VIVIEN住生活総研

住生活ジャーナリストVivienこと藤井繁子が、公私を交えて住まいや暮らしの情報をお届けします!

住団連シンポジウム

2006年10月17日 | 住宅業界
住宅月間のシンポジウム、今日は住宅生産団体連合会(住団連)主催の
【豊かな住生活の実現に向けてー転換点にきた日本の住宅政策ー】と題し、住宅税制を含めた政策に関する内容。

まず基調講演には、「建築が好きで・・・」が高じて「上がり框」の研究をされたり
住宅関連の様々な委員も務められているエッセイスト見城美枝子氏(青森大学教授)。
編集長当時、月刊「HOUSING」の記事にもリフォームされた自邸と共に出て頂いた事がある。

「日本人は、何故日本人的なのか?」といった視点は、アナウンサー時代グローバルに取材されていた経験から生まれたようで
日本人の立ち居、振る舞いが、日本の住空間と深く関わっていて
今、声高に言われる“良質な”“世界に誇れる”というフレーズに、どこまで本質が理解されているかに疑問を抱かれている。

バリアフリーも、日本人にとってのバリアフリーを追求しないといけないし
日本住宅文化は“段差の美学”ともおっしゃった。
それを失ってまで、世界統一の基準にユニバーサル化する意味があるのか? 全く同感である。
障害に対する補助はあってしかるべきだが、私にはユニバーサルデザインが“美しい日本住宅”とは結びつかない。

シンポジウム後半は、我がリクルート住宅総合研究所の顧問でもある東大:浅見泰司教授がモデレーターとなって
パネラーには、小林和男(元NHK解説主幹)作新学院大学教授・園田眞理子明大助教授・吉野(社)日本経済研究センター客員研究員と
私が外の研究会などでもお世話になっている、篠原二三夫(株)ニッセイ基礎研究所室長によるディスカッション。

小林氏はロシア駐在のご経験を基に「住宅業界は格差を恐れるな!」と
格差を尊重して良質な住宅の供給に邁進すべき、全て平等にというのは文化的社会崩壊への道であると示唆された。

住宅税制の専門家でもある篠原氏からは、来年の参院選以降に沸騰するであろう消費税論議に向け
世界各国との比較などから「良質な住宅を建築する為のインセンティブが必要、土地だけの流通税・固定資産税に。住宅は資産であり、消費税課税すべきでない」
住宅サービスへの課税、という対応は前記事の小林秀樹教授と同じである。

園田氏は「21世紀は単身高齢者の時代、発想の転換が必要。既に鳥取・高知など地方は突入している社会、研究する必要性有り。」
日本人は制度に合わせ過ぎるのが難で、もっと各地域に合ったシステムを作り出す姿勢が必要ともおっしゃった。
私もその点、逗子市で感じて行きたいと『まちづくり審議会委員』になったようなものである。

吉野氏は「中途半端な規制緩和が姉歯事件を招いた。」集団規制ではなく地域の自主的なアクションで実現形成すべきと
園田氏と同意見。また、「住宅を社会資産と見てこなかった為に、家庭崩壊や人生の充実感の無さを招いている」とも。
本当にフランス人の生き方を見ていると、同じベビーブーマーの生き方でも日本人には見られない人生の充実を感じる。

確かに転換機を迎えた日本の住生活を実感できる、諸氏のお話であった。


2 コメント

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住団連は経済学者はお嫌い? (浅田)
2006-10-20 08:41:32
このメンバーを見ると,何を考えていらっしゃるやら理解不能です。

税制も住宅も経済学で考えないとね。嫌われたかな?
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確かに・・・ (Vivien研究員)
2006-10-20 23:55:41
おっしゃる通り、住団連の日頃の付き合いで集めた感はあります。

経済学者とはワーキンググループを持ってないのでは?

早速、住団連さんにご紹介しておきます!
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