新しく住んだ場所では、交通網に慣れるまでが大変です。
チューリヒのトラム(市電)は、州の旗に合わせて青と白の二色が基本(写真)。ベルンは最近(いつからかわかりませんが)赤で統一されたようです。バーゼルは昔から緑色。
前にも書いたと思いますが、ベルンのような小さな町に慣れていると、チューリヒは大都会(は大げさだけど)に感じられます。最近やっと、市内の交通網が頭に入ってきました。ベルンは、ほとんどのトラムやバスが中央駅を通っているのですが、チューリヒではそうでないので、どのトラムに乗ればどこに行くのか、よくよく確かめないといけなくて、それだけでも気を使って疲れます。
チューリヒのトラムやバスは値段が高いです(多分チューリヒだけじゃないと思いますが)。自宅前の停留所から中央駅まで片道15分くらい乗って3フラン60ラッペン(300円強)。鉄道と共通の半額パス(1年で150フラン=13500円くらい)を買っていれば多少割り引かれますが、それでも高い。
しかし、便利なこともあって、切符は基本的にゾーン単位で買うのですが、往復を買えば24時間そのゾーンは何度も乗れるし、同じ切符でトラムやバスを乗り継ぐこともできます。これには、近郊電車(S-Bahn)も含まれていて、たとえばチューリヒ空港からS-Bahnに乗り、中央駅で降りて、そのままトラムに乗ることもできるわけです。
ローカルな話で恐縮ですが、例えば西宮市では、阪急バスと阪神バスを一枚の切符で乗り継ぐことはできません(定期券ならできる?)。阪急電車とJR、阪神電車の間でも不可能。「スルっと関西」はあるものの、あれは何の割引もないプリペイドカードに過ぎません。普通の切符でできないと意味がない。公共交通機関を乗り継げば得になるような仕組みがあればと思います。同じ停留所を利用しているところも少なくないのだから、この程度の便宜は図ってもよさそうなものです。排気ガス抑制という観点から、もっとトラムの活用を考えるべきだとも思いますが、さしあたり可能なのは、共通切符の充実でしょう。
それから、子どもへの割引が充実している点も、日本でぜひ見習ってほしいです。スイス鉄道も市内交通も共通で、1年間に20フラン(1800円くらい)払えば、親と一緒に乗る子どもはタダになります(Junior-Karte)。この割引は16歳の子どもまで適用されるというのがびっくりですが、とにかくいいシステムです。
ところで、チューリヒのトラムやバスでは、次の停留所の名前を運転手が標準ドイツ語で言っている(スイス風の訛りとイントネーションではありますが)のが印象的でした。というのも、ベルンでは完全にベルンドイツ語だったからです。大学に行く際に降りる停留所は Kunsthaus(美術館)なのですが、運転手はたいていちゃんと「クンストハウス」と発音しています(しばしば「クンシュトハウス」と訛っていますが)。スイスドイツ語なら「フンシュトフース」とでもなるところでしょう。(写真の停留所が Kunsthaus です。)
かつてベルンに住んでいた時、中央駅から自宅近くの停留所まで乗るバス路線の途中に、Gewerbeschule(実業学校)という停留所があったのですが、普通なら「ゲヴェゥベシューレ」となりそうなところを、運転手は決まって「グヴァッバシュゥーウァゥ」のように発音するので、予めわかっていなければ絶対に聞き取れないなと思ったものです。(ベルンのトラムやバスは、録音のアナウンスを使うようになったので、この問題は解消したみたいです。この前ベルンで乗ったときは、女性の声で、標準ドイツ語のアナウンスになっていました。)
面白く思うのは、スイス人は降りるずいぶん前から準備にかかることです。先日、買い物に出かけたときのこと。ある停留所に近づいたとき、おばあさんが席を立ったので、降りるのかと思ったら、その停留所では乗降口の横に突っ立ったままで、トラムが発車するや否や「降ります」ボタンを押し、その次の停留所で降りたのです。このおばあさんは決して例外ではありません。早くから席を立って降りる準備にかかり、停留所が近づくと「降ります」ボタンを連打するスイス人は実に多い。降り損なうのが不安なのか???
トラムやバスには、ベビーカーを押しているお母さんが乗ってくることも実に多いのですが、そんなとき、スイス人は必ず乗降を手伝います。ベビーカーを持ったお母さんが乗り降りしようとすると、「手伝いましょうか?」と誰かが常に声をかけています。これは本当に気持ちの良い美徳です。ちょっと気になるのは、他に誰もお客がいなかった場合はどうなるのかということ。運転手が手伝うのでしょうか?
チューリヒのトラム(市電)は、州の旗に合わせて青と白の二色が基本(写真)。ベルンは最近(いつからかわかりませんが)赤で統一されたようです。バーゼルは昔から緑色。
前にも書いたと思いますが、ベルンのような小さな町に慣れていると、チューリヒは大都会(は大げさだけど)に感じられます。最近やっと、市内の交通網が頭に入ってきました。ベルンは、ほとんどのトラムやバスが中央駅を通っているのですが、チューリヒではそうでないので、どのトラムに乗ればどこに行くのか、よくよく確かめないといけなくて、それだけでも気を使って疲れます。
チューリヒのトラムやバスは値段が高いです(多分チューリヒだけじゃないと思いますが)。自宅前の停留所から中央駅まで片道15分くらい乗って3フラン60ラッペン(300円強)。鉄道と共通の半額パス(1年で150フラン=13500円くらい)を買っていれば多少割り引かれますが、それでも高い。
しかし、便利なこともあって、切符は基本的にゾーン単位で買うのですが、往復を買えば24時間そのゾーンは何度も乗れるし、同じ切符でトラムやバスを乗り継ぐこともできます。これには、近郊電車(S-Bahn)も含まれていて、たとえばチューリヒ空港からS-Bahnに乗り、中央駅で降りて、そのままトラムに乗ることもできるわけです。
ローカルな話で恐縮ですが、例えば西宮市では、阪急バスと阪神バスを一枚の切符で乗り継ぐことはできません(定期券ならできる?)。阪急電車とJR、阪神電車の間でも不可能。「スルっと関西」はあるものの、あれは何の割引もないプリペイドカードに過ぎません。普通の切符でできないと意味がない。公共交通機関を乗り継げば得になるような仕組みがあればと思います。同じ停留所を利用しているところも少なくないのだから、この程度の便宜は図ってもよさそうなものです。排気ガス抑制という観点から、もっとトラムの活用を考えるべきだとも思いますが、さしあたり可能なのは、共通切符の充実でしょう。
それから、子どもへの割引が充実している点も、日本でぜひ見習ってほしいです。スイス鉄道も市内交通も共通で、1年間に20フラン(1800円くらい)払えば、親と一緒に乗る子どもはタダになります(Junior-Karte)。この割引は16歳の子どもまで適用されるというのがびっくりですが、とにかくいいシステムです。
ところで、チューリヒのトラムやバスでは、次の停留所の名前を運転手が標準ドイツ語で言っている(スイス風の訛りとイントネーションではありますが)のが印象的でした。というのも、ベルンでは完全にベルンドイツ語だったからです。大学に行く際に降りる停留所は Kunsthaus(美術館)なのですが、運転手はたいていちゃんと「クンストハウス」と発音しています(しばしば「クンシュトハウス」と訛っていますが)。スイスドイツ語なら「フンシュトフース」とでもなるところでしょう。(写真の停留所が Kunsthaus です。)
かつてベルンに住んでいた時、中央駅から自宅近くの停留所まで乗るバス路線の途中に、Gewerbeschule(実業学校)という停留所があったのですが、普通なら「ゲヴェゥベシューレ」となりそうなところを、運転手は決まって「グヴァッバシュゥーウァゥ」のように発音するので、予めわかっていなければ絶対に聞き取れないなと思ったものです。(ベルンのトラムやバスは、録音のアナウンスを使うようになったので、この問題は解消したみたいです。この前ベルンで乗ったときは、女性の声で、標準ドイツ語のアナウンスになっていました。)
面白く思うのは、スイス人は降りるずいぶん前から準備にかかることです。先日、買い物に出かけたときのこと。ある停留所に近づいたとき、おばあさんが席を立ったので、降りるのかと思ったら、その停留所では乗降口の横に突っ立ったままで、トラムが発車するや否や「降ります」ボタンを押し、その次の停留所で降りたのです。このおばあさんは決して例外ではありません。早くから席を立って降りる準備にかかり、停留所が近づくと「降ります」ボタンを連打するスイス人は実に多い。降り損なうのが不安なのか???
トラムやバスには、ベビーカーを押しているお母さんが乗ってくることも実に多いのですが、そんなとき、スイス人は必ず乗降を手伝います。ベビーカーを持ったお母さんが乗り降りしようとすると、「手伝いましょうか?」と誰かが常に声をかけています。これは本当に気持ちの良い美徳です。ちょっと気になるのは、他に誰もお客がいなかった場合はどうなるのかということ。運転手が手伝うのでしょうか?
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