雪が来る前の沿道
黄葉、紅葉が通りの小径を埋めて行く
様々な葉脈から
ひと夏の経験を生んだ雄大なパノラマ
その葉も散って。。。。。。。(。-_-。)
晩秋の自然界
その中から炎を燃やしている椛のひと片を拾う
たちまち晩秋の陽は
メルヘンチックな幼い頃の情景を連れて来た
洗い場での母さんの真っ赤な手によく似た
あの日拾った椛
読みかけの本に挟んでおいたが。。。。。。。
本棚に視線を写し探してみる
色褪てしまった本がページを捲りだし
遠い山々から吹いて来る風の便りが
私の足元でハラリと止まった
あの日の母の姿は歳月の白妙の中
雪降る前の故郷の山が其処に姿を見せた
両親も肉親もだんだん途絶えてしまう
誰も居なくなって行く
病夫と暮らす一つ屋根
晩秋の燻りが人生の忘れたものを呼び起こし
里の庭に繋がって
やっと冬の篝火を起こす鬼灯の温もりに変わっていた