「伊勢神宮と出雲大社~遷宮に秘められた意味をめぐって~」
と言うタイトルのもと、名古屋で開かれる遷宮記念シンポジウムで、
浅野温子さんがよみ語りを行うために、演奏をしに出かけるのだが、
今回は新作で、音楽の構想、作曲、仕込み、を行わなければならない・・
ここ三~四日ばかり、こもってその作業に没頭していた。
作業はまず脚本を読む事から始まる。
何回も、繰り返して読むのだが、最初から鉛筆を片手に、五線帳を傍らに用意する。
ファーストインプレッション、は大事で、全く始めてで、先のストーリーが分からない時でも、
メロディーや、空間が浮かんで来たり、ここからここまで音楽を付けよう、と言う構想が、
湧き出て来る事もあるからだ。
幾度も繰り返して読むに従い、そんなファーストインプレッションは、確信に変わったり、
別なものに姿を変えたりする。
五線紙に走り書きしたメロディーを、台本上で、音を付ける範囲に沿って、幾度も繰り返し、
自分でピアノを演奏しながら、読み、タイミングを計る。
そうやって、構想と作曲を合致させ、作って行くのだが・・
本番になると、全くそんな予定は成り立たない事の方が多い。
逆に、それが浅野温子さんとのコラボレーションの醍醐味だ。
温子さんの読み方が変わり、僕の演奏も、メロディーすら、自然と変わって行く・・
僕が思わず叙情的に弾いて、彼女の読み方が変わる。
病み付きになる所以。
明後日のコラボレーションが楽しみだ。