昔、五木寛之氏の著書を読んだ時、日本の不思議な特質としてセイタカアワダチソウを例にして説明されていた。あの植物が日本に入って来た初期には日本の固有植物が総て駆逐されて国中に繁茂する、憂わしい事だとの論調があったが歳月が経つとともにその勢いが衰えてしまった、と言うわけだ。
確かに今やそこここに生えてはいるがお世辞にも勢いがいいとは言えない。
日本は外国から移民を受け入れる事に消極的、拒絶的だと外国人は言う。私個人としては移民も労働者も一切拒絶したい。古くから伝わる文化を破壊されたくないし血が濁るのが面白くない。外国人も、日本人が文化を破壊されるのを嫌うのだと言うようだ。
しかし一方で日本文化のように強靭な文化は類例がないとも思っている。言語を考えればわかる。日本語の特徴は外国語を取り込んでたちまち日本語に同化させてしまうことだが文化もそうだと思う。ハロウィンだとか大晦日のカウント・ダウンだとか最近流行の外国由来行事は好かないが、例えばクリスマス、もう日本のものになってしまってそれが為に日本の何かが破壊された、例えば神社が減ったとは思えない。人々は茶髪の兄ちゃんやキャピキャピギャルまでやっぱり神社で願い事か何かしている。多分外国の物の自分たちに興味のないものは捨てられて面白い部分だけ取り込まれるのだろう。ハロウィンもカウントダウンも数年の内には日本化されてしまうだろう。ハロウィンなどは西洋の野暮ったいコスプレなどは捨てられて日本風の絢爛豪華奇抜なものが出て来るだろう。花魁道中など見ればハロウィンだのヨサコイソーランだのあほらしくって!絢爛豪華奇抜、そしてイナセな兄さんがカッコイイ!
諸外国では異種の文化はあくまでも異種のまま混在するだろうが日本では化学反応を起こして化合が起こり、別物が生成される。中華丼と言う食い物がある。あれは中国人は知らない。完全に日本化された食い物である。トルコライス然り、オムライス然り、スパゲッティナポリタン然り。パーソナルコンピュータはパソコンになり、スマートフォーンはスマホになった。そのスマホに小さな根付けみたいのをいくつもぶら下げるに至っては完全に日本化してしまった。