月のひびき (徳正寺だより)

“いま”出遇えた一瞬をパチリ
それは仏さまとの日暮らし…

お母さんの声のはなし

2013年02月11日 21時01分46秒 | ふうわりふわり(坊守日記)
今日、本堂でのご法事に中学二年生と小学六年生の姉妹がお参りくださいました

お母さんが「お寺の本堂って、すごくきれいなんですね~」って仰ってくださったので、

「そうですね~、お浄土のお荘厳のそのままなんですよ。余間の襖にはクジャクとカリョウビンガという鳥の絵がかかれているんですよ」

と、襖を閉めて美しい絵を見ていただきました

すると、お姉ちゃんが「カリョウビンガって知ってます!本で読んだことがあります!すごいきれいな声で鳴く鳥なんですよね!」

中学二年生でカリョウビンガを知っているとはなかなかの読書家のようです

「でも、すごくきれいな声って、どんな声なのかな~?」

って尋ねてくださったので

「カリョウビンガの声は、聞く人の心を和らげる声なんだそうですよ」

と答えると、お姉ちゃんはとても明るいお顔で

「じゃあ、お母さんの声だ!」

と言われました

すると、妹のKちゃんが

「お母さん、音痴だけどね~」

と付け足し、皆で笑いました

もつれるように笑い合うお母さんと姉妹のお姿を拝見しながら、とてもあたたかいもの感じました


姉妹を想い育むお母さんの声は、子どもに届く時にカリョウビンガの声のように響くのですね

仏さまの声もまた、迷える衆生のための声だと気づかせていただきました

私に届いてはじめて声となる響きの仏さまが阿弥陀さまでありました


すてきな母娘に出遇わせていただいたご縁に感謝します