チューリヒ、そして広島

スイス・チューリヒに住んで(た時)の雑感と帰国後のスイス関連話題。2007年4月からは広島移住。タイトルも変えました。

最新機器の為に神に祈る:センター入試の一日

2010年01月17日 09時11分11秒 | Weblog
全国で51万3267人、中国地方では56会場で3万2418人が受験した今年のセンター試験(いずれも外国語科目の受験者数。中国新聞による)。当然ながら広島大学も会場となり、試験監督にあたりました。

東広島のキャンパスへ朝8時20分までに行こうと思えば、広島駅7時の列車に乗らねばなりません。6時半に自宅を出て、まだ暗い中を駅へ向かう、長い一日の始まりです。


暗い中だと灯りが目立つ、24時間営業のなか卯。しかし、土曜の朝7時前に食べている人は見あたりませんでした。真夜中にはいるのでしょうか?


朝7時前の広島駅。この日はあまり寒くなかったのが救いです。


新たな発見。いつも利用している、広島駅の地下改札口は、7時からしか開いていないということを初めて知りました。仕方なく、エスカレーターで地上で上がり、南口の改札口から入場。

土曜の7時の列車なんて空いてるはずと思い込んでいましたが、センター入試の日だからなんでしょう、すでにホームで待っていた列車はかなりの混雑。車内では、「広島大学で受験される方は西条駅で、近畿大学工学部で受験される方は西高屋(西条の一つ東側)駅でお降り下さい」と親切なアナウンスをしていました。

西条駅もすごい人。もはや受験会場へ向かう受験生が、大学へ向かうバスに乗るため列を作っています。駅では大学の(それとも駅の?)職員さんが、「広島大学 乗り場3」と書かれたボードを持って立っていました。朝早くから大変です。

試験は、午前に公民と地理/歴史、午後からは国語と外国語(筆記)、そして外国語(リスニング)です。試験場の責任者にあたっていたので、説明や注意事項を試験ごとに読み上げるのですが、ほぼ同じ内容を何度も読み上げるのが次第に辛くなってきます。きっとそれを聞かされる受験生はもっと辛いはず。なんか申し訳なく思えてきます。しかも文章が全体に高圧的で、かえって気を遣ってしまいます。「解答はじめ」とか「解答やめ」なんて、ぞんざいな命令調でやらなくてもいいのに、なんでああいう書き方なんでしょうかね。

感心したのは、答案を配布・回収するたびに、お辞儀をする受験生が何人かいたことです。「ありがとうございます」と言う人さえいました。そういう受験生と一日一緒にいると、何となくつながりを感じるというか、応援したい気持ちになってきます。最後のリスニング終了後、「今日一日お疲れ様でした」と(原稿にはないけど)言わずにはいられませんでした。

試験の山は、最後のリスニング。機器に異常が出れば、正規の試験時間終了後に再試験になります。その手続きも面倒だし、そうなった受験生が誰よりもかわいそう。最後まで何も起こらないでくれ、と試験監督一同は祈るばかり。なんで最新機器のために祈らにゃならんのか……。科学と宗教の関係を考えさせられる経験でした(ICプレーヤーの不具合は、全国で224人、中国地方では13人に生じたそうです)。

幸い、我々の試験場では祈りが通じたのか、無事終了。なんか、リスニングだけで疲れ切った感じがします。だって、操作説明もあるから、説明時間と試験時間がほぼ同じくらい。そこまでして、実施する意味は果たしてどのくらいあるのでしょうか。

こうして監督仕事は終わり、一刻も早く帰ろうと飛び乗った、臨時便のバス。


車内は超混雑。その上蒸し暑い。気を利かせて窓を開ける者もなし。

こうして1日目の試験は終わり、家に帰り着いたのは夜の8時半。もうへとへとでした。次の日も試験を受ける人たちは本当に大変です。

2日目の試験に臨む受験生に幸多かれと心から祈ります。