月のひびき (徳正寺だより)

“いま”出遇えた一瞬をパチリ
それは仏さまとの日暮らし…

一歩一声

2013年07月05日 19時49分51秒 | 仏々相念(住職日記)

帰れよ~・・・

 

夕方、きれいな空に誘われるように境内に出ました。

高い雲はゆったりと・・・

低い雲は急ぐように流れていました。

その間を2羽のカラスが西の方に帰っていきます。

 

今日も暮れます・・・

 

坊守が出張ですので静かな夜になっています。

別に坊守がうるさいというのではなくホンワカと明るくしてくださるおはたらきなので

そんなに感じるのでしょうか・・・

火が消えたような部屋で息子と2人でそれぞれのことをしています。

 

「婆ちゃん、無理せんようにせんと・・・」

息子が祖母に優しい一言を掛けています。

優しいよな~・・・って思うコイツ。

本来であればコイツがその言葉を発し労わらなければならないのでしょうが出ません。

情けないかな・・・出ません、コイツ。

そんなダメ親父なもんですから息子が代わってくれるんでしょうね。

 

優しい息子です。

 

今日、フッと思ったのです。

お参りに行くのに家から家へと移動する道すがら・・・

お念仏申さんよな~・・・って。

次の家、次の家と思い、

早く行かなくてはって気ばかり焦ってついでに汗も焦って(てな言葉はなく掻いて)足はもたつく。

衰えるよな~・・・

愚痴ばっかり出ていました。

 

ナンマンダ~ブ、ナンマンダ~ブ・・・

 

声に出して歩いてみました。

 

ナンマンダ~ブ、ナンマンダ~ブ・・・

 

もう一歩、もう一歩と一緒に坂を歩いて下さる真実の親の声が聞こえるようです。

何一つ優しい言葉の出ないコイツの口から、

こぼれでてくださっていました。

 

どこまでも申し訳なくて・・・

 

おはようございま~す!

今日も暑いですね~

 

玄関で外面飾っているコイツ・・・

これでいいのかと常に問いつつ・・・

 

それでいいのだと親さまこたえる・・・

きっと・・・