目が覚めると
目が覚めると
今日も夜半の雨
日暦を捲って来た日々
懐かしそうに
雨は静かに途切れ途切れて、、、、
片づけをしてきた夏の忘れ物
未だ残して無いか
クローゼットの中、押し入れ、靴箱、茶タンス、庭の隅
雨は思い出すように降っている
珈琲からの
思い出
玄関先で
ふと目に触れた
背を丸め赤く色付いた落ち葉
一葉を手に触れば
若木の春芽は
冬を潜り襟を正した梢のざわめきに
陽を求めた葉みどりの衣更
ざわめきのひと夏は
目を擦るような速さで
目覚めの秋へと
ひと雨毎に消えて行く
群れから離れ
玄先で拾った一葉に
゛もうこんな時期゛
喜怒哀楽で汚れていた
仄かな陽の匂いを残す
思い出と言う忘れもの
今朝も雨で洗って行く