月のひびき (徳正寺だより)

“いま”出遇えた一瞬をパチリ
それは仏さまとの日暮らし…

途中退場

2013年09月24日 19時30分40秒 | 仏々相念(住職日記)

力不足・・・

 

コイツの話しはなかなか聞いていただけません。

一応、僧侶として言わなくてはいけないこと、

浄土真宗の御教えとして大切なところ、

言葉足りないのかも知れませんが・・・

 

残念です。

 

近所の方、業者の方・・・

このような方々の話は素直に聞かれる。

それでもこちらも頷けることを聞いていただければいいのですが、

大体は違う方向で納得されてしまいます。

そんなご門徒が多くおられます。

 

なんででしょうね・・・

 

やはり日々のコイツの有様が問われるのでしょうか・・・

ま~、そりゃそうですよね。

日々の有様の反省もなしに、

お袈裟・お衣を身に着け僧侶でございって行ったところで受け入れられないのでしょう。

それよりか、

日常、親身に話してくれる近所の方を慕われるのは道理なのかもしれません。

 

難しいです・・・

 

夕方、鐘楼堂をお借りしてお米についている虫と格闘していました。

しはじめた時は青空も残っていて

いい天気だな~って見上げながらシャカシャカと篩にかけていました。

1時間、2時間・・・

無心にはなれない心で只管シャカシャカ、シャカシャカ・・・

涼やかな風が吹き出したな~って思っていると6時のサイレン。

あ~、もう6時か~・・・

すっかり夕闇に包まれようとしていました。

まだ終わりません。

途中で止めるのが嫌いなコイツは見え難くなってもシャカシャカ・シャカシャカ・・・

 

他の用事に追われる坊守が出てきます。

止めんコイツが分かっているから一緒にしてくれようとします。

「もう見えんでしょう・・・」

優しくつぶやく坊守の声に頑なに止めんコイツが止めるのです。

「そうやね、今日はもう止めるよ・・・」

自分で言いながら、

どしたんやオレ、無茶苦茶素直やんって思ってしまいました。

寄り添ってくれる優しさにホッとするのでしょうか、

いやいや、止めたいのに止めれないコイツは止めるきっかけを欲していたのか・・・

どちらにしても珍しく素直なコイツがいたことです。

 

「御飯にしましょ・・・」って優しい声。

 

押し付けるような話ばかりしていたのか・・・

相手の気持ちに寄り添っていたのか・・・

 

今一度、涼やかな鐘楼堂で一人、

あ~だこ~だと思うコイツでした。

 

明日またシャカシャカです、コイツ。