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名もなきアフリカの土地で1

2003-09-21 00:00:00 | 映画&ドラマにハマル!

女友達と、週末映画を見に行った。前から見に行きたいと思っていたドイツ映画「Nirgendwo in Afrika」邦題は、「名もなきアフリカの地で」という。

女性監督のカロリーネ・リンクの映画だから期待できると思った。聾唖の両親を持つ少女がクラリネットに目覚め、恋を知り成長していくさまを描いた「Jenerseits der Stille」(邦題は、「ビヨンド ザ サイレンス」)が、すごく良かったので、ぜひ見てみたかったのだ。

1938年に、ナチスの迫害を逃れて、先にきていた父(ヴァルター)を追って、母(イエッテル)と娘(レギーナ)が、アフリカのケニアにやってくる。ユダヤ系のブルジョア家庭に育った母は、未開の地の生活に慣れることができない。ドイツ流の生活を持ちこもうとして、夫のヴァルターと喧嘩が絶えない。ヴァルターだって、弁護士の地位を捨てて、農園の過酷な仕事に、取り組んでいるというのに、彼女は、いつも喧嘩になったら、逆上してしまい、まともに話し合うことができない。。このへんは実にドイツ女性にありがちだと思ってしまった。(もとい、ドイツ女性にだけあることじゃないか)そして二人とも、ドイツの家族・親戚の安否が、常に気がかりだ。

だが、娘のレギーナは、料理人のオウアに可愛がられて、アフリカの自然に魅了され、水が吸い込むように、アフリカに順応していく。幼い頃のレギーナ役を演じた子役のレア・クルカがめちゃくちゃ可愛い。カロリーネ・リンク監督は、本当に子役を魅力的に撮る監督だ。レギーナは、イギリスの寄宿舎学校にやられて英語教育を受けても、知的な発達を遂げ、両親から受け継いだ母国語のドイツ語やドイツ文化とも、融合させていく。

映画評論家の矢崎由紀子氏は、「ヴァルターが理性、イエッテルは、肉体で魂でアフリカを感じ、レギーナは魂でアフリカを感じ、それを糧としながらしなやかに成長を遂げていく。」と書かれていたのには、なるほどと思った。

成長を遂げたのは、イエッテルだった。彼女は、農場でとうもろこしを耕作し、収穫をみるという生活のなかで、アフリカを体得し、ここを離れがたいと思うようになる。「やっぱり、女性って、たくましいのね」と感じさせる。


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