夢のもつれ

なんとなく考えたことを生の全般ともつれさせながら、書いていこうと思います。

ジャパン・レクイエム:Requiem Japonica(48)

2005-11-11 | tale
 7月になってまた見舞い客が増えてきた。もういよいよ危ないということが口コミで伝わるのだろう。達子、光子、欽二らに加え、正一や昭三も妻を伴って顔を見せた。甥や姪も何人か来た。 「みんな待ちくたびれているみたいね」と栄子はかすれた声で、耳を寄せた達子に言った。達子は返事もできず、笑うとも泣くともつかない顔をしていた。  その月の終わりには、長崎大水害を初めとする集中豪雨が各地で猛威をふるった。そ . . . 本文を読む