最近ドイツの Lakewood と言うアコースティックギターメーカーが開発したクラシックギターを買った。素晴らしい鳴り、特に気に入ったのがウルフトーンが然程顕著でない、倍音が少ない、仕上げが如何にもドイツ!
そこで一旦弦を外して力木がどういう風に配置されているか見ようとした。
ところがビックリ仰天、何もないのだ。ただ表甲裏になにやら別の板を貼ってある。
これ、もしかしてダブルトップになっているんじゃないか?と考えたがそれにしてもあれは音量を求める処理であってそれを以て力木省略にはならんだろう、と思って何度もまさぐって見るが無いものはない。
それにこのギター、決して軽くない、またバカ鳴りもしない。
そこであるギター製作家・・・この人は楽器商人のヒモ付きではない・・・の言ったこと、『あれは単なる補強ですよ』が真実味を帯びてくる。
トーレスの居た時代には合板技術がなかった、だから彼は割れを防ぐ積りで木目を横切るような補強を扇状配置したのかもしれない。それが偶然、それまでのロマンチックギターと異質の音を発したので人々が『トーレス式!、これでなくっちゃ』になったのかもしれんではないか?
何を言いたいかって?・・・『扇状配置力木なる不確かなものに凝るよりは合板を研究せよ』
もうひとつ言わせてもらおうか・・・トーレス式扇状配置力木がそれほど有難いものならば何故ラティス・ブレーシングなるものが存在してそれなりのパフォーマンスをするのかね?