月のひびき (徳正寺だより)

“いま”出遇えた一瞬をパチリ
それは仏さまとの日暮らし…

命日之涙

2013年07月03日 21時21分33秒 | 仏々相念(住職日記)

もう思い残すことは・・・

 

80歳も過ぎ大切なご子息の往生のご縁にあう。

ご主人も往生なさっておれます。

息子様の家族は大阪ですのでこちらで一人暮らしであります。

 

年月は過ぎれどやっぱり涙が溢れ出る。

もう泣きません・・・

そう言われた一言が耳の底に消えません。

大粒の涙が次から次へと頬をつたいます。

 

夫を思う気持ち・・・

息子を思う気持ち・・・

温かく優しく「あ~・・・」ってため息が出るようでした。

 

ず~っと家族3人で一緒にガンバってきました。

お浄土で2人も会っている。

私も一緒に会うことができる。

そう思うと何も思い残すことがありません。

 

そう聞きながら、一瞬、

「あ~、なんか投げやりになっているのかな~」

って思っていると、

 

「でもね、このいのち、お父さんや息子が大切にしてくれたいのちです。

 だから、生き抜こうって思っています。」

 

嬉しく思うと同時に感動しました。

 

そうですよね・・・

願生って生きぬかさせていただきましょう。

 

辛いこと、悲しいこと、痛いこと・・・

これからも沢山ありますけど、

「大切に生き抜いてくれよ。決して一人にはしないから・・・」

その声を聞きつつ・・・

合わす手に感じつつ・・・

 

今日を生かさせていただきます。