春にはピンクの桜が似合うけれど、黄色も捨てがたい。
大きな公園には「サンシュユ」の木がたくさんある。
それらがちょうど見ごろになっていて、鮮やかな黄色が遠くからでもよく目立っている。
一つ一つの花はこんな感じで、小花が集まって花房を作っている。
サンシュユは春になると真っ先に開花し、鮮やかな黄色を見せてくれるので「春黄金花(ハルコガネバナ)」、そして秋にはサンゴのような真っ赤な実が生るので「秋珊瑚(アキサンゴ)」と言われ、春・秋両方に別名を持っている。
春の「春黄金花」
秋の「秋珊瑚」
茱萸(シュユ)とはグミのこと、だからサンシュユの実はグミにそっくり。
この木は日本には江戸時代に薬用として入ってきたのが庭木として広まったらしい。
秋になるとできる実の種を抜いて果肉を乾燥させたものが滋養強壮や疲労回復に効果があるとか。
学名:Cornus officinalis
英名:Shan zhu yu
別名:ハルコガネバナ、アキサンゴ
科名・属名:ミズキ科 ミズキ属
原産地:中国、朝鮮半島
ちょっと余談。
宮崎県の椎葉村に伝わる民謡「稗つき節」の歌い出しに、「♪庭のサンシュウの木 鳴る鈴かけて~♪」という歌詞がある。
この歌詞のサンシュウがてっきりサンシュユのことかと思っていた。
ところが九州地方の訛りで、「山椒」のことをサンシュウと言うらしく、多分庭にある山椒の木のことを歌っているのじゃないかと。
何の気なしに聞いていたけれど、椎葉村には平家の落人伝説があって、この民謡にはその伝説が盛り込まれている歌だということを知った。