白和え 1
「goo ブローカー今日のひとこと」には時折ポツリと呟いております。先日のテーマは「時別な日に食べたい料理」でした。そこで早速「母の白和え」と呟きました。
しかし特別な日に、白和えとは………。ずいぶん質素ですね。でも昔といっては私の幼い頃には、白和えはごちそうの部類だったのですよ。あまり詳しくは覚えておりませんが、毎日の食卓に肉や魚などが上がることはめったに無かったし、豆腐も時々しか買わなかったような気がします。
ですから味噌汁に豆腐を入れるようになったのも、私がかなり大きくなってからでした。記憶違いならごめんなさいお母さん……。
そんなたまにしか買わない豆腐?冬場は主に「けんちゃん」と呼ばれる具だくさん汁にしておりました。多分「けんちゃん」は「けんちん汁」が訛ったのでしょう。大根と豆腐と煮干しを油で炒めた汁物で、当地では冬場の定番料理でした。けれどもだし用の煮干しが丸ごと入っていて、煮干しを残すと怒られるので嫌いでした。
また夏場は冷や奴で食べていました。その日は父が「ご馳走だ」と喜んで、普段はしない晩酌をしておりました。ただ豆腐に醤油をたくさんかけると怒られるので、冷や奴もあまり好きではありませんでした。今になって思うのですが、子どもの時の好き嫌いは、怒られるということにも原因があったように思います。ちなみに今は奴には、醤油はかけません。それだけでも十分おいしいですね。
さてそんな豆腐嫌いだった私が、唯一好きだった料理が「白和え」です。当地では高菜の白和えが一般的です。湯がいて細かく切った高菜とコンニャクを油で炒めて薄く味をつけ、水気を切った豆腐をすり鉢ですり合わせた和え衣にまぶします。和え衣の味付けは砂糖と塩、隠し味に味噌少々でした。
母は普段の料理には砂糖をあまり使わない人でしたので、子ども心に母の料理は塩っぱいと感じておりました。ところがこの白和えだけは砂糖をふんだんに使っていたのでしょう。とても甘くて隠し味の味噌が口の中で自己主張しておりました。家で一番大きなすり鉢にいっぱい作ってくれました。
それからこれを食べていて怒られたことがないのも、好きな理由のひとつかもしれません。ただ白和えに関しては忘れられない思い出もありますが、何分にも長くなりました。次回はその思い出話を書くこととして、今日はこれまで………。
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