コアラの叫び オーストラリア火災
先日、Cityの街に行ったら、ここパースでは珍しい大規模な集会が行われていました。
それは、今、オーストラリア全土に広がっているBush fires、山火事の危機を憂えて集まった人たちの集会でした。
ショッピイングモールの一つである、歩行者天国になっている、マーレーストリートが、人で埋め尽くされていました。
私は、その場所で、よく写真撮影をしていますが、このようなことは、初めてです。
昨年の末に広がった火災は、未だ衰える気配は見せていません。
Bush firesは、オーストラリアでは、夏のシーズンに限らず、乾燥が続くといつでも、発生しています。しかし、今回の規模は、過去最大で、オーストラリア全土で発生しており、ここパースの近辺でも発生しています。それは、例年になくひどく、街が煙で霞むことも何回かありました。
特に、大陸の東側の位置するNSW地方と南のビクトリア地方が深刻です。NSW地方の大都市シドニーは、その影響をもろに受け、その煙で、視界不良の日が何度かありました。ビクトリア地方のメルボルンでも同じような事態を招いています。
この火災の鎮火には、どれぐらいかかるかも、検討が立たないようで、その沈静化のめどは、未だ立っていません。
被害は、深刻で、火災により焼失した面積は、以前あったアマゾンの規模を上回っています。それにもまして、動物たちへ及ぼしたダメージは、さらに深刻になっています。何億もの生命が奪われています。その中には、コアラ、カンガルも含まれており、逃げ足の遅いコアラの被害は、深刻です。大げさではなく、絶滅の危機さえ懸念されています。この火災によって、固有種の多く生息するオストラリアの生態系そのものが危機に直面しており、事態は、深刻な状況を呈してきています。
コアラに関していえば、12月に流れたニュースは衝撃的なものでした。
一人の女性が、激しくもえる森に近づくと、動物の叫び声が森に響き渡っており、そこに近づくと、木にしがみついているコアラを発見しました。コアラはおとなしい動物で、ほとんど声を出すことはありません。彼女は、そのコアラを救出し、毛布にくるんで連れ帰りました。それで、彼は、安心したものか、一時、少し落ち着いた模様でしたが、火傷がひどく、苦しみだしたので、最後には、安楽死させることになりました。そのコアラの叫び声と、その火災の映像が、ニュースで流れ、人々は、その火災の酷さを知ることになりました。
このように火災が拡がった原因は何なのかと、いろいろ取りざたされていますが、Climate Changeが大きな原因ではないかと言われています。
気温の上昇は、ここパースでも実感しています。今まで、12月に40℃を超えることは、ほとんどありませんでしたが、去年の12月にはすでに何度かありました。
ここオーストラリアでは、自然発火による山火事は、毎年起きてきました。それに拍車をかけたのが、気温上昇ではないかと取りざたされています。
コアラの主食であるユーカリの葉は、テルペルという物質を含んでおり、それは大変引火性の高い物質で、気温の上昇によって、放出されたテルペルが自然発火して火災を招いたのではないかと推測されています。過去にもそう言われていたこともあったそうです。
さらにユーカリの木はユーカリ油と言われる油を大量に含んでいるため、火災に拍車をかけることになります。
何れにしても、ユーカリの木は、この大陸には、昔からあるわけですから、やはり、一番の原因は、気温の上昇ではないだろうかと、思っています。
集会には、先住民アボリジニの姿も多く見かけました。
アボリジニの集会にはいつも見かける哲学者のごとき風貌をした翁の姿もありました。
一人のアボリジニが、"我々の自然を壊したのは、誰だ。"と。彼らの暮らしていた土地に、後で植民してきた白人を、暗に糾弾していました。
彼らは、"この大地は、みんなでShareしているのだ。"との世界観を持っています。これは、以前に、ブログにも書いたように、日本人の、自然も含めて、すべての生きとし生けるものは共存して生きていくべきだ、との世界観にもあい通じるものがあります。
Shareとは、日本語で言えば、すべてのものがが融和、調和して生きることを意味しており、それは、まさに和を重んじる世界観そのものです。
今回の集会には、普段陽気なオージーも、さすがにこのCrisisを強く感じているようで、たくさんの人が、それぞれのプラカードを掲げて参加していました。
https://www.bbc.com/japanese/video-50969978
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