女性の社会進出が少子化を招いたのか？

人口学を少しでも知っている者が読むとため息をつくような内容だ。
戦争との関係とか、いくらでもツッコめるが、わかってない人を相手にするのもめんどくさいのでこの人の政策論的な部分だけ批判しよう。

女性の社会進出を政府が図ろうとしているのは、少子化により深刻な労働力不足が予想されるからだが、欧米と比べると女性の労働力化は進んでいないから、当面はそれにキャッチアップするのが目標だろう。

「結果として能力的に優れる女性が男性の職を浸食し、男性は労働市場から溢れてしまうという結果をもたらしつつあります」
もしこれが事実だとすれば今いちばんの課題となっている生産性の向上につながるのだからけっこうなことではないか。

「女性から見ると男性の社会的地位の不安定感を増長し、結婚より気ままな独身を選択しやすくなる結果を生みやすくなります」
意味がよくわからないが、晩婚化・非婚化は男女どちらかだけの問題ではないだろう。

この人の主張は、要は昔のように女性は専業主婦で子どもを産み育てていればいいということだろうか。
それは結婚のハードルをますます上げるだけではないか。
そんな「甲斐性のある男」は多くなく、共稼ぎに頼るしかない世帯が多数だろう。
したがって、出産・子育てと仕事の両立策が十分でなければ出生率向上は期待できない。

先進国の中でも日本が飛び抜けて出生率が低く、かつそれが続いていることをまじめに考えていないだろう。
戦前から出生政策を行ってきたフランスやスウェーデンがようやく人口置換水準に近づいてきたことをもっと勉強した方がいい。

逆効果も考えられる女性の社会進出と少子化問題へのコメント

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