月のひびき (徳正寺だより)

“いま”出遇えた一瞬をパチリ
それは仏さまとの日暮らし…

人生相談

2011年07月23日 18時52分56秒 | 仏々相念(住職日記)

苦手だな~・・・

 

ご門徒さんが思いつめた様子でお参りになられました。

「ご院さんにお話しを聞いていただきたくて・・・」

丁度、滞在しておりましたので本堂にて面会させていただきました。

 

聞いてほしいっておっしゃるのだから、ただ聞けばいいようなものなのでしょうが、どうしても自分の思いみたいなものを言ってしまったりして、或いは何か言わなければいけないのかと思ったりして・・・

だから、もの凄く苦手で・・・

今日は、要らないことは言わず、ただ「阿弥陀さまが包んでおって下さるのだから心配ありませんよ」とだけ申させていただいたことです。

また、これしかないのです・・・

 

「私は、学校の先生とお医者さんとお寺のご住職は心から敬うことができます」

「そりゃ、そんな中に私も入れていただいて恐縮します。でも、学校の先生とお医者さんはそれなりに知恵・知識を重ねられ立派な人だと思いますが、こと私に至っては、知恵・知識もなければ優れた人格を持っている訳でもありません。ただ腹の汚いまま、このお衣・袈裟を着けさせていただいているだけです。何も偉くもなければ優しき心も持ち合わせておりません。こんな人生を阿弥陀さまと共々に歩まさせていただいていることです。」

 

泣いたり笑ったりの数十分でした。

「何か楽になったような気がします。思い切って来てよかったです。いろんなことがあり押し潰されそうになり住職さんのお顔が浮かんだことです。聞いて貰えてよかったです。」

「私もあなたと一緒にここに座ることができてよかったです。あなたが来てくださらなかったら、今ここに座ることはなかったでしょう・・・こちらこそありがとうございました。」

 

私の恩師がブログに書かれています、

しんどい心を引っさげながらキャンパスを歩いていると掲示板に「み仏はおわします」という言葉を見つけられ涙が溢れたとおっしゃっています。

 

一緒におってくださるってありがたいことですね・・・