夢のもつれ

なんとなく考えたことを生の全般ともつれさせながら、書いていこうと思います。

今日聴いた音楽・番外編~SACDvsCDチャイコ対決

2005-11-13 | music

 知人の家に行って、タンノイの1本100万円のスピーカーに自作の真空管アンプの音を聴かせてもらったついでに、初めてSACDの音を聴きました。クラシックファンのくせに相当時代遅れなのかもしれません。それで、同じ曲で比較してみようと思って探してもらったら、チャイコフスキーの第5シンフォニーがありました。SACDは小林研一郎+チェコ・フィルで99年の録音、CDはオーマンディ+フィラデルフィア・オケで72年の録音です。

 SACDの方は使い古された表現になりますが、空気感がはっきり録音されていて、木管の美しさはそのホールへの響きと合わせ、大したものでした。弦もきれいです。ただ、初期のSACDだからか、低音と高音を持ち上げているのかブーミーで、金管の音色もざらざらして聞こえます。と言うことは、せっかくのど派手な曲のミキシングとしては失敗です。コバケンの演奏は、ところどころで気合いを入れたり、ちょっとおもしろいフレージングをしたりしていますが、全体に何をしたいのか私にはわかりませんでした。悪くはないかもしれませんが、平凡で魅力がないです。

 CDの方はSACDと逆で、低音、高音は気にならない(十分には出ていないのかも)のですが、中音域が汚く、音の雰囲気がないなって感じです。オーマンディの演奏は、これまたなぜチャイコをやってるのかよくわかんないけど、やってますって言ってるようなものでした。コバケンよりは安心して聴いていられますが。

 つまり、どっちもダメでしたっていうユニークなw結論です。雑誌ではありないでしょうね。SACDの方が音だけならましですが、高いのにその程度では存在意義はなく、利便性っていうことでiPodの方が圧倒しています。まだDVDの方が演奏風景を見れるのでいいように思います。私は、演奏やましてや録音(ミキシングって言った方が実態にあってると思いますが)なんてあんまり気にしないし、言わないですが、贅沢なオーディオを前にするとそういうことが言いたくなるって気持ちがちょっとわかりました。

 ただ、その知人のは6本も大きな真空管という暖がとれそうなパワー・アンプなんですが、デジタル・プリアンプはなくて、DVDプレイヤーのアナログ・アウトからアナログ・プリ(これも自作)につないでました。それってどうなんでしょうね。今はデジタル・アウトがふつうだから、D/A変換の回路にそんなに力を注いでなくて、音が劣化してるんじゃないかなぁ。その辺をきちんと詰めずにLPの音の方が良いって言われてもね。確かに食卓みたいなレコード・プレイヤーと工芸品のようなオルトフォンの音はよかったので、よけいそう思いました。……そんな高くてかさばるオーディオを買うお金があったら、一枚でも多く、安いCDを聴く方が私には性に合ってるし、好きなんですが。


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4 コメント

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面白いレポートでした。 (yurikamome122)
2005-11-13 14:42:57
でも何となくどちらの気持ちもわかるような。

100万円のスピーカーと言っても、仕組みそのものはもう何十年も同じ、しかも基本設計すら変えていない。そしてこのITの時代に真空管を?。となればやはりアナログと言いたくなるような。私ならどうという意見はないのですが、でも原音再生などと言いながら、出てくる音色やテクスチュアの変化を楽しむのもオーディオの楽しみだったりするのでしょうから。それに大きな音を鳴らせば、そこそこリアリティは得られたりするので、小音量で聴くのとはその時点でもう。。。でも実演を数多く聴けば、再生の粗さを脳味噌がある程度まではカバーしてくれるでしょうし。

何を書きたいのかわからなくなってきましたが、私もかつては必死にシンプルに組んだ最高に吟味した部品と回路構成を自分で設計しスピーカーに合わせたアンプを調整し、カートリッジもアンプもマッチングには細心の注意を払い組み上げたシステムで音楽三昧しているうちに、オーディオより音楽にのめり込んでしまった方です。今では、住宅事情もあり1万5千円で購入したリサイクル品のミニコンポで聴いています。あのシステムは都合5組作り20年くらい前に40万円くらいで知人に売りました。今でも健在の方もいます。恐縮ですが。でもあのシステムがなければ、地方にいた私は、実演など滅多に聴けるものではなく、クラシック音楽の多様性を聴くことができなかったかも知れないなぁ。
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聴環境を一定させて (pfaelzerwein)
2005-11-13 16:28:06
SACDとならADDで無くて 最 新 DDDD?のCDと比べて貰いたかったです。アナログ録音のCDは、LPに馴染んだ耳からすると馴染めません。価格はバカ安なので興味はあるのですが、殆んど買うことは無いです。昔、デジタル録音のLPを諦めていたのと反対の状況です。



レヴェルの低いコメントとなりましたが、ハードに凝るとソフトに精力を傾けなくなりますね。iPodの実力は知りませんけど、ある程度聴環境を一定させて、中味を吟味する事の方が楽しいでしょうか。その点からすると、yurikamome122さんのような幸運な例は珍しいですね。



ですから何時も使っているシステムが壊れないようにと祈る限りです。DVDすら聴環境としては設置していません。管弦楽演奏の下手なカメラワークは、どうも私には邪魔。
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意外でした>yurikamomeさん (夢のもつれ)
2005-11-13 19:17:27
女性にはオーディオファンはいないというのが私の偏見だったんですが、驚きました。それ以上にミニコンポであれだけ鋭い論評とは、すごいです。



車はおろか家が建ちそうなおカネをかけて、雑誌の批評をなぞったようなことしか言えない人たちに爪の垢でも飲ませてあげてください。



今回の記事は要は貧乏人のひがみで、演奏やましてやミキシングなんかあんまり気にしないでええんちゃう?っていう乱暴な話です。
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そんな大したものでは>pfaelzerweinさん (夢のもつれ)
2005-11-13 19:32:38
コメントありがとうございます。オーディオ雑誌のパロディみたいなものですから、恐縮してしまいました。どっちも音が出てるので引き分けですと言った方がよかったかなと思います。



まあ、それより聴環境以前に住環境、財政状況の一致が必要だなって思いました。DVDはだいたいは音が悪いって思ってるんですが、オペラはもちろん、前に書いたアーノンクールのブランデンブルク協奏曲やグールドのゴルドベルク変奏曲の演奏だけでも存在意義があります。絵が出るので勝ちですw。

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