チューリヒ、そして広島

スイス・チューリヒに住んで(た時)の雑感と帰国後のスイス関連話題。2007年4月からは広島移住。タイトルも変えました。

Hermeneiaのセール

2020年02月02日 09時19分05秒 | Weblog
Fortress Press が Hermeneia 注解シリーズの4割引セールをやっています(2020年2月29日まで)。

思えば、この注解シリーズにはずいぶんとお世話になってきました。最初の出会いは、M. ディベリウスのヤコブ書注解。まだドイツ語があまり読めない学部生の頃、自宅にあったドイツ語原書だけではなかなか読み進まないので、このシリーズから出ている英語版を買いました。

Hermeneia は、H. コンツェルマンの第一コリントや使徒行伝、牧会書簡、E. ローゼのコロサイ/フィレモン、E. ヘンヒェンのヨハネ福音書、G. シュトレッカーのヨハネ書簡といった、ドイツ語圏の有名な学者が書いた注解の英訳が収められていることでも知られています。EKKからも、U. ルツのマタイ福音書やF. ボヴォンのルカ福音書が入っています。

しかし、英語版がオリジナルである注解も少なくなく、A. ヤーブロ・コリンズのマルコ福音書やR. I. パーヴォの使徒行伝、H. W. アットリッジのヘブライ書はこのシリーズから出ています。H. D. ベッツの有名なガラテヤ書もこのグループに入れてよいでしょうか(彼はドイツ生まれですが)。

面白いのは、「12使徒の教訓」(ディダケー)やアンティオキアのイグナティオス、さらには「使徒的伝承」といった、新約以後の文書の注解も含まれていることです。また、「Q批評版」(Critical Edition of Q)なんていうのもあります。この場合は「新約以前」と言うべきでしょうか。

大判で重い上、判型がややいびつで、コピーが取りにくいのが難点ではありますが(わざとか?)、便利なシリーズであることは確かです。

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