○ブルックナー交響曲第3番&第8番:セル、クリーヴランド管弦楽団
セルって名前くらいは知ってましたが、ほとんど聴いたことがなかったです。浅薄な本場趣味みたいなのが私にはあって、何もドイツ系の音楽をアメリカのオケで、しかも過去の人の演奏で聴かなくても言うことだったんだろうと思います。第3番は初稿と第3稿(だったかなw)では同じ曲と思えないほど違っていて、ブルックナーのシンフォニーは12曲あるなんて思ってます。内容的にも、部分部分は優れているんですが、全体として言えば問題が多い作品のように思います。クリーヴランド管弦楽団の金管は最初の方はきらびやかなオーマンディ・サウンド(古いなぁw)みたいな感じですが、私がとてもまとまりがよくて好きなスケルツォではちょうどいいくらいにくすんでます。
セルの指揮は、第3番でもそうなんですが、第8番はそれ以上にきめ細やかなニュアンスに満ちていて、ブルックナーを大ざっぱな音楽だと思っている人たちにぜひ聴かせたいような演奏で、でも神経質なところはなくて、運動能力の高いアスリートたちを思いっきりドライヴしてます。録音面では、各パートの音がこんなにくっきりと聞こえたブルックナーは記憶にないような気がします。
○ヴェーバー・ピアノソナタ第2番、ブラームス4つのバラード、幻想曲集:エミール・ギレリス
ヴェーバーの曲はどことなく「舞踏への勧誘」を思わせるようなものでした。ブラームスのピアノ曲ってどうも好きになれませんね。室内楽は大好きなのに変だなって自分でも思ってるんですけど。ギレリスはうまいと思いますし、バラードではかなり深い、微妙なものを表現してはいるんですが。……
○ベルリオーズ「キリストの幼時」:ノリントン、シュトゥットガルト放送交響楽団
この曲は、あえてジャンル分けすればカンタータということになると思いますし、内容もキリスト生誕時に“救世主”の出現を恐れたヘロデ王が行った幼児の大量虐殺(ブリューゲルの有名な絵があります)という聖書に取材したものですが、そこはベルリオーズ、ユニークな音楽を作り上げています。一体この人はどういう頭の構造をしていたんだろうっていつも思います。
セルが亡くなる直前に来日したときのコンサートを聴いたことが忘れられません。
とくにモーツァルトの40番。
胸が締めつけられるような演奏でした。
去年だったかやっとライブ盤が出ました。
チャンスがありましたらぜひお聴きください。
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音楽もときどき詠います。
これからもよろしくお願いします。