今日は最終回、パ・リーグの残り3球団を。
★西武ライオンズ
1巡目…炭谷 銀仁朗(すみたに・ぎんじろう)捕手 右投右打 京都・平安高校 180cm85kg
名前の由来は何と、人気漫画「硬派銀次郎」から。2年春に打つ構えをオープンスタンスに変えた途端、40本以上の本塁打を量産し(通算48本)、一躍上位候補になった。遠投110mの鉄砲肩も大きな武器である。
3巡目…田沢 由哉(たざわ・ゆうや)投手 右投右打 北海道・旭川大高 182cm72kg
長いリーチを目一杯使い、スリークオーターから切れ味鋭い球を投げ込む。得意な変化球はスライダーで、状況に応じて変化の度合いを自在に操れるとか。ライオンズ期待の「郭泰源2世」。大きく育て!
4巡目…田中 靖洋(たなか・やすひろ)投手 右投右打 石川・加賀高 181cm77kg
千葉ロッテ・田中良平投手の実弟。本格的な投手経験は今年の春からと浅いが、鋭い腕の振りでいきなり145キロを記録。細かい技術が身に付けば大化けもある。厳しい練習に耐える体力も、全く問題なし。
解説
何とかAクラスを確保してプレーオフ進出は決めた西武ですが、主力が高齢化している投手陣は防御率が悪化し、メジャー指向の松坂の去就もそろそろ微妙。また、捕手も25歳以下が一人(星)だけとあって、今年の補強はバッテリーが最重要課題です。ということで、1巡目では強打の捕手・炭谷を指名してきました。直前まで辻内崇伸投手(大阪桐蔭高)か鶴直人投手(近大付高)で行くという煙幕を張り、見事な一本釣りです。3・4巡では、懸案だった若手投手の補強として、田沢と田中の二人。野手陣は有望株が順調に出てきているのですが、投手陣は若手の数自体が少ないため、新陳代謝が進まず空気が澱んでいるような状態。彼ら二人がファームに新風を送り込めるかどうかが、今後重要になってくるでしょう。不足気味の左腕投手は指名なしでしたが、11月の大学・社会人ドラフトで補うものと思われます。
★千葉ロッテマリーンズ
1巡目…柳田 将利(やなぎだ・まさとし)投手 左投左打 青森・青森山田高 176cm99kg
青森の高校球児の「ドラ1」は、あの太田幸司投手(三沢高)以来36年ぶり。甲子園には計3回出場し、特に今夏は無四球完封に本塁打と大活躍。太めの体型と明るいキャラも個性的で人気を呼びそう。
2巡目…林 啓介(はやし・けいすけ)投手 右投右打 福井・福井商高 185cm75kg
高校では、広島に3巡指名された斉藤悠葵投手とともに左右の二本柱として活躍。今夏は足首を痛めて不調だったが、将来は150キロ超えも見込める速球と、鋭く曲がる絶品のスライダーは大きな魅力である。
3巡目…末永 仁志(すえなが・まさし)投手 右投右打 京都・南京都高 187cm83kg
2年生進級直前、山口・宇部鴻城高から編入。背筋力270kgのパワーを生かし、長身から力強い球を投げ下ろす。高校の先輩・斉藤(ソフトバンク)と似たようなタイプで、体力がつけば面白い存在になりそう。
4巡目…細谷 圭(ほそや・けい)内野手 右投右打 群馬・太田市立商高 182cm84kg
生まれたときから体重5000グラムという超大型で、そのまますくすくと成長した、別名「群馬のゴジラ」。関東屈指の右の強打者で、高校通算46本塁打。無口ながら秘めた闘志は凄まじく、侍気質の雰囲気あり。
解説
ファームで鍛えられた若手が順調に育ち、中堅・ベテランとの歯車ががっちり噛み合って、常に優勝争いができるチームとなった千葉ロッテ。今回のドラフトでは積極的に4人を指名してきましたが、これは育成能力に自信がある裏打ちとも言えましょう。1巡目の柳田は実力はもちろん、話題性という点でも貴重な選手。打撃を生かし、彼が登板する試合はDHなしでそのまま打たせようという「二刀流計画」が早くも出ています。2巡目の林は、ロッテの選手でたとえると小林宏之のような感じの好投手で、スピード追い求めるあまりの力み癖がなくなれば、さらに伸びるでしょう。3巡目の末永は完全に素材型ですが、今のロッテの状況は、時間をかけて育てられる余裕があるだけに、楽しみです。4巡目の細谷は貴重な大砲候補。若手育成の楽しみに目覚めた千葉ロッテ。この姿勢をいつまでも忘れずにいて下さい。
★福岡ソフトバンクホークス
1巡目…荒川 雄太(あらかわ・ゆうた)捕手 右投右打 神奈川・日大高 181cm81kg
強肩に加え、スローイングも素早く、フットワークも抜群という、捕手になるために生まれてきたような選手。打撃は少々粗いが、当たれば大きく勝負強さもある。向上心旺盛で、練習熱心な姿勢もプロ向き。
3巡目…大西 正樹(おおにし・まさき)投手 左投左打 兵庫・神戸国際大付高 175cm72kg
驚くようなスピードはないものの、小柄な体をフルに使った躍動感あふれるフォームと抜群の投球リズムの良さで、相手打者を自分のペースに巻き込んでしまう。かなりの粗削りながら、ものになれば面白い。
4巡目…大田原 隆太(おおたはら・りゅうた)投手 左投左打 宮崎・都城工高 189cm89kg
スリークオーターで投げる長身左腕であるところから、「宮崎のランディ・ジョンソン」の異名を持つ。高目よりも低目に投げた方が球に伸びが出るという珍しいタイプで、将来の大化けを期待したいところ。
5巡目…川口 容資(かわぐち・ようすけ)投手 右投右打 大分・楊志館高 187cm70kg
長身から投げ込むMAX144キロの速球と、ブレーキの効いたカーブとのコンビネーションが光る好投手で、フィールディングもうまい。体の線が細く故障がちなのが欠点で、まずは徹底した体力強化が必要。
解説
今回からドラフト制度が変わりましたが、高校生ドラフトに関しては、3巡目まで指名順が下位球団からという、上位球団にかなり厳しいものとなりました。そのあおりをまともに食らったのがソフトバンクです。日本ハムと競合した陽仲壽内野手(福岡第一高)をくじ引きでハズしてしまったのが実に痛かった!選手の選択枠は大いに狭まり、荒川を指名したのも「どうしても欲しかったから」というよりは「他にもう残っていなかったから」というような感じでした。しかし、荒川もかなりの実力派だけに、奮起を期待したいところです。3・4巡目では伸び悩み気味の若手左腕層をてこ入れすべく大西と大田原、5巡目では地元九州の大型右腕・川口をそれぞれ指名しました。どの選手もかなり粗削りで時間がかかりそうなタイプばかりですが、それがまた高校生育成の醍醐味。じっくりコトコト煮込みましょう(笑)。
★西武ライオンズ
1巡目…炭谷 銀仁朗(すみたに・ぎんじろう)捕手 右投右打 京都・平安高校 180cm85kg
名前の由来は何と、人気漫画「硬派銀次郎」から。2年春に打つ構えをオープンスタンスに変えた途端、40本以上の本塁打を量産し(通算48本)、一躍上位候補になった。遠投110mの鉄砲肩も大きな武器である。
3巡目…田沢 由哉(たざわ・ゆうや)投手 右投右打 北海道・旭川大高 182cm72kg
長いリーチを目一杯使い、スリークオーターから切れ味鋭い球を投げ込む。得意な変化球はスライダーで、状況に応じて変化の度合いを自在に操れるとか。ライオンズ期待の「郭泰源2世」。大きく育て!
4巡目…田中 靖洋(たなか・やすひろ)投手 右投右打 石川・加賀高 181cm77kg
千葉ロッテ・田中良平投手の実弟。本格的な投手経験は今年の春からと浅いが、鋭い腕の振りでいきなり145キロを記録。細かい技術が身に付けば大化けもある。厳しい練習に耐える体力も、全く問題なし。
解説
何とかAクラスを確保してプレーオフ進出は決めた西武ですが、主力が高齢化している投手陣は防御率が悪化し、メジャー指向の松坂の去就もそろそろ微妙。また、捕手も25歳以下が一人(星)だけとあって、今年の補強はバッテリーが最重要課題です。ということで、1巡目では強打の捕手・炭谷を指名してきました。直前まで辻内崇伸投手(大阪桐蔭高)か鶴直人投手(近大付高)で行くという煙幕を張り、見事な一本釣りです。3・4巡では、懸案だった若手投手の補強として、田沢と田中の二人。野手陣は有望株が順調に出てきているのですが、投手陣は若手の数自体が少ないため、新陳代謝が進まず空気が澱んでいるような状態。彼ら二人がファームに新風を送り込めるかどうかが、今後重要になってくるでしょう。不足気味の左腕投手は指名なしでしたが、11月の大学・社会人ドラフトで補うものと思われます。
★千葉ロッテマリーンズ
1巡目…柳田 将利(やなぎだ・まさとし)投手 左投左打 青森・青森山田高 176cm99kg
青森の高校球児の「ドラ1」は、あの太田幸司投手(三沢高)以来36年ぶり。甲子園には計3回出場し、特に今夏は無四球完封に本塁打と大活躍。太めの体型と明るいキャラも個性的で人気を呼びそう。
2巡目…林 啓介(はやし・けいすけ)投手 右投右打 福井・福井商高 185cm75kg
高校では、広島に3巡指名された斉藤悠葵投手とともに左右の二本柱として活躍。今夏は足首を痛めて不調だったが、将来は150キロ超えも見込める速球と、鋭く曲がる絶品のスライダーは大きな魅力である。
3巡目…末永 仁志(すえなが・まさし)投手 右投右打 京都・南京都高 187cm83kg
2年生進級直前、山口・宇部鴻城高から編入。背筋力270kgのパワーを生かし、長身から力強い球を投げ下ろす。高校の先輩・斉藤(ソフトバンク)と似たようなタイプで、体力がつけば面白い存在になりそう。
4巡目…細谷 圭(ほそや・けい)内野手 右投右打 群馬・太田市立商高 182cm84kg
生まれたときから体重5000グラムという超大型で、そのまますくすくと成長した、別名「群馬のゴジラ」。関東屈指の右の強打者で、高校通算46本塁打。無口ながら秘めた闘志は凄まじく、侍気質の雰囲気あり。
解説
ファームで鍛えられた若手が順調に育ち、中堅・ベテランとの歯車ががっちり噛み合って、常に優勝争いができるチームとなった千葉ロッテ。今回のドラフトでは積極的に4人を指名してきましたが、これは育成能力に自信がある裏打ちとも言えましょう。1巡目の柳田は実力はもちろん、話題性という点でも貴重な選手。打撃を生かし、彼が登板する試合はDHなしでそのまま打たせようという「二刀流計画」が早くも出ています。2巡目の林は、ロッテの選手でたとえると小林宏之のような感じの好投手で、スピード追い求めるあまりの力み癖がなくなれば、さらに伸びるでしょう。3巡目の末永は完全に素材型ですが、今のロッテの状況は、時間をかけて育てられる余裕があるだけに、楽しみです。4巡目の細谷は貴重な大砲候補。若手育成の楽しみに目覚めた千葉ロッテ。この姿勢をいつまでも忘れずにいて下さい。
★福岡ソフトバンクホークス
1巡目…荒川 雄太(あらかわ・ゆうた)捕手 右投右打 神奈川・日大高 181cm81kg
強肩に加え、スローイングも素早く、フットワークも抜群という、捕手になるために生まれてきたような選手。打撃は少々粗いが、当たれば大きく勝負強さもある。向上心旺盛で、練習熱心な姿勢もプロ向き。
3巡目…大西 正樹(おおにし・まさき)投手 左投左打 兵庫・神戸国際大付高 175cm72kg
驚くようなスピードはないものの、小柄な体をフルに使った躍動感あふれるフォームと抜群の投球リズムの良さで、相手打者を自分のペースに巻き込んでしまう。かなりの粗削りながら、ものになれば面白い。
4巡目…大田原 隆太(おおたはら・りゅうた)投手 左投左打 宮崎・都城工高 189cm89kg
スリークオーターで投げる長身左腕であるところから、「宮崎のランディ・ジョンソン」の異名を持つ。高目よりも低目に投げた方が球に伸びが出るという珍しいタイプで、将来の大化けを期待したいところ。
5巡目…川口 容資(かわぐち・ようすけ)投手 右投右打 大分・楊志館高 187cm70kg
長身から投げ込むMAX144キロの速球と、ブレーキの効いたカーブとのコンビネーションが光る好投手で、フィールディングもうまい。体の線が細く故障がちなのが欠点で、まずは徹底した体力強化が必要。
解説
今回からドラフト制度が変わりましたが、高校生ドラフトに関しては、3巡目まで指名順が下位球団からという、上位球団にかなり厳しいものとなりました。そのあおりをまともに食らったのがソフトバンクです。日本ハムと競合した陽仲壽内野手(福岡第一高)をくじ引きでハズしてしまったのが実に痛かった!選手の選択枠は大いに狭まり、荒川を指名したのも「どうしても欲しかったから」というよりは「他にもう残っていなかったから」というような感じでした。しかし、荒川もかなりの実力派だけに、奮起を期待したいところです。3・4巡目では伸び悩み気味の若手左腕層をてこ入れすべく大西と大田原、5巡目では地元九州の大型右腕・川口をそれぞれ指名しました。どの選手もかなり粗削りで時間がかかりそうなタイプばかりですが、それがまた高校生育成の醍醐味。じっくりコトコト煮込みましょう(笑)。