今日は高校生ドラフト会議が行われた。辻内崇伸投手(大阪桐蔭高)は巨人とオリックス、陽仲壽(よう・ちょんそ)内野手(福岡第一高)はソフトバンクと日本ハムで指名が競合し、くじ引きの結果、辻内投手はオリックス、陽内野手はソフトバンクが交渉権獲得といったん発表された。ところが、なんと2球団ともくじの見方を勘違いし、会議運営側も見落とすという前代未聞のハプニングが起こり、辻内投手は巨人、陽内野手は日本ハムが交渉権獲得、と訂正された。くじには全て「日本プロ野球機構(NPB)」の判が押されており、正式な当たりくじには加えて「交渉権獲得」と書いてあるのだが、両球団ともNPBの判が押されているのだけ見て「当たりダ!」と早とちりしたらしい。ソフトバンクを志望していたとされる陽内野手は、王監督が「当たりくじ」を引いたのを見て嬉し涙を流していたが、まさかのどんでん返しに動揺を隠せず。辻内投手は、最初オリックスがくじを引き当てた瞬間(半笑い)と、その後巨人に訂正されたとき(心からの笑顔)とでは表情が明らかに違ったのが笑えた。正直なヤツである。
こういうハプニングは、見ている側としちゃ面白いが、当事者としちゃ笑えないよなぁ。関係者全員始末書モノだ。
どんな選手が指名されたのかを、素人ドラフトマニア・うえぽんの独断と偏見と受け売りと知ったかぶりによる解説(怪説?)付きで、4回にわたってご紹介する予定です。まずはセ・リーグの3球団から。
★広島東洋カープ
1巡目…鈴木 将光(すずき・まさみつ)外野手 右投右打 石川・遊学館高 183cm83kg
50m5秒8、遠投120mの強肩、高校通算64本塁打のパワーと、魅力たっぷりの大型外野手。2年時には内野手もこなすなど、順応性も高い。猛練習で鍛えて、順調に育てばチームの顔になれる存在だ!
2巡目…今井 啓介(いまい けいすけ) 右投右打 新潟・中越高 181cm75kg
全国的にはほとんど無名ながら、高い角度から投げ込むMAX146キロの速球と縦のスライダーで三振を取りまくる投球は魅力で、パワフルな打撃にも見るべきものがある。今後は制球難の解消が課題。
3巡目…斉藤 悠葵(さいとう・ゆうき)投手 左投左打 福井・福井商高 183cm72kg
驚くようなスピードは出ないが、フォームのバランスが良く腕の振りが柔らかいので、低めにキレのいい球を決められる。スライダーと、独特の落ちる球も面白い。食べて鍛えてさらなるパワーアップを。
4巡目…相澤 寿聡(あいざわ・としあき)投手 左投左打 群馬・太田市立商高 178cm77kg
左腕投手にありがちな腕の振りの硬さがなく、指にかかったときのストレートは威力抜群。群馬県内なら、1試合二桁奪三振は当たり前と言われたほど。得意の空手で鍛えられた精神面の強さも買い。
解説
全てのポジションが補強ポイントと言える広島ですが、一番欲しかったのは守れる遊撃手。ということで、当初は大型遊撃手・陽仲壽(福岡第一高)の獲得を目指していましたが、本人のソフトバンク志望を酌んでか、直前で指名を回避して、左腕の逸材である片山博視(報徳学園高)を楽天と競合で指名しました。ところがくじ引きでハズしてしまい、誰に行くのかと思ったら何と外野手の鈴木指名。「?」と思いましたが、どうも中学時代の経験(投手兼遊撃手)を生かして遊撃手にコンバートの予定…?課題の左腕も、片山こそくじでハズしましたが、斉藤と相澤の2人を指名することができました。2巡目の今井は正直「誰なんだー!?」という感じなのですが、これも素材重視の広島ならでは。高校生は当たりはずれが大きいですが、彼らが順調に育ち、果たして強豪復活への足がかりとなりますかどうか、乞うご期待!
★読売ジャイアンツ
1巡目…辻内 崇伸(つじうち・たかのぶ)投手 左投左打 大阪・大阪桐蔭高 182cm83kg
今回のドラフトの目玉中の目玉。MAX156キロの快速球を武器に、夏の甲子園では1試合19奪三振。その速球を引き立たせるための変化球のレベルアップと、細かい制球力の強化がなされれば、まさに怪物だ。
3巡目…加登脇 卓真(かどわき・たくま)投手 右投左打 北海道・北照高 182cm85kg
投げてはMAX145キロの速球、打っては高校通算35本塁打という、ずば抜けた馬力の持ち主。馬力ばかりではなく、技術面でも投打ともに評価が高い。将来は投手か打者か、どちらで育てるか贅沢な悩みである。
4巡目…福井 優也(ふくい・ゆうや)投手 右投右打 愛媛・済美高 176cm75kg
ご存じ「ミラクル済美」のエース。常時140キロ台をマークする速球と、縦横2種類のスライダーが武器の、まとまりがある投手だが、絶対的な凄みに欠けるのが不安な要素。シュートを覚えてみては?
解説
巨人軍の歴史に残るような低迷ぶりだった今季。これを打破するためには、やはり他チームから引っこ抜くのではなく、生え抜きの若手をコツコツと育てることが大切だと思うわけです。そういう点で今年の2回のドラフトは非常に重要な意味を持っていたわけですが、まず1回目は成功といったところでしょうか。1巡目で見事に辻内の交渉権を獲得したのが何と言っても大きいですね。器用さがないので0か100かというタイプですが、うまく育てば球界を代表する左腕となるでしょう。また、加登脇、福井といったそれぞれタイプの違う好投手を指名したのも興味深いところです。そもそも、一昔前は斎藤雅樹、桑田真澄、槙原寛己などといった高卒の生え抜き投手がチームの中心として活躍していたわけで、その良き伝統を復活させるような意欲的指名は、非常に高い評価をあげられるように思います。
★ヤクルトスワローズ
1巡目…村中 恭兵(むらなか・きょうへい)投手 左投左打 山梨・東海大甲府高 186cm77kg
恩師・村中秀人監督が「これから下半身ができれば150キロ出せてシーズン15勝はできる」と絶賛する大型左腕。スクリュー気味のフォークも面白い。身のこなしが柔らかく、特技は何とバック転とか。
3巡目…川端 慎吾(かわばた・しんご)内野手 右投左打 和歌山・市立和歌山商高 184cm75kg
他球団の1位候補にも挙がっていた好遊撃手。体が大きく華のある選手だが、驕ることなく基本を大切にするプレースタイルは、特に評価が高い。50m5秒9の脚力と、ミートのうまい打撃が大きな武器。
4巡目…水野 祐希(みずの・ゆうき)捕手 右投右打 愛知・東邦高 180cm76kg
高校生日本代表メンバーの一人で、大舞台になればなるほど存在感が出る玄人好みの捕手。体をうまく屈めて的を大きく見せるキャッチング、強肩かつ素早いスローイングは、投手にとって実に頼もしい。
解説
たとえ下馬評が低くても、いざフタを開ければそつなく結果を残すヤクルトは、今回のドラフトもまた渋~く決めた感じですね。1巡目では辻内の指名こそ回避したものの、貴重な本格派左腕で、他球団も狙っていた村中の一本釣りに成功しました。また、3巡目では、若手内野手の不足を補うべく大型遊撃手の川端を指名。走攻守三拍子揃っている上にスター性もある選手だけに、大きく育ててもらいたいものです。4巡目では、これまた補強ポイントだった捕手の水野を指名。派手さこそあまりないものの、補強ポイントを確実に見極めた堅実な指名は、まさにヤクルトの真骨頂と言えましょう。できればもう一人、和製大砲候補の指名があれば、個人的にはまず文句なしでしたね。球団の方針が「大砲は外国人で」ということらしいのですが、これは11月18日の大学・社会人ドラフトに期待持ち越しということで。
こういうハプニングは、見ている側としちゃ面白いが、当事者としちゃ笑えないよなぁ。関係者全員始末書モノだ。
どんな選手が指名されたのかを、素人ドラフトマニア・うえぽんの独断と偏見と受け売りと知ったかぶりによる解説(怪説?)付きで、4回にわたってご紹介する予定です。まずはセ・リーグの3球団から。
★広島東洋カープ
1巡目…鈴木 将光(すずき・まさみつ)外野手 右投右打 石川・遊学館高 183cm83kg
50m5秒8、遠投120mの強肩、高校通算64本塁打のパワーと、魅力たっぷりの大型外野手。2年時には内野手もこなすなど、順応性も高い。猛練習で鍛えて、順調に育てばチームの顔になれる存在だ!
2巡目…今井 啓介(いまい けいすけ) 右投右打 新潟・中越高 181cm75kg
全国的にはほとんど無名ながら、高い角度から投げ込むMAX146キロの速球と縦のスライダーで三振を取りまくる投球は魅力で、パワフルな打撃にも見るべきものがある。今後は制球難の解消が課題。
3巡目…斉藤 悠葵(さいとう・ゆうき)投手 左投左打 福井・福井商高 183cm72kg
驚くようなスピードは出ないが、フォームのバランスが良く腕の振りが柔らかいので、低めにキレのいい球を決められる。スライダーと、独特の落ちる球も面白い。食べて鍛えてさらなるパワーアップを。
4巡目…相澤 寿聡(あいざわ・としあき)投手 左投左打 群馬・太田市立商高 178cm77kg
左腕投手にありがちな腕の振りの硬さがなく、指にかかったときのストレートは威力抜群。群馬県内なら、1試合二桁奪三振は当たり前と言われたほど。得意の空手で鍛えられた精神面の強さも買い。
解説
全てのポジションが補強ポイントと言える広島ですが、一番欲しかったのは守れる遊撃手。ということで、当初は大型遊撃手・陽仲壽(福岡第一高)の獲得を目指していましたが、本人のソフトバンク志望を酌んでか、直前で指名を回避して、左腕の逸材である片山博視(報徳学園高)を楽天と競合で指名しました。ところがくじ引きでハズしてしまい、誰に行くのかと思ったら何と外野手の鈴木指名。「?」と思いましたが、どうも中学時代の経験(投手兼遊撃手)を生かして遊撃手にコンバートの予定…?課題の左腕も、片山こそくじでハズしましたが、斉藤と相澤の2人を指名することができました。2巡目の今井は正直「誰なんだー!?」という感じなのですが、これも素材重視の広島ならでは。高校生は当たりはずれが大きいですが、彼らが順調に育ち、果たして強豪復活への足がかりとなりますかどうか、乞うご期待!
★読売ジャイアンツ
1巡目…辻内 崇伸(つじうち・たかのぶ)投手 左投左打 大阪・大阪桐蔭高 182cm83kg
今回のドラフトの目玉中の目玉。MAX156キロの快速球を武器に、夏の甲子園では1試合19奪三振。その速球を引き立たせるための変化球のレベルアップと、細かい制球力の強化がなされれば、まさに怪物だ。
3巡目…加登脇 卓真(かどわき・たくま)投手 右投左打 北海道・北照高 182cm85kg
投げてはMAX145キロの速球、打っては高校通算35本塁打という、ずば抜けた馬力の持ち主。馬力ばかりではなく、技術面でも投打ともに評価が高い。将来は投手か打者か、どちらで育てるか贅沢な悩みである。
4巡目…福井 優也(ふくい・ゆうや)投手 右投右打 愛媛・済美高 176cm75kg
ご存じ「ミラクル済美」のエース。常時140キロ台をマークする速球と、縦横2種類のスライダーが武器の、まとまりがある投手だが、絶対的な凄みに欠けるのが不安な要素。シュートを覚えてみては?
解説
巨人軍の歴史に残るような低迷ぶりだった今季。これを打破するためには、やはり他チームから引っこ抜くのではなく、生え抜きの若手をコツコツと育てることが大切だと思うわけです。そういう点で今年の2回のドラフトは非常に重要な意味を持っていたわけですが、まず1回目は成功といったところでしょうか。1巡目で見事に辻内の交渉権を獲得したのが何と言っても大きいですね。器用さがないので0か100かというタイプですが、うまく育てば球界を代表する左腕となるでしょう。また、加登脇、福井といったそれぞれタイプの違う好投手を指名したのも興味深いところです。そもそも、一昔前は斎藤雅樹、桑田真澄、槙原寛己などといった高卒の生え抜き投手がチームの中心として活躍していたわけで、その良き伝統を復活させるような意欲的指名は、非常に高い評価をあげられるように思います。
★ヤクルトスワローズ
1巡目…村中 恭兵(むらなか・きょうへい)投手 左投左打 山梨・東海大甲府高 186cm77kg
恩師・村中秀人監督が「これから下半身ができれば150キロ出せてシーズン15勝はできる」と絶賛する大型左腕。スクリュー気味のフォークも面白い。身のこなしが柔らかく、特技は何とバック転とか。
3巡目…川端 慎吾(かわばた・しんご)内野手 右投左打 和歌山・市立和歌山商高 184cm75kg
他球団の1位候補にも挙がっていた好遊撃手。体が大きく華のある選手だが、驕ることなく基本を大切にするプレースタイルは、特に評価が高い。50m5秒9の脚力と、ミートのうまい打撃が大きな武器。
4巡目…水野 祐希(みずの・ゆうき)捕手 右投右打 愛知・東邦高 180cm76kg
高校生日本代表メンバーの一人で、大舞台になればなるほど存在感が出る玄人好みの捕手。体をうまく屈めて的を大きく見せるキャッチング、強肩かつ素早いスローイングは、投手にとって実に頼もしい。
解説
たとえ下馬評が低くても、いざフタを開ければそつなく結果を残すヤクルトは、今回のドラフトもまた渋~く決めた感じですね。1巡目では辻内の指名こそ回避したものの、貴重な本格派左腕で、他球団も狙っていた村中の一本釣りに成功しました。また、3巡目では、若手内野手の不足を補うべく大型遊撃手の川端を指名。走攻守三拍子揃っている上にスター性もある選手だけに、大きく育ててもらいたいものです。4巡目では、これまた補強ポイントだった捕手の水野を指名。派手さこそあまりないものの、補強ポイントを確実に見極めた堅実な指名は、まさにヤクルトの真骨頂と言えましょう。できればもう一人、和製大砲候補の指名があれば、個人的にはまず文句なしでしたね。球団の方針が「大砲は外国人で」ということらしいのですが、これは11月18日の大学・社会人ドラフトに期待持ち越しということで。