VIVIEN住生活総研

住生活ジャーナリストVivienこと藤井繁子が、公私を交えて住まいや暮らしの情報をお届けします!

優良ストック住宅、SumStock

2008年07月29日 | 住宅業界
大手住宅メーカー9社が各社グループ不動産会社と共に[優良ストック住宅推進協議会]を設立し、記者発表を行った。
(旭化成ホームズ・住友林業・積水化学工業・積水ハウス・大和ハウス工業・トヨタホーム・パナホーム・ミサワホーム・三井ホーム)
 
ストック住宅、所謂、中古住宅の流通を活性化し適切な市場を形成する為に
まず大手各社の戸建住宅から共通の点検・管理、流通時の査定方法などを共通化することから始めようというもの。
その基準を満たす中古住宅を『優良ストック住宅[SumStock]』とブランド化、消費者へアピールする。

会長は積水ハウス和田会長、副会長に大和ハウス(樋口会長代行、渦居取締役)・住友林業(矢野社長)・積水化学(高下住宅カンパニープレジデント)・旭化成ホームズ(波多野社長)が挨拶に立った。 
   
 
ストックヘーベルハウスで実績のある旭化成ホームズは協議会の代表幹事・事務局を請け負う。概要を説明する事務局の羽鳥旭化成ホームズ部長(右)。

流通時の査定を行うのは協議会で教育研修を受けた会員会社の[スムストック住宅販売士]。(今期400名目標)
ちなみに、各社のグループ不動産会社というのは三井ホームでは‘三井のリハウス’ではなく三井ホームエステートのこと。

優良ストック住宅査定方式による共通シート整備し、建物価格をスケルトン(構造)とインフィル(内装)に分け査定。
 東京カンテイと構築
スケルトンの償却期間は50年、インフィルは15年。共に期間後の残価を10%とする。(200住宅ビジョンの手前‘0’にはならない!?)

住生活基本法施行以来、住宅産業もストック住宅政策に舵が取られ‘新築からリフォーム’へ各社の事業もシフト。
インフィル事業に関しても、多様な展開が考えられる中
その先にある、中古住宅流通市場へ住宅メーカーがタッグを組んで動き出した。

9社の戸建住宅ストック数は約200万戸、年間に流通しているのは1-1.2万戸という事。
その中で、このSumStockに対応できるエリア内では5-6000戸。今年度は1000戸を目標に普及を進める。

まずは注文住宅戸建の責任が取れる優良物件から、中古市場で信頼を売りに差別化できれば
結果、新築住宅販売現場でもブランド力Upにつながり、低価格競争に巻き込まれないという事につながるのだろう。
和田会長は「我々は世直しをするつもりで取り組む」とおっしゃったが、中古市場全体にどう影響力を出せるか。
我々、住宅情報誌としても協働してゆくべきテーマである。



住団連、経営者景況感下がる

2008年07月29日 | 住宅業界
住団連(住宅生産団体連合会)が四半期毎に発表する会員会社16社による[経営者の住宅景況感調査報告]。
今回の7月度から、6月に就任された佐々木宏専務理事(左)が発表された。
 
4月ー6月の第一四半期の実績は、総受注戸数・金額ともにマイナス13ポイント。
上記グラフのように、前四半期にやっと水面下から脱出したかと思ったら(実線が実績、点線が予測)またマイナスへ沈んだ。
注目すべきは前年の同期がマイナス47ポイントと、大きな溝であったにも関わらず前年比で更にマイナス13ポイントという落ち方。

今後の販売の先行指標の一つである展示場への来場者数(左)も、益々、減る予測。
次期四半期は、オリンピックもあって人は動き難く相当厳しいのでは無いだろうか。 合わせて地価の動向(右)も下降予測。
 
佐々木専務理事は建設省出身、前職は住宅金融支援機構理事なので私や記者達も顔見知り。
住団連・佐野さんから「住教育ガイドライン」のご紹介も私も研究会で意見交換させて頂いた。


景況感の発表では、年間の新設住宅着工戸数の予測も減少傾向。4月度に発表された112.7万戸から109.1万戸へダウン。
各社予測の内訳を見ると、98万戸~122万戸と20万戸以上の開きが・・・・

国交省から発表された6月の着工戸数によると上期(1~6月)は前年同期比10.1%減の約54万戸。
昨年の106.7万戸は確認申請問題で後半急ブレーキがかかった特別事情もあるが
このまま10%ダウンのトレンドが続くと、遂に100万戸割れも有りえる市況である。

各社、下期の新商品や販売促進で巻き返す予測であるが、消費税論議の行方や株式など経済環境ありきの消費者マインド。
物価は上がっても株価が上がれば、まだまだ建替え需要もあるはずなのだが雲行きは怪しい。