Aonsiwate Blog

フライロッド・漆器製作と岩手のくらし覚書

傷見(きずみ)と木固め

2014-06-28 16:55:10 | 漆と漆器

  

  

  木地師さんに発注していた新しい椀の木地が到着。

  

  まずは傷見(きずみ)をします。

  一個一個天然の木から削り出された木地は、一つ一つ個性があります。

  同じ工程で塗ると、製品差・個体差のようなものが出てきます。

  傷を見ながら、完成時の製品差・個体差を均一に近づけるために、

  個性ごとに仕分け、それぞれの工程を検討します。

  塗りの作業工程の中で、重要な、時間のかかる作業です。

  

  

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  傷見を終えたら、少しだけ木地を調整(削ったりやすったり)して、

  木固め(きがため)をします。

  木地に漆を含浸させ、防水性、強度を上げます。

  今回は黒く染めます。

  

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  カーボンや顔料で漆を黒くする方法もありますが、

  私は松煙(しょうえん)を使います。

  これは松材を燃やした時に出る煤で、非常に粒子が細かく、

  また人体に無害のようです。

  生漆(漆のほぼ採れたままの状態)に松煙を混ぜ、いくつか別種の

  漆もブレンド、テレピンで希釈し、木地に含浸させます。

  

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  私の場合、漆が硬化後、表面を空研ぎしてもう一度木固めしています。