あーあ、日本は、初戦、オーストラリアに負けちゃったね。せっかく1点先取してたのに、後半、点を立て続けに入れられちゃって、ガタガタに。守護神、川口ボールキーパーの呆然とした顔が、イタかった!
さて、テレビ観戦を終えて、またまた東京出張へ。
ゴールデンウィークに、東京国際フォーラムであった「熱狂の日 音楽祭 ラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポン」のモーツァルト市場の主催者「アート・プリント・ジャパン」の「2006クリスマスカード・2007カレンダー・秋商品・年末商品受注会」にお招きをいただいたからである。
華やかな雰囲気の会場で、ちょっとドキドキ。「あ、コレ」と思ったのは、東山魁夷シリーズである。
画伯は、1933年に、ヨーロッパの美術の研究と生活を体験されている。ネコも杓子も、留学する今とは違う、73年前、はるか戦前なのだ。私は、新潮文庫で、東山魁夷小画集「ドイツ・オーストリア」を持っている。
画伯は、それから36年後1969年に、奥様を伴われて、ドイツ・オーストリアの旅に出られた。やすらぎを感じた旅だったと印象を述べられている。
アート・プリント・ジャパンの東山魁夷シリーズグリーティングカードの「赤い屋根」は、ローテンブルグ。市庁舎のてっぺんまで上れるので、そこからのアングルだろう。
「ニュールンベルクの窓」は、多分、カイザーブルグからの眺め。
「夕べの聖堂」は、小画集にあったからわかったけれど、リンブルグ。
グリーティングカードのなかで、ひときわ美しい切り立った山に囲まれたバイエルンの湖を描いた「緑響く」ベテヒルスガーデンのケーニッヒ湖かな?青く、深く静かに澄んでいる湖。この湖の真ん中で演奏されるトランペットの演奏が有名なのだ。
幻想的な「沼の静寂」や「白馬の森」は、東山魁夷画伯の捉えた「ドイツ」の本質を映した風景だと思う。
このグリーティングカードは、「ショップ・ダンケ」で取り扱うことに決定(笑)
画伯は、「ドイツ・オーストリアの旅」の画集の冒頭で、「憧憬と郷愁」と題した一文を載せられている。転載しよう。
「憧憬と郷愁、別離と帰郷、それが旅の姿である。しかし、もし、この二つの異なった方向が一つの輪に結ばれていたら、そのような宿命を持つ旅人は、いつまでも輪を描いて歩き続けることになる。」
画伯は、1984年に、「しかし、恐らく私の旅の輪は、東へ巡り帰ってきたところで、終着点を持ったと、いま私は思っている」と記されている。
戦後、天地を見渡す山々を描いた「残照」から、唐招提寺全障壁画に繋がる画家の歩んだ旅路は、辿るべき地点に到達されたのだろう。
人にとって、生きていくこと自体が、旅である。私は、ドイツと日本との間を、行き来して、いつまでも、輪を描いて歩き続けるのであろうか?
その答えはまだ出ない。だって、今も旅の途中なのだから。