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極限状態を通じて人間の本質を描いた『プラットフォーム』

2021年01月30日 00時05分41秒 | 映画


【個人的な評価】
2021年日本公開映画で面白かった順位:8/15
   ストーリー:★★★★☆
  キャラクター:★★★☆☆
      映像:★★★☆☆
      音楽:★★★☆☆
映画館で観るべき:★★★☆☆

【以下の要素が好きなら楽しめるかも】
サスペンス
ホラー
スプラッター
流血
グッチャグチャ
極限状態
キューブ
ソウ

【あらすじ】
ある日、ゴレン(イバン・マサゲ)は目が覚めると「48」階層にいた。
部屋の真ん中に穴が開いた大きな吹き抜けのようで、
遥か下まで伸びる塔のような建物。

上の階層から順に食事が"プラットフォーム"と呼ばれる
巨大な台座に乗って運ばれてくる。
上からの残飯だが、ここでの食事はそれを摂るしかない。

同じ階層にいた、
この建物のベテランの老人・トリマガシ(ソリオン・エギレオール)から、
ここでのルールを聞かされる。
今いる場所はタワー型の建物で、
ここにいる者たちは、
定期的に自分のいる階層がランダムに変更される。

1ヶ月後、ゴレンが目を覚ますと、
そこは「171」階層で、
ベッドに縛り付けられて身動きが取れなくなっていた。
ゴレンはこの理不尽なシステムを壊そうとするが、
これが思わぬ悲劇を生むことになる……。

【感想】
胸糞悪い映画なんだけど、
人間の本質を突いた設定はうまいなと思えた作品。

閉鎖された空間の中で、
サスペンスやホラー寄りの雰囲気だから、
どことなく『キューブ』や『ソウ』っぽい印象は受ける。
でも、もっと人間というものを俯瞰して見ているところが特徴的。

まず、世界観が面白い。
舞台は階層が不明なタワー型の建物。
ここで一番ポイントになるのが食事。
上の階から食事が盛られた台座が下りてきて、
一定時間経つと下の階へ降りていく仕組み。
量に限りがあるので、
下に行けば行くほど食べれるものがなくなり、
最悪1ヶ月間食事なし。
飢えを凌ぐために同じ階層の人を食べるケースもある。

これが一番エグくてね。。。
自主規制なのか、モザイクかかるほど。
これ観た後はお肉食べれない人多そうwww

その特殊な環境を舞台に、
「この世には2種類の人間がいる」っていうことを、
極限状態を通じて描いているのがうまいなと思う。
要は「自分のことしか考えない人」と「まわりのことも考えられる人」。

ほとんどの人は自分さえよければそれでいいって考えだから、
上から来た食事を好きなだけ食べ尽くす。
下の階の人のことなんか考えないし、
メシにツバ吐くやつもいるから。

1ヶ月ごとにランダムで自分の階数が変わるから、
明日は我が身なんだけど、
そんなこと多くの人には関係ないんだよ。
今しか考えていない。

そこに一石投じるのが主人公。
下の階の人のことも考えて、
食事をきちんと分配しようとする。
そこがこの映画のクライマックスにもつながるんだけど。

自分さえよければいいのか、
他人のことも思いやれるのかっていうのは、
普段の生活でも態度や言動でわかるし、
極限状態に陥ったときには如実に表れるだろう。

それを、人の立場に明確な差がつくタワー、
つまり「上下」に差が生まれるところで展開していくってのは狙ってるよね。
物理的に上下で差がつくと、
マウンティングしたくなる心理が働くのかもしれない。
うまく人間心理も捉えた作り方だなって思った。

ただ、終わり方がよくわからなかったんだよね。。。(笑)
そこだけ消化不良かな。。。

あと、せっかくなら同じ人間が違う階層に行ったときに、
どう態度や言動に差が出るのかっていう変化をもっと観てみたかった。
下にいるときは謙虚だったのに、
上に行くと傲慢になるとか。

グチャミソな表現が大丈夫な人なら観てもよいかと。

映画『プラットフォーム』公式サイト|2021年1月29日公開

映画『プラットフォーム』公式サイト|2021年1月29日公開|その“穴”は世界を変える。「縦」構造SFシチュエーション・スリラー

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