本当の「犯人」は誰だ？

「官僚は悪いやつら…」小泉容疑者、銃刀法違反容疑で送検(読売新聞) - goo ニュース

この事件はいろんな意味で興味深いので、ちょっと整理してみた。

・小泉毅という個人
彼が本当に犯人かどうかはこれからの取調べ、裁判で明らかになっていくんだけど、警察発表に依拠した（誘導された？ｗ）報道からするとまあ間違いはなさそうだ。
今しばらくは彼のプロフや環境について、うんざりするぐらいニュースになるだろうけど、あんなの実際の裁判では責任能力（心神喪失・耗弱）とか情状酌量のフェーズで問題になるだけ。常識的な裁判官なら完全な責任能力を認めて、２人殺して１人重傷だから死刑判決下すでしょうね。

・小泉毅を含むグループ
ぼくは彼が自首するまで、複数犯による犯行の可能性が高いと思っていた。計画的な感じだったし、手際がよくて冷静に事を運んでる気がしたから。
彼が一人で背後関係もなく、やったんだとしたら相当なものだと思う。もちろん社会に対する危険性という意味で。

・マスコミ
「テレビで役人が悪の権化だ」と言ってたから殺しましたみたいな印象を持っている人は少なからずいるだろう。今の世の中、なんでもかんでも役人・役所のせいにしておくのが簡単。いちばん文句が出ないから、マスコミ、特にテレビはなんとかの一つ覚えでそればっか。
先日、トヨタの奥田さんがワイドショーの厚生労働省イジメもいい加減にしろと言って、ぼくもその尻馬に乗った記事を書いたけど、この殺傷事件直後に古館が方向感覚をなくしたようなうろたえぶりをさらけ出したのはなかなかの見ものだった。そりゃ「決め技」が封じられたら困るよねｗ。

・社会の病理
なんでもかんでも社会のせいにして、実は自分の売名や金儲けをたくらむ人たちの唱えるもの。例えば犯罪心理学者と名乗って、したり顔でコメントをする連中などの常套手段。もっともらしく、なまぬるく、自分の頭で考えていない人間が好むものかな。格差社会が原因で、アキバで集団殺傷事件が起きたなんていうのと同じ。
この説をずうっと推し進めていくと加害者は「社会の病理」の被害者で、なーんにも悪くないもんねってことになるだろう。……そう、これはある種のアナーキズムなんだよ。

・政治家や官僚
被害者はもっと大きな悪によって抹殺されたって説。他にもＣＩＡとか中国とか韓国とかいろいろヴァリエーションは考えられるだろう。つまり陰謀説ですね。さっきの「グループ説」にもつながる。
でもさぁ、もうとっくに引退して天下った人やその妻を殺傷して何になるのかねぇ。アブナイ人がアブナイことをしただけじゃあ腑に落ちない、つまんないって気分だけで突っ走ってるんだろうけど。
陰謀説ってお話としてはおもしろいし、プロパガンダとしても有効な場合があるだろうけど、事実を事実として見ようとする人間が最も避けるべき見方。陰謀説的な意見をネットでよく見かけるのとマンガやゲームの筋立ての多くがそうなっているのは、はてさて誰の陰謀？ｗ

・集団的願望
まあ、こうやって考えていくと重大犯罪は多くの人にいろんなことを感じさせるし、社会にいろんな影響を与えていくんだなと思う。でも、凶悪な犯罪で社会が影響を受けたり、変わったりしてていいんだろうか。まともなやり方で社会を変革しようとするモメンタムは（奇しくも同じ名字の）小泉政権で終わってしまったんだろうか。

しかし、それはこの国の政治やシステムが本当にダメになったということ、退廃した社会だということを意味していないだろうか。そんなことで我々は子どもたち、将来の国民に恥じるところはないんだろうか。「最近の若者は」と嘆く前に「最近の大人は」と思わないのだろうか。かつて老人が尊敬の対象だったのは経験から学んだ知恵があったからで、今の老人の脳みそからは加齢臭がする。それが高齢化社会の正体なんだろうか。……

「亡くなられた方々のご冥福を心からお祈りします」なんて偽善的で論理性のないオチをぼくはつけたことがないし、これからもないだろう。

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なんかいろんなものがあるサイトです。