20万円相当のギターを7台も買い込んだ。同じ曲を弾いて見る。どれも似たりよったりで優劣つけがたい。しかし強いて一台しか残せない、としたらやはりヤマハになる。
メーカーのお先棒を担ぐ積りはないが長年組織的に研究して成果を積み上げて来ただけのことはある、と思うのは私が理科系人間であるせいかもしれないが。
似たようなのを7台も買うなどと言うのは無駄使いに思えるかもしれないが、楽器店に行って弾いて見る程度のことでは分からない部分があるのだ。何度も何度も、曲を変え、日を変えて弾いてみて初めてこれだ!が出てくる。
つまりそういう無駄をやって初めて無駄、馬鹿が分る。それをカワイイ坊やを必死で囲い込んで始めから【コレヒトツ】と教え込む愚かな母親が世間には沢山いる。少年が覇気ある子ならやがて母親の縛りを断ち切って飛び出し、戻って来なくなる。散々バカをやって母の嘆きと悲しみを尻目に落ちぶれたりもする。人生をとっかえひっかえ弾いてみて『どれが俺のものか?』を探そうとする。
現在のクラシックギターと言うのはピンからキリまでどれもトーレス式と言って表面板の裏側の補強材の寸法や配置が大同小異。従って1万円程度の安物から50万を超えるものまで例えて言えば、佳人ー麗人ー美人ー別嬪ー月並みー毒ー鬼瓦の差こそあれ、人に変わりはない、同じ弱点・・・ウルフトーン、ボン鳴り・・・を持っている。
ラティス・ブレーシングと言って伝統的な力木配置と違うものも最近はあるようだが私思うに矩形断面で瓢箪のカタチをした弦楽器は全てこの傾向があると思う。
であればそのような物に20万以上突っ込むのは馬鹿らしいと思う。例えて言えば佳人、麗人は持て余す、美人か別嬪でいい。
では最終的にあなたは何を選ぶか?と言えば生業としてステージに立つのでない限りヤマハのCG162で十分、つまり月並み美人で結構である。なぜかと言えば、最近CG-TAなる電気増幅のモデルが出たが多分そのベースになっている。と言う事は多分ヤマハとしてはこれで十分、後は【コダワリ】へのお付き合いと考えていると思うからだ。