お彼岸の頃になると突然現れるヒガンバナ。野川公園の自然観察園では、蕾が伸び始め早いものがいくつか咲き始めました。
2023.9.15@野川公園自然観察園
・ベーコンと野菜炒めサンド
葉はどこにも見当たらず、花茎だけがニョキニョキと伸びてきます。
「葉見ず花見ず」という呼ばれ方の通り、ヒガンバナの葉は花が枯れ落ちてから出てきます。そして冬の間に栄養を蓄え、春から初夏にかけ他の植物が勢いを増すと姿を消して休眠します。なんとも不思議なサイクルで生きる植物です。
韓国では「想思華(サンシチョ)」という名で呼ばれています。花は葉を思い、葉は花を思うという意味だそうです。中国には天の神様に背いて逢瀬を重ねた2人がヒガンバナの花と葉に姿を変えられて永遠に会えなくなってしまうというお話があるとか…。
なんとも不思議な生態と、この目立つ花の姿には、想像力を掻き立てられる何かがあるのかもしれません。
国内でも様々な呼ばれ方をしていて、その数は100を超えるとも言われています。
さて、そんなヒガンバナの花をよく見てみると…
これまた不思議な形をしています。
どうやらいくつかの花が集まって咲いているようです。
一つの花を見てみると…。
ユリに似た花の作りをしています。
蕾を見ると、花が集まっていることがわかりやすいのかな↓
苞が開くと、いくつかの蕾が確認できます。
ユリもそうですが、ヒガンバナの萼は花弁と同化しています。でもよくよく見てみると、外側についていることがわかりますし、触ってみると花弁よりもやや肉厚です。こうした花の場合は、花弁を「内花被」、萼片を「外花被」と呼んだりするようです。
タイムラプスで開花の様子を撮影したところ、蕾が開くとまず雌蕊が伸びて、それから外花被、内花被と開いていくことがわかりました。
ちなみにヒガンバナは三倍体(染色体が3セットあるため減数分裂して交配できない)の植物のため、通常種子は作れません。普通、三倍体というと「種なしスイカ」や「種無しブドウ」など人為的に作りだすイメージですが、ヒガンバナがなぜ三倍体なのかは定かでないようです。
自然界で偶然に三倍体ができることもあるのでしょうが、中国に自生するヒガンバナが2倍体なのに対し、はるか昔に日本に伝わったものは三倍体だったとのこと。
いろいろと謎の多いヒガンバナです。
2023.9.15@野川公園自然観察園
このところお彼岸よりも早めに咲くことが多かった印象がありますが、今年はちょうどお彼岸の頃から見頃になりそうな感じです。
ご近所のヒガンバナスポットや、有名どころの群生地への花散歩はいかがでしょうか?
去年の巾着田の様子です↓
【今朝のおうちごはん】
・ベーコンと野菜炒めサンド
・モロヘイヤ入り春雨スープ
今日もいい日になりますように!