時代のウェブログ

イマを見つめて
提言します

「できません」といえない世界

2007年01月23日 12時27分00秒 | マスコミ
『発掘!あるある大辞典2』のやらせ問題で、他局のキャスターが「なぜ、こんな事が起きたのかハッキリと究明するべきだ」なんて言ってるのを聞くと、おそらく視聴者向けのポーズだとは思うけど、もしも本気で言ってるんならテレビの世界を知らないんじゃないかと疑うww

聞くところによると『発掘!あるある大辞典2』は、競合企画持ち込みで制作されてたみたい。
どういうやり方かというと、まず関西テレビが、日本テレワークという会社に『発掘!あるある大辞典2』の番組制作を発注するわけ。日本テレワークというのは、大手の制作会社なの。
受注した日本テレワークは、複数の小さな制作会社に、
「『あるある――』に相応しい企画があれば、応募するように」と声を掛ける。

お笑いバラエティー番組なんかはテレビ局から制作会社が受注すると、その会社が制作するんだけど、情報番組なんかは、こういう企画募集をすることが、よくある。なぜかというと、「ネタ切れ」になっちゃうから。
1社でやるにはネタが続かなくて苦しいわけ。だから、小さな制作会社から企画(ネタ)を出させて、おもしろかったらそこへ発注する。

日本テレワークは関西テレビから制作費を受け取る訳だけど、テレワークから話を持ち込まれた会社は、企画を出して通った時に、初めて仕事としてギャラが入る。
こうなると、かなり”無理”が生じてくるケースがある。
「この企画、裏付けがイマイチだけど、仕事を取れたら儲け物だから、出してみよう」とかね(笑)。

企画が通っちゃったら、その番組を作らなければならなくなる。
「おもしろいと思ったけど、詳細に調べてみたら、裏付けが取れませんでした」なんて事を言えないわけ。そんな事を言ったら、次から仕事ができなくなる。
「資料が見つからなければ、自分で資料を作ってでも」みたいな感じになるわけ。今回も、その類だね。
結局、「できません」とは言えない社会なのだよ。


――この仕組み、どこかの社会と似てると思いません?
そう。ゼネコンと同じ。

談合で、いや、入札で大手ゼネコンがプロジェクトを落札する。ゼネコンは、その仕事を大手の建設会社(子受け)に発注する。受注した建設会社は、さらに小さな建設会社(孫受け)に仕事を出す。
欠陥建築なんかは、孫受けが出された条件では仕事を遂行できないために、ごまかしたりして起きる。今回の『あるある――』の捏造も、これと同じ構図だね。
もちろん、こういうシステムで番組を制作しているのはフジテレビだけじゃありません。全放送局で実施されています。


最新の画像もっと見る

コメントを投稿