月のひびき (徳正寺だより)

“いま”出遇えた一瞬をパチリ
それは仏さまとの日暮らし…

車之泣声

2013年09月09日 20時31分24秒 | 仏々相念(住職日記)

ア~ン、ア~ン・・・

 

幼かった娘の語録。

時々、坊守が教えてくれます。

 

「ママ、小鳥さんが泣いてるよ・・・」

「どうやって鳴いてるの、チュンチュンって鳴いてるの・・・」

「違うの、ア~ンア~ンって泣いてるの・・・」

べランで亡くなっていた小鳥を見つけた娘はその姿にア~ン、ア~ンと泣声を聞いたのです。

 

結構好きな話です、コイツ。

 

今日、市の補導巡回日でした。

早くから言って話すのもしんどいのでギリギリに到着。

当初は運転の予定ではありませんでしたが、

運転される方が欠席になったために急きょ運転することに。

久しぶりに青パトを運転しました。

 

「高速のガード下に駐車していますからお願いします。」

「分かりました、行ってまいります。」

事務的な会話を交わした後、

他2名の方と一緒にガード下に行くと汚れた補導の公用車。

舗装されていないところに駐車されているものですから舞い上がった土ぼこりが積もるのでしょう。

雨が降ると大変なことになります。

 

コイツは口に出すことはありません、

コイツの車でないのですから・・・

でも、あまりの酷さに同行されたお一人が、「ま~、汚い車!」

コイツもそう思っていました。

でもコイツまで一緒に言ってしまうとこの車が崩れるような気がして・・・

思っているのですから一緒なのですけど・・・

 

ま~せめてフロントガラスくらい見通しよくしなければと

ウインド・ウォッシャーをしたところが水も切れています。

ガックリです・・・

尚のこと酷い状態となりスタートしました。

 

コイツにはず~っとア~ンア~ンと泣く車の声が聞こえるようでした。

コイツにできることはゆっくり優しく労わるように走らせることだけ・・・

補導そっちのけでハンドル擦っていました。

以前写真紹介しましたが、

115000キロほど走っているカローラ・バン。

「お前も願生ってるんだ・・・」って思いながら擦ります。

「ニコニコに比べればこれからだよ・・・」って。

 

「洗車くらいしてやってください」って言いたいところですが、

「ウインド・ウォッシャー切れてましたので補充してやって下さい」とだけ伝えて帰りました。

管理されている方が泣声を聞いて下さればいいのですが・・・

 

「お前がやれよ」って言われそうですけど、

人の車を洗車するほど元気でもありませんので・・・

 

一番冷たきはコイツでありました。

泣声を背中に受けて帰るのですから・・・

 

申し訳ない・・・