日経新聞の電子版に載った 村山らむね こと青山直美さんの記事
ネット通販の宅配逼迫 「送料無料」の功罪 (村山らむね)
宅配業界が逼迫している。翌日配送をうたう大手で注文しても、翌日に届かず、翌々日になることも多くなってきている。確実に歪みが生じ始めている。一番利益を享受しているのは我々消費者であり、かつ、この宅配というサービスの維持と持続的発展のために、消費者ができることは何か、考えてみるいい機会なのではないだろうか。
宅配ロッカーを有効に使う必要もある
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宅配ロッカーを有効に使う必要もある
環境省も賛同する「再配達ウィーク」をリードし、テレビや書籍で宅配について語る角井亮一氏に、「宅配サービスについて、いま消費者に求めたいこと」を質問してみた。すると、5つのリクエストが返答された。
まず1つ目。「安易な時間指定をしない」。時間指定をしているのに不在ということが非常に多くドライバーの負担になっている。
2つ目。「安易な再配達の指示をしない」。今すぐ持ってきてというような指示がどれだけドライバーに負担をかけるかを想像してほしい。
3つ目。「クロネコメンバーズやウケトルなど、宅配連絡サービスを利用して、受け取れる努力をしてほしい」。消費者側に、再配達を避ける努力が足りない。
4つ目。「宅配ロッカーやコンビニから早く自分の荷物を受け取る」。スペースが限られているのに、自分の領域のように考えて、すぐに荷物を受け取らない人が多い。
5つ目。「お疲れさま、ありがとうを言おう」。届けてくれるドライバーに感謝の気持ちを表さない人が多すぎる。
5つの提案からうかがえるのは「送料無料」の功罪だろう。そもそも、時間指定、再配達、宅配ロッカーやコンビニ受け取りなど、本来であれば料金がかかるサービスに、ありがたみが薄れてしまっているのだ。
「時間指定の有料化、もしくは再配達へのペナルティー」の2つで、かなり末端の作業は軽減されるのではないか。難しければ、宅配会社に負担をかけない受け取り方をした人への、積極的なインセンティブの付与が、一つの解決策だろう。
先日、楽天が「商品を一度で受け取った人にポイント3倍」というサービスを限定的に行った。積極的なインセンティブは今後ぜひ業界全体で取り組んで欲しい。初回配達時に受け取った人や、宅配ロッカー設置者、通販ロッカー利用者へのポイント付与。「宅配会社に負担をかけないと得をする」という意識を消費者に徹底したい。
また真剣に思うのは、送料無料の時限的な禁止措置。実際にコストがかかっているのに無料とするのは、よほど商品に利益を持たせるか、売り主か宅配会社かどこかにしわ寄せがくる。
私自身も含め、消費者は送料無料の魅力には抗えない。だから業界全体から、無料の配送がなくなってしまうとよいのだが。どこかの会社が無料であれば、必ず消費者はそこを選ぶ。賢い消費者の愚かな行動。無料以外のところから買おうというのは、きれいごとに過ぎないのだ。
好きなときに注文できるのが通販の魅力である。そこに、好きなときに好きな場所で受け取れるという「わがまま」も無料で享受できていた。しかし、そのせいで、通販のインフラ自体が危ぶまれるのであれば、わがままには対価がつきものであると消費者が考え直すべきときだろう。
サービス業界全体が抱える問題だろうが、働いている人たちが報われなければならない。ネット通販のインフラを支えている人たちが、無駄な忙しさでそのモチベーションを失うことがあってはならない。
せめて感謝の気持ちを表すために、極上の笑顔で「ありがとうございます」と言おうと心がけたい。私の笑顔が届けてくれる人のモチベーションを下げてしまわないかと、ちょっと心配だ。
(通販コンサルタント)
青山直美さんは、「村山らむね」さんのペンネームで、ネット通販の初期 1995年に「らむね的通販生活」立ち上げられ、数々の記事を書いてこられた方、
現在は、企業サイトのコンサル ショッピングサイトのコミュニケーション提案をする(有)スタイルビズの代表取締役。
じっくり、この記事を読んでみてください。ネット通販を運営する者も、またネット通販を、頻繁に、利用する。悩ましい、
ああ、悩ましい、
今日注文し、その日のうちに届かせるサービスを促すアマゾン、こんなの、まかり通っているのは、日本だけじゃないの?
ネット通販の宅配逼迫 「送料無料」の功罪 (村山らむね)
宅配業界が逼迫している。翌日配送をうたう大手で注文しても、翌日に届かず、翌々日になることも多くなってきている。確実に歪みが生じ始めている。一番利益を享受しているのは我々消費者であり、かつ、この宅配というサービスの維持と持続的発展のために、消費者ができることは何か、考えてみるいい機会なのではないだろうか。
宅配ロッカーを有効に使う必要もある
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宅配ロッカーを有効に使う必要もある
環境省も賛同する「再配達ウィーク」をリードし、テレビや書籍で宅配について語る角井亮一氏に、「宅配サービスについて、いま消費者に求めたいこと」を質問してみた。すると、5つのリクエストが返答された。
まず1つ目。「安易な時間指定をしない」。時間指定をしているのに不在ということが非常に多くドライバーの負担になっている。
2つ目。「安易な再配達の指示をしない」。今すぐ持ってきてというような指示がどれだけドライバーに負担をかけるかを想像してほしい。
3つ目。「クロネコメンバーズやウケトルなど、宅配連絡サービスを利用して、受け取れる努力をしてほしい」。消費者側に、再配達を避ける努力が足りない。
4つ目。「宅配ロッカーやコンビニから早く自分の荷物を受け取る」。スペースが限られているのに、自分の領域のように考えて、すぐに荷物を受け取らない人が多い。
5つ目。「お疲れさま、ありがとうを言おう」。届けてくれるドライバーに感謝の気持ちを表さない人が多すぎる。
5つの提案からうかがえるのは「送料無料」の功罪だろう。そもそも、時間指定、再配達、宅配ロッカーやコンビニ受け取りなど、本来であれば料金がかかるサービスに、ありがたみが薄れてしまっているのだ。
「時間指定の有料化、もしくは再配達へのペナルティー」の2つで、かなり末端の作業は軽減されるのではないか。難しければ、宅配会社に負担をかけない受け取り方をした人への、積極的なインセンティブの付与が、一つの解決策だろう。
先日、楽天が「商品を一度で受け取った人にポイント3倍」というサービスを限定的に行った。積極的なインセンティブは今後ぜひ業界全体で取り組んで欲しい。初回配達時に受け取った人や、宅配ロッカー設置者、通販ロッカー利用者へのポイント付与。「宅配会社に負担をかけないと得をする」という意識を消費者に徹底したい。
また真剣に思うのは、送料無料の時限的な禁止措置。実際にコストがかかっているのに無料とするのは、よほど商品に利益を持たせるか、売り主か宅配会社かどこかにしわ寄せがくる。
私自身も含め、消費者は送料無料の魅力には抗えない。だから業界全体から、無料の配送がなくなってしまうとよいのだが。どこかの会社が無料であれば、必ず消費者はそこを選ぶ。賢い消費者の愚かな行動。無料以外のところから買おうというのは、きれいごとに過ぎないのだ。
好きなときに注文できるのが通販の魅力である。そこに、好きなときに好きな場所で受け取れるという「わがまま」も無料で享受できていた。しかし、そのせいで、通販のインフラ自体が危ぶまれるのであれば、わがままには対価がつきものであると消費者が考え直すべきときだろう。
サービス業界全体が抱える問題だろうが、働いている人たちが報われなければならない。ネット通販のインフラを支えている人たちが、無駄な忙しさでそのモチベーションを失うことがあってはならない。
せめて感謝の気持ちを表すために、極上の笑顔で「ありがとうございます」と言おうと心がけたい。私の笑顔が届けてくれる人のモチベーションを下げてしまわないかと、ちょっと心配だ。
(通販コンサルタント)
青山直美さんは、「村山らむね」さんのペンネームで、ネット通販の初期 1995年に「らむね的通販生活」立ち上げられ、数々の記事を書いてこられた方、
現在は、企業サイトのコンサル ショッピングサイトのコミュニケーション提案をする(有)スタイルビズの代表取締役。
じっくり、この記事を読んでみてください。ネット通販を運営する者も、またネット通販を、頻繁に、利用する。悩ましい、
ああ、悩ましい、
今日注文し、その日のうちに届かせるサービスを促すアマゾン、こんなの、まかり通っているのは、日本だけじゃないの?
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