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この映画は3つのお話のオムニバスと言っていいんだろうと思います。東京のヤスジロー(役所広司)とその娘で聾唖者のチエコ(菊池凛子)の話、モロッコをバスで旅行中のリチャード(ブラッド・ピット)とスーザン(ケイト・ブランシェット)夫婦と彼女を狙撃するヤギ使いの少年の話、リチャードの子どもたちを子守するメキシコ人のアメリア(アドリアナ・バラッザ)の話の3つです。
リチャードとアメリアの話のつながりは始めから明らかなんですが、東京の話がどうつながるのかは最後にならないとわかりません。ということはそれぞれの話のストーリーもさることながら「この3つがどうつながるのか?」はこの映画の評価を大きく左右するわけですが、ヤスジローがモロッコで猟のお礼にプレゼントした銃が狙撃に使われたという種明かしには思わず「それだけかいっ!」と突っ込みたくなりました。
ヤスジローの妻が銃で自殺したことが語られていますし、チエコもヤギ使いの少年も性的衝動に憑かれていますからテーマ的には東京とモロッコはつながるものがありますが、子守の話には銃も性もなく、アメリカとメキシコの格差や外国人労働者問題がテーマらしきものです。
リチャードの話と残り2つとの間にはテーマ的にもつながるものをいろいろ見つけることができますが、東京の話とアメリアの話のつながりが見えず、せいぜいが「大人の都合に振り回される子どもたち」といったものです。実際にエンディングに「子どもたちに捧ぐ」といった字幕が出てきて、思わず「やっぱりそれがホンネですか」とつぶやいてしまいました。……もちろんテーマなんかなくても、わからなくても映画を楽しむことはできますが、それなら「バベル」なんて思わせぶりなタイトルをつけない方がいいし、ましてや紹介するだけでも面倒なオムニバス映画なんかやめた方がいいでしょう。
すべてのエピソードがジグソーパズルのように緻密に関連付けられたものにするか、コラージュのように全く無関係なものから偶然生じるものを狙うかが私は好きで、中途半端なのは趣味じゃないですね。
リチャードとアメリアの話のつながりは始めから明らかなんですが、東京の話がどうつながるのかは最後にならないとわかりません。ということはそれぞれの話のストーリーもさることながら「この3つがどうつながるのか?」はこの映画の評価を大きく左右するわけですが、ヤスジローがモロッコで猟のお礼にプレゼントした銃が狙撃に使われたという種明かしには思わず「それだけかいっ!」と突っ込みたくなりました。
ヤスジローの妻が銃で自殺したことが語られていますし、チエコもヤギ使いの少年も性的衝動に憑かれていますからテーマ的には東京とモロッコはつながるものがありますが、子守の話には銃も性もなく、アメリカとメキシコの格差や外国人労働者問題がテーマらしきものです。
リチャードの話と残り2つとの間にはテーマ的にもつながるものをいろいろ見つけることができますが、東京の話とアメリアの話のつながりが見えず、せいぜいが「大人の都合に振り回される子どもたち」といったものです。実際にエンディングに「子どもたちに捧ぐ」といった字幕が出てきて、思わず「やっぱりそれがホンネですか」とつぶやいてしまいました。……もちろんテーマなんかなくても、わからなくても映画を楽しむことはできますが、それなら「バベル」なんて思わせぶりなタイトルをつけない方がいいし、ましてや紹介するだけでも面倒なオムニバス映画なんかやめた方がいいでしょう。
すべてのエピソードがジグソーパズルのように緻密に関連付けられたものにするか、コラージュのように全く無関係なものから偶然生じるものを狙うかが私は好きで、中途半端なのは趣味じゃないですね。