ショップ ダンケ

ドイツ雑貨「ショップ ダンケ」のオフィシャル・ブログ

父の誕生日に聞いた話?A

2003-06-27 00:00:00 | インポート
そこで父は、空港で兄に電話しようとしたが、公衆電話でまた、てこずったらしい。そのころの電話は、交換手に電話番号を言ってつないでもらうシステムだったらしいのだが、なんとか必死に電話番号を伝えて、交換手が「OK,なんちゃらかんちゃら」と言うのだが、そこのところの英語がわからない。それで、すぐ電話を切られてしまうので困り果てたそうだ。交換手が代わればと時間をおいて何度もかけたりして、2時間くらいは、公衆電話にかじりついていたという。あとでわかったことなのだが、父の兄の家は、市外だったので、最初の5セントのあと、追加して5セントを入れてくださいと交換手は、言っていたらしいのだが、こういうちょっとしたことがわからないのが外国というものなのだ。当時のこと、そんな細かいことを教えてくれるガイドブックなどなかった。

それで父は、仕方がないので、タクシーで直接行ってみることにしたらしい。ところが兄の家の門は、堅く閉まっていたそうだ。父の兄は兄で、空港へ迎えに向かっていて、入れ違いになったらしい。いつ帰ってくるかわからないのに、門の前に立っているのもと途方にくれかけたとき、兄一家が家族ぐるみで付き合っていた日本人家族Aのことを思い出したそうだ。幸いその人の住所を控えていたので、待ってくれていたタクシーの運転手にその住所を見せて連れて行ってもらったそうだ。とにかく見も知らない異国で、前へ前へと事態を進めていく父の勇気には脱帽する。

幸い、Aさんは家にいてくれたそうだ。父は、日本語が通じる人に会えて、心から安心したそうだ。Aさんは「とにかくここにいたほうがいい。動くとよけいにややこしくなるから」と父を家に招きいれてくれたらしい。Aさんが、帰宅した父の兄とようやく連絡をつけてくれて、父の兄は、Aさん宅に飛んできてくれた。そして、ようやく兄弟の再会が果たされたのだそうだ。

それは、父が、日本を発って丸2日は、経っていたそうだ。父は、「聞くも涙、語るも涙のモノガタリ」と言ったが、昔の人らしく、自分の恥と思うからと、この話は今まで誰かに話したことはなかったという。
娘の私が、父の話を聞くことができて嬉しかった。

40年前以上前の海外出張。スキもキライもない仕事で行く海外。多くの日本人ビジネスマンは、不安と緊張を背広に包んで、異国に出会ったのだった。


父の誕生日に聞いた話?@

2003-06-24 00:00:00 | インポート
22日は、父の誕生日なので、お気に入りの駅前のイタリアンにご招待。もう75歳になる父は、めっきり食べる量も減り、歯が悪いから、硬いものは、ダメだし、けっこう好き嫌いも多い(^^;のでレストラン選びは困るのだが、 ウチで和食が多いから、外ではフレンチやイタリアンだと喜んでくれる。

父が、パンを食べながら、「パンって英語でブレッドとかいうんだよな」と突然言い出すので、はあ?「実は、初めてアメリカへ出張に行かされたときなあ」と珍しい昔話が始まっった。

父は、若い頃ミシン会社に勤めていたのだが、その会社は、ミシンを国内生産し、その販売は、海外戦略を試みて、シカゴにある通販の大手シアーズローバック社にコンタクトをつけようとしていた。その商談の立会いに父が行かされたのだが、それは今から40数年前、30そこそこの頃のことだそうだ。昭和ひとけたの父は、英語なんてまるでダメ。何事も経験だあとばかり、度胸で押し出されるように羽田を単身飛んだそうだ。

ウエキ島とかいう軍用基地とハワイに立ち寄って、サンフランシスコまで、16時間、時差を入れたら丸1日かかったそうだ。機内食は、食べたものの、空港内でレストランで、何かパンでもと思って注文しようにも、パンという英語が言えない。必死にミルクを注文したら、すっぱくて飲めないヨーグルトみたいなのが出てきて、もう飲まず食わずだったらしい。

好事魔多し。父の乗った日航機は、台風の影響で延着し、シカゴまでの乗り継ぎ便に間に合わなかったそうだ。日航職員に、ホテルに泊まるか、国内便の鈍行?で行くかと尋ねられて、飛行機に乗ることにしたという。
「へえ、そんなの疲れきってるんでしょ。ホテルでゆっくり寝たほうがいいのにー。」「そんな見も知らない土地で、ホテルで寝るより、目的地に少しでも向かったほうがよかったんや」

機内では、続く緊張と心細さで、熟睡などからはほど遠い状況だったらしい。夜中にデンバーやら各地を乗り継いで、飛行機から見る空がしらじらと明けて、ようやく朝に、シカゴに到着したという。

アメリカのシカゴには、歳の離れた父の兄が、移住していた。やっとの思いで、到着した空港で、感激の兄弟の再会があるはずだったのだが、本来の到着便どおりにつけなかったから、迎えはなかった。


不規則な生活

2003-06-21 00:00:00 | インポート
日記で、飲んだくれていることと、しんどいよおと愚痴を言っていることばかりではいけないと思いつつ、やっぱし、話題がそこへ向きがちだ(笑)

土曜日はワイン講座で飲み、父の日は実家で飲み(これは、ちょっぴり)月曜日は、ハービスのドイツ語講座の打ち上げと言って飲み、火曜日に、期末試験作成で半徹夜をやらかしたら、水曜日は、ぼろぼろ。そして木曜日、朝の通勤のバスの途中、降りようとしたら、ふらっとめまいがきた。

おわわ、入学式の失敗の再来が頭をよぎる。休んじゃおうかと思いもしたけれど、幸い、あのときよりひどくはないとは、自覚はあった。
満員電車のなかで、目をとじ、ひたすら駅が過ぎていくのを待つ。降り立っても階段で、足を踏み外さないよう手すりを持って慎重に。外に出て、とにかくふらつかないで歩けることを確認して、そろりそろり。
こんなんでも無事学校に到着して、授業になると、口はしゃべりだすのが講師の習性というものなんでしょう。
黒板に書く英語が、汚くて学生は、往生していたが、許されてくれたまえ。

授業が終わったら、すっとんで帰って、とにかく横になる。もう爆睡。でも仮眠しても、夕飯だけはとばさない。寝ぼけまなこで、昨日の残りのカレーを食べて、またバッタンキュー。6時に起きて、朝に予習しようと思ったが、それは、出来ない相談。起きたら、7時だった。
起きたら、さすがにすっきりした。やっぱり無理をする日が続いたら、3日は、たたる。ネットにしがみついていると時間がどうしてもずれがちだ。不規則な生活は、絶対しっぺがえしがくる。めまいが来たのは、きっと注意信号だ。

それでも、夏休みまで、1ヶ月ほどで、大体の目安はついて、無理をする峠も過ぎた。ちょっとほっとしている。不規則な生活は改めなくちゃ。もう若くはないのだから。


阿弥陀堂だより

2003-06-15 00:00:00 | インポート
前から見たいと思っていた「阿弥陀堂だより」が、ビデオ屋さんに並んでいたのでさっそく借りてきた。この作品は、しみじみよい。日本映画の底力を見る思いだ。

有能な医者・美智子(樋口可南子)は、パニック障害になったのを機に、売れない作家・孝夫(寺尾聰)とともに、彼の実家の信州に移り住んだ。
2人は、阿弥陀堂であの世に旅立った村人の霊を守ることをつとめとしているお梅ばあさん、難病におかされながらもけなげに生きる小百合、ガンと宣告されながらもいさぎよく死を迎えようとする孝夫の恩師らと知り合交流していく。

とりたてて大きくストーリーに派手な振幅があるわけでない、でもささやかに生き死んでいく普通の人々のありように接して、美智子が、心の病を克服していく様子が、丁寧に描かれる。日本の田舎の美しさの中に溶け込んでいく中年夫婦の2人の姿が、ひとつの素朴なファンタジーとなって見るものに暖かな気持ちを呼び起こす。

樋口可南子さんは、カッチイあこがれの女優さん。「卍」「ベッドタイムアイズ」「女殺油地獄」など、ハードな作品でも演じきれる女優さんが、糸井さんのオクサンになってからは、あんまり出てこられなくなったのが残念だったのだが、この作品で久々にカムバック。心の病気のため不安げな様子。夫にいたわられ、少しずつ安心していくところとか実に自然で上手い。自分で釣った岩魚で飲んで酔っ払ってしまったりキュートな場面も。後半小百合の手術をするときは、きりっとした女医に切り替わって、かっこいい。なんたってキレイだよう。

お梅ばあさんを演じた91歳の現役女優、谷林谷栄は、もう圧巻、もう存在するだけで奇跡のようなことだから。上手い下手とかを通り過ぎてる。日本映画の至宝のような存在だ。全編を通したら結構の長丁場だったのに、演じきってくださってありがとうという感じ。アカデミー助演女優賞も当然!

でも、彼女らを支えたのは、やっぱり孝夫役の寺尾聰さんではないでしょうか。メイキングを見ると谷林さんは「あきらちゃんがいたから」と言われていたし頼られていた様子。優しく妻を支える夫は、無言の演技でピカイチ。最後に作家としての決意を述べるところは頼もしかった。(主夫に徹していたみたいだったんで)

「たそがれ静兵衛」より更に地味な作品だけど、ヒューマンな質の高い日本映画。大人を満足させてくれる1本だ。


金曜日

2003-06-08 00:00:00 | インポート
金曜日は、去年どおりカッチイにとっては、ドツボの日。その金曜日の5時間目が、ドイツ語の授業だ。これは、第二外国語を全学科の学生が、わざわざ授業料以外にエキストラを払って選択してくれているのだ。お互い疲れ果てての授業なのだが、やる気があるからきてくれるのだろう。眠気を起こさせないように、こちらも、あれこれ工夫しなくちゃね。

授業が終わってちょっとエアライン学科の学生2人と話したら、彼女らがアルバイトしているホテル2つとも、カッチイの教え子がいることが判明した。なかなかに先輩風をふかしているらしい(笑)。華やかなシティホテルでも、裏では、失敗したりすると、どやしつけられる。「泣いちゃったことあります」だそうだ。けれど、接客業のプロの頂点のスチュワーデスを目指す彼女らは、考え方もしっかりしている。「アルバイトするにしても、接客をきちんと学べるところと思って一流ホテルを選びました。」接客業は、ある程度、素質が必要だろうと思う。女性は、やっぱり笑顔が自然に出てこないとね。「人にサービスして喜んでもらうのが好き!」という1点が自分の中に確固としてないと、本人がつらくなるだろう。感じのいいお嬢さんが、きびきび働いて、一皮むけるのを楽しみにしてるよ。

金曜日は、明日休みと思うと、ふわああと開放感がわく。毎週飲んだくれてるわけじゃありませんことよ。むし暑くなってきたからか、疲労感が濃くなる。
髪も伸びてうっとおしくなっている。カラーリングも落ちてるから、近日中にカットに行かなくちゃ。白髪が増えているのが悲しい(泣)

「ショップ ダンケ」のほうも、検索サーチに登録したり、やっていかなくちゃいけないことは山積みなんだけど、こちらは、ぼちぼちね。ショップをオープンしたからといって「カッチイのドイツ旅行案内」の手は抜きたくない。週末には、日記でも何がしか記事をアップしていきたいと思っている。