西向きのバルコニーから

私立カームラ博物館付属芸能芸術家研究所の日誌

鋭い勘?神のお導き?

2005年11月27日 23時42分23秒 | Weblog
今日、不思議なことがあった。

映画のロケで、大阪市内の某所へ出向いた。集合時間は当初13:30の予定だったが、大幅に押し…、結局2時間押しの15:30集合に変更になった。つまり私は、2時間もヒマを潰さなければならなくなった。
集合場所の某駅は、かつて一度だけ利用した記憶はあったが、周辺の地理についてはほとんど無知で、右も左も分からない場所だ。そこで2時間のヒマを潰すべく、私は歩き出した。始め西方向に歩いていくと、すぐにアーケードのある商店街を見付けた。そしてその長い商店街を数百㍍歩いたところで、また同じ道を引き返し歩き始めた。すると私の方に向かって走ってくる一人の女性がいた。見覚えのあるその顔は、映画のスタッフの一人であった。彼女は私の存在に気付かないまま、猛然と私とすれ違い、走り去った。再び踵を返した私は、彼女の後を一瞬追おうかとも思ったが、大きな荷物を背負って走るのを諦め、遠く小さく離れていく彼女の姿を、眼だけで追うことにした。しばらくすると、小さく見えていた彼女の姿が、突然消えた。路地を曲がったらしい。私はなおも歩いて、彼女が姿を消した辺りまで行き周辺を見渡してみたが、彼女の姿はもうそこになかった。私は彼女を完全に見失ってしまった。が、しかし、彼女の姿の替わりに私が路地に見付けたのは、本日の撮影現場となる居酒屋だった。「え?ここなのか…?」半信半疑に人影の無い店の前に立ち尽くしていた私の前に、またも彼女が現れた。走り寄ってくる彼女をじっと見つめていると、ようやく私に気付いてくれた。「あ、おはようございます!」。だがしかし、不思議なことに彼女はその居酒屋が撮影現場であることを知らなかった。彼女は小道具スタッフで、駅前の喫茶店で打ち合わせをしていたが、買い物があったのでコンビニ目指して走っていっただけだと言うのだ。そこにたまたま、撮影現場となる居酒屋が出現した訳である。


ほとんど行ったこともない知らない街で、商店街の外れにある、細い路地の見知らぬ小さな居酒屋に偶然辿り着いた。何かに導かれるように…。
本日撮影の映画監督の名は、神農了愛(かみのさとえ)氏。やはり彼女は、何かの神通力を持った人物なのだろうか…?