ワシントンでは先週、米中戦略・経済対話が開かれた。中国の不動産バブルや過剰生産の元凶視される
「影の銀行」問題が焦点になったと報じられたが、 皮相的すぎる。筆者が着目したのは、
米連邦準備制度理事会(FRB)がめざしている量的緩和(QE)の縮小について、
中国側が「時期尚早」と待ったをかけ た点である。
何しろ、中国はこれまで公式的には、FRBがドル資金を大量発行するQEに対し、
新興国への投機を助長するとして強く反発していたのに、逆に米側がQEからの「出口」を模索し始めると、
「まだ続けてくれ」と言い出したのである。一体、どういうことなのか。
量的緩和縮小に反対
米QEの縮小の動きについてクレームをつけたのは中国の楼継偉財政相で、
「(米国の)高い失業率を考えれば時期尚早」と内政干渉まがいの態度で臨み、
「影響は米国のみにとどまらず、十分注意すべきだ」と厳しく注文した。
不動産バブル崩壊恐れ
ことの深刻さは中国経済そのものにある。流入するドルを信用創造の源として
不動産投資や増産に邁進(まいしん)した胡錦濤前国家主席時代は10%前後の高度成長を続けたが、
不動産バブルは膨張し、過剰生産、過剰在庫は野放しになっている。
役得にありつく党官僚はバブルや過剰生産から創出される見かけ上の利益の多くを懐にする。
そんな具合だから工場や発電所などからは有害物質がほとんど除去 されないまま排気や排水が行われている。
取り締まる党官僚が汚職腐敗しているのに、どうしてインチキ食品の横行を食い止められるだろうか。
そんな状況下で、米国がドルの増刷をやめると、中国人民銀行は人民元札を刷れなくなる。すると、
市中銀行による融資は止まり、不動産バブルは本格的に崩壊しよう。
くだんの「影の銀行」が集めるカネもしょせんは企業、個人の過剰資金であり、
高利回りの運用先は主に不動産市場だから、バブル崩壊で高利回り商品は蒸発してなくなる。
農民から土地を強制収容して不動産開発に邁進してきた地方政府は債務返済不能に陥り、
大手の国有商業銀行は一挙に総額で100兆円規模の不良 債権を抱えよう。
まともな政治体制を持つ市場経済国家なら、改革すべきは改革し、縮小整理し、不正行為者を逮捕しつつ、
バブル崩壊後の経済運営に知恵を出し、大衆の不満に応えようとするだろう。が、今の中国には不可能である。
その結末は、最終的には共産党指令経済の崩壊と、北京指導部は恐れているに違いない。
ならば、せめて、北京としてはワシントンに「ドルを刷れ」と要請するしかない。
とりあえず、バーナンキ議長はQEの継続を口にしているが、年内には、北京が最も恐れる
「QE縮小」宣言の日がやってくる。(産経新聞特別記者・編集委員 田村秀男/SANKEI EXPRESS)
2013.7.17 10:42 産経新聞より引用
バーナンキ議長はQEの継続を口にしているが、
昨日は含みを残した発言に微妙に変わっている。
したがって、私個人はQE縮小宣言は、9月末と考えている。
その我が国への、影響は円高に向かい株価は下がる
しかし、物価上昇は継続し続けるので、良い材料は見つからない。
他方、中国はこれまでの日本を含めた各国に領土問題で
揺さぶりをかける、民衆の怒りのほこ先を向ける為に、
かつての、ソ連の終末と同じに見えて他ならない。
私の、予測が当たらな事を、願いたい。