えるように、出された麦茶に口を付けながら言った。 「あれさ、やっぱりイヌかネコにしとけば良かったんだ。毛でも生やかしてさ」  上目遣いの先には、ほとんど売れず、夜逃げの原因となった商品が古ぼけた本棚の上に一つだけ置かれて . . . 本文を読む