Blog of 俺 by 俺 for 俺

自分の自分による自分のためのブログ。
だったけど、もはや自分の備忘録としての映画やドラマの感想しかないです。

こんな上司が身近にいてくれたらっていう『幸せへのまわり道』

2020年08月30日 16時02分20秒 | 映画


【基本情報】
 原題:A Beautiful Day in the Neighborhood
製作年:2019年
製作国:アメリカ
 配給:イオンエンターテインメント

【個人的順位】
鑑賞した2020年日本公開映画ランキング:70/116
 ストーリー:★★★☆☆
キャラクター:★★★★☆
    映像:★★★☆☆
    音楽:★★★☆☆

【あらすじ】
ロイド・ヴォ―ゲル(マシュー・リス)は、優秀な雑誌記者としてキャリアを積み、
今は愛する妻と生まれたばかりの子どもと暮らしている。

ある日、ロイドは姉の結婚式に招待され、
式場で絶縁していた父・ジェリー(クリス・クーパー)と再会を果たす。
ロイドは、家庭を顧みず家族を見捨てた父を許せずにいたため、
些細なことがきっかけで手を上げてしまう。

それから数日後、ロイドは編集部の依頼で、
子ども向け番組の司会者として人気者だったフレッド・ロジャース(トム・ハンクス)
に関する記事を書くため、スタジオを訪ねる。

フレッドは、ひと目見ただけなのに、ロイドの抱える家庭問題や心のわだかまりを感じとるが、
ロイドもまたフレッドの不思議な人柄に惹かれていく。

やがて2人は、公私共に交流を深めていくのだった。

【感想】
トム・ハンクスの演じたフレッド・ロジャース、
僕は初めて知ったけど、アメリカでは有名な方のようだ。
子ども向け番組の名司会者のおじさんっていうと、
日本だとグッチ裕三ぐらいしか思いつかないけど(笑)

そのフレッドが、とてつもない人格者であるのが、この映画の魅力かと。
僕もああいう人でありたいって思うほどに人間ができてる。
決して他人を怒らず、否定せず、いつもおおらかで優しく、
悩んでいる人や困っている人を諭すかのように語りかける。
インタビューしているロイドがいつの間にか自分がインタビューされている感じになるから。

それでいて、「ありがとう」を忘れない。
どんな小さなことにも感謝をして、それを言葉にして伝える心遣いの鬼。
フレッドの妻いわく、努力と訓練によって培ったものらしいけど、、、すごい。。。

ロイドは父親に対する長年の恨みが募りすぎてて、
なかなか許すことができないのだけど、
フレッドと会話をしていくことで少しずつその怒りが溶けていく。
「君は信念があって、善悪の区別をきっちりつけられる」とフレッドは言うのだけど、
曲がりなりにも父親とのわだかまりがあったからこそ
出来上がった人間だということを気づかせてくれる。

そこから、父親とも少しずつ話ができるようになり、
育児を妻に押し付けていた考えも改め協力的になっていく。

結局、感情をコントロールするには、
その原因を突き止めて受け入れることが必要なんだということがわかる。
辛いことには何かと目をそらしたり、変なこだわりが出てきてしまったり、
歳を重ねるとさらに変化というものが難しくなってくるものだけれど、
この映画のフレッドのように親身になって背中を押してくれる人がいるといいね。

何か怒りが抑えられない人や子供が生まれたばかりの人には
ちょっと観てもらいたい作品。

ちなみに、フレッドも言ってたけど、
怒りを抑えるには速く泳ぐのもいいらしい(笑)

映画『幸せへのまわり道』 | オフィシャルサイト| ソニー・ピクチャーズ | 8.28(金)劇場公開

これは、実話に基(もと)づいた物語。ひとつの出会いが奇跡を呼び起こす。トム・ハンクス主演『幸せへのまわり道』 8.28(金)劇場公開

 

映画好きは観なきゃ損!『ようこそ映画音響の世界へ』

2020年08月29日 00時41分17秒 | 映画

【基本情報】
 原題:Making Waves: The Art of Cinematic Sound
製作年:2019年
製作国:アメリカ
 配給:アンプラグド

【個人的順位】
鑑賞した2020年日本公開映画ランキング:1/115
 ストーリー:★★★★★★★★★★
キャラクター:★★★★★★★★★★
    映像:★★★★★★★★★★
    音楽:★★★★★★★★★★

【あらすじ】
ハリウッドの映画音響にスポットをあてたドキュメンタリー。
映画の“音”において大きな影響をもたらした名作映画たちを振り返り、
知られざる映画音響の歴史に迫る。

【感想】
すごいすごいすごいやばいやばいやばい!!
ドキュメンタリーなのに今年一番面白かった!!
すべての映画好きの人に観て欲しいわ、これ。

映画を「音響」という視点で切り取った作品で、
音響が映画においてどれだけ重要かを、
いろんな監督や音響担当者がインタビューに答えてるんだ。
映画や映画の舞台裏に興味がある人なら絶対ハマると思う!!

スティーヴン・スピルバーグ、ジョージ・ルーカス、
クリストファー・ノーランなどの超有名監督たちの音に対する想いや、
『プライベート・ライアン』、『スター・ウォーズ』、
『地獄の黙示録』などの名作たちがどういう音にこだわって制作されたのか
がわかるとっても興味深い内容。

そもそも昔は録音ができなかったから、映画って映像だけだったんだよね。
映画を観るときは生のオーケストラが演奏したり、
銃撃戦も打楽器の音で代用してた。
エジソンが蓄音機を発明してから徐々に変わってきたんだけど、
最初は映像と音の同期が相当に難しかった様子。

でも、トーキーが発明されて以降は映像と音の同期がしやすくなった。
そこで世界初のトーキー映画として上映されたのが1927年の『ジャズ・シンガー』。

そこから音もどんどん進化していくんだけど、
映画史に残る革命を起こしたのが『スター・ウォーズ』。
音響担当者は1年かけていろんな音の素材を集めてまわったようで、
ブラスターの音が鉄柱?をレンチで殴っている音だったり、
チューバッカの声はクマだったり、
当時の制作風景を観られたのが何にも勝る興奮!
特に、ジョージ・ルーカスはシンセサイザーなどの電子音ではなく、
現実の音にこだわったようなので、
あの映画に出てくる効果音はすべて身のまわりのもので作られているとのこと。

その次にまたヤバイのが出てきたんだけど、それが『地獄の黙示録』。
世界で初めて5.1chで制作した作品だそうで、
この映画の音響が現在でも基本システムとなっているらしい。

次にエポックメイキングだったのが『トイ・ストーリー』。
ジョン・ラセターのインタビューもあったけど、
もともとは『ルクソーJr.』という短編アニメーションから始まり、
その頃からリアルを追求した音にこだわっていたそう。

この頃からコンピューターで音を作るようになったのだけど、
さらなる実験的な試みをしたのが『マトリックス』。
仮想空間に突入するときの音なんかはかなりチャレンジングだったようで。

でも、個人的に一番驚いたのが『トップガン』なんだよね。
実際の戦闘機の音を録音したらしいんだけど、なんか地味だったらしく、
映画には戦闘機の音に加えて、ライオンやトラ、
サルの声も混ぜた合成音にしていたらしい。

他にも、昔の映画だけじゃなく、
『インセプション』や『ブラックパンサー』、『ワンダーウーマン』など
新しめの映画について触れられているのもよかった!

しかも、音響を「Voice(声)」、「Sound Effect(効果音)」、「Music(音楽)」の3つに分けて、
その中でさらにいくつかの項目に分けて解説してくれるのは勉強になった。
思った以上にすごすぎるんだよ、音の世界。
普段観ている映画の音ってけっこう別撮りされてて。

特に、フォーリーアーティストと呼ばれる効果音専門の人たちは、
役者の動きに合わせて足音をつけたり、衣類をこすり合わせたりしてるし、
声を聞こえやすくするために同じシーンをスタジオでアフレコして、
後から役者の口の動きに合わせて編集するといった作業もあることを初めて知った!!

これからは音にも注目して映画を観てみよう。

映画『ようこそ映画音響の世界へ』オフィシャルサイト


映画『ようこそ映画音響の世界へ』オフィシャルサイト

 

こじらせ男子の『ラ・ラ・ランド』だった『青くて痛くて脆い』

2020年08月28日 21時45分33秒 | 映画


【基本情報】
製作年:2020年
製作国:日本
 配給:東宝

【個人的順位】
鑑賞した2020年日本公開映画ランキング:81/114
 ストーリー:★★★☆☆
キャラクター:★★★☆☆
    映像:★★★☆☆
    音楽:★★★☆☆

【あらすじ】
人付き合いが苦手で、人と距離を取ろうとする田端楓(吉沢亮)。
意識は高いが空気の読めない発言ばかりで周囲から浮きまくっている秋好寿乃(杉咲花)。

ひょんなことから知り合った2人は秘密結社サークル「モアイ」を作り、
「世界を変える」という大それた目標を掲げ、
ボランティアやフリースクールなどの慈善活動をしていた。
まわりからはバカにされながらも、
モアイは2人にとってかけがえのない居場所となっていった。

しかし、秋好は"この世界"からいなくなってしまった。

モアイ設立から3年。
秋好がいなくなったモアイは、社会人とのコネ作りや各種イベントなどを行う
意識高い系の就活サークルへと変貌してしまう。

変わり果てたサークルを目の当たりにし、楓の怒りや憎しみが爆発する。
「モアイをぶっ潰そう」
楓は、秋好が叶えたかった夢を取り戻すために親友や後輩と手を組み、
モアイ奪還計画を遂行する。

【感想】
よくも悪くも「え?」っていう映画(笑)
てっきり復讐劇かと思ったんだけどね。
実際は、こじらせ男子の『ラ・ラ・ランド』とでも言うべきか。

特に、笑いも涙もないけれど、他人との関わり方や自身の在り方について、
ちょっと自分を振り返りたくなるような映画だった。

まず、開始後1分でわかりみが深いナレーションがあって。
楓は、とにかく人と距離を取ろうとするんだけど、
それは、自分の何気ない言動で他人を傷つけてしまわないため。
だから、不用意に人と関わらないし、否定もしない。
結果、その相手から恨まれることもなく、最終的には自分を守ることにもなる。

30数年生きてると、些細なことで面倒に巻き込まれることもあるし、
なるべく人に入り込まない方がいいよなって思うことはあるから、
楓のこのスタンスはけっこう共感できる部分もあったんだよね(笑)

そんなスタンスの彼に、まったく空気を読まずズケズケ入ってくる秋好がこれまた鬱陶しくて。
ゴリゴリの営業マンとか、見てるだけなのに話しかけてくるショップ店員ばりのめんどくささ。
僕だったらちょっとキツイなーって思った(笑)

でも、気づいたら2人はいっしょになってる。
結局、楓も寂しかったところはあると思うんだよね。
本当に人と距離を取りたいときって、人が嫌いか、興味ないかのどちらかで、
この場合は完全にシャットアウトすると思うんだけど、
なんだかんだでいっしょにいてしまうってのは、
やっぱり誰かといたいという願望がどこかにあったからだと思う。

後に、秋好は途中からジョインした脇坂(柄本佑)と付き合うことになるんだけど、
ここから物語が一気に加速する。
お話の内容上、細かく話すとネタバレになってしまうのだけど、、、
まあ気づく人は気づくよね(笑)

楓の負の感情の出どころは。
彼が本当にぶっ潰したかったものは何なのか。

そして、あの国宝級のイケメンに対して
「ほんっとうに気持ち悪い」と言い放つ杉咲花の役どころは
気持ちいいほど潔かったわwww

ラストが『ラ・ラ・ランド』過ぎてちょっと笑ってしまうのだけど、
ここも共感ポイント高かった。

楓が「もし自分がもっと素直だったら」起きたであろう願望の世界が映し出されるのだけど、
普段の生活でもけっこうあるんじゃないかな。
「もっとちゃんと話せてたら」とか
「あそこでうんって言ってたら」とか
「あれに参加してたら」とか。

そういうのって若いうちだけかなと思ってたら、
意外と年齢重ねても日々起こるよなって最近思う。

ただ、この映画を観て思ったのは、
変にかっこつけたりこだわったりしない方がいいんじゃないかなーってこと。

まあ、言うほど簡単じゃないんだけどね(笑)

映画『青くて痛くて脆い』公式サイト

吉沢亮×杉咲花 「君の膵臓をたべたい」住野よる原作、誰も見たことのない青春サスペンス! 大ヒット上映中

 

型のないイップ・マンだった『追龍 』

2020年08月27日 23時58分14秒 | 映画


【基本情報】
 原題:追龍
 英題:Chasing the Dragon
製作年:2017年
製作国:中国・香港合作
 配給:インターフィルム

【個人的順位】
鑑賞した2020年日本公開映画ランキング:72/113
 ストーリー:★★★☆☆
キャラクター:★★★★☆
    映像:★★★★☆
    音楽:★★★☆☆

【あらすじ】
1960年代、香港はイギリスの統治下に置かれ、
警察と黒社会が結託し、汚職がはびこっていた。

ン・セイホウ(ドニー・イェン)は仲間と共に、
中国本土・潮州から不法移民として香港に渡って来た。

変わらず貧困に苦しむセイホウたちは、
高額な報酬が得られると聞いてマフィア同士の暴動に加わることに。

しかし、暴動の鎮圧に来た警官に追いつめられたセイホウは、
現場の指揮官である英国人警司ヘンダー(ブライアン・アーキン)に
暴行を加え拘束されてしまう。

警察署に連行後、怒りのおさまらないヘンダーは
署内でセイホウに酷い暴行を加えていた。
セイホウの身に危険を感じた香港警察の
リー・ロック(アンディ・ラウ)はセイホウを保釈。
その後、仲間のカジノでの不正行為の落とし前として
黒社会に身をおくことになったセイホウ。

数年後、ずっと対立していた警察幹部のトン・ガン(ケント・トン)と
マフィアの陰謀により追いつめられたロックは、
かつての恩もあってセイホウに助けられた。
ロックを救う際にセイホウは足を砕かれてしまったが、
ここで2人の間には友情と信頼が生まれた。

当時の時代では警察と黒社会が手を組むことはめずらしくなかったため、
2人は手を組み、セイホウは麻薬王として、ロックは警察上層部へ出世し、
互いに更なる権力を手に闇の階段を駆け上がって行く。

【感想】
本作は実話ベースの映画のようで、ン・セイホウも実在の人物らしい。

で、警察はいるけど、黒社会と結託しているから、まるっとみんな悪だよね。
正義と悪の対立ではなく、まさに悪を貫く男たちの話。
だから、基本暗いし男臭い。
日本だとヤクザ映画に近いかなー。

でも、シリアスかと思いきや、
前半はジャッキー・チェンの映画に近い雰囲気もあって
ちょっと笑えるところもある(笑)
それが、後半にかけてどんどんシリアスに向かっていくから、
その変化は印象的だった。

ひとりは麻薬王に、ひとりは警察上層部にどんどん出世していく、
欲望と自己顕示欲の強いギラギラした男たちの物語は、
僕はその生き方にあんまり共感はできないものの、
"男"よりも"漢"っていう雰囲気が好きな人はハマるかも。

終盤のバトルシーンの派手さはさすが中国と香港の合作映画だなって思うし、
任務の途中で命を落としていく仲間たちに対する
悲しさと悔しさに震えるドニー・イェンの演技もよかったし、
個人的にはアリだなと思う映画だった。

ただ、登場人物が多い上に、その思惑が交錯しまくるから、
「あれ、あの人なんだっけ?」っていう状態になっちゃうのはある(笑)

また、当時の香港の社会情勢がうかがえるのも勉強になるね。
正義のない無法地帯の中で、香港人たちのイギリス人に対する遠慮と、
イギリス人の香港人に対する差別的態度を見ると、
当時の香港には絶対行きたくないなって思う。

でね、僕は『イップ・マン』を観てからドニー・イェンがすごく好きになって、
完全にジャケ買いの勢いでこの映画を観たのだけど、
本作も2割ぐらいイップ・マンだった(笑)

だって、セイホウ強いんだもん。
詠春拳こそ使わないものの、殴る、蹴るの暴力が強すぎ。
まさに「型を使わないイップ・マン」。
しかも、『イップ・マン』シリーズで刑事役だったケント・チェンも出てるし。

もちろん、役どころは180度違う。
麻薬王だし。
殺し方がえげつないよ。。。
しかもずっと短い髪に慣れてたから、
前髪があるドニー・イェンに違和感ありまくり(笑)

そして、アンディ・ラウのかっこよさは、
同じ男でもスクリーン越しに見とれるレベル。
あの渋さはアジア人俳優の中でもそうそういないんじゃないか。
さすが、"四大天王"に君臨するだけのことはあるなあ。

https://www.tsuiryu.com/

負け犬だからって人生終わりじゃない『きっと、またあえる』

2020年08月27日 00時34分26秒 | 映画


【基本情報】
 原題:Chhichhore
製作年:2019年
製作国:インド
 配給:ファインフィルムズ

【個人的順位】
鑑賞した2020年日本公開映画ランキング:9/112
 ストーリー:★★★★★
キャラクター:★★★★★
    映像:★★★★★
    音楽:★★★★★

【あらすじ】
息子が受験に失敗し、「負け犬の烙印を押された」とマンションから飛び降りた。

病院に駆けつけた父親のアニ(スシャント・シン・ラージプート)は
息子にプレッシャーをかけたことを悔やみ、
そして自身も学生時代は負け犬だったことを息子に語り始める。

そこに、息子を励まそうと集まってくるかつての悪友たち。
インドでもトップクラスのボンベイ工科大学時代の仲間だが、
彼らが寝泊まりしていた学生寮はボロボロの4号棟。
気のいいやつらは多いものの、寮対抗の競技大会では万年ビリで、
まわりからは"負け犬"とバカにされ続けてきた。

アニたちは汚名返上しようと一致団結し、
実力で勝てないところはあらゆる手段を講じて勝ちをモノにしていくが、
対戦相手も黙ってはいない。

果たしてアニたちは汚名を晴らすことができるのか。
そして、その先で彼らが見たものとは。

【感想】
タイトルがほぼ同じだけど、『きっと、うまくいく』とは何の関係もない(笑)
監督は『ダンガル きっと、つよくなる』と同じニテーシュ・ティワーリー監督で、
彼の実体験も織り交ぜた話となっているとか。
「きっと、〇〇」ってすればいいと思っているのではなかろうか、邦題の担当者は(笑)

さて、この映画、とにかくボリウッドの青春映画らしく、笑いと涙にあふれている。
『ブックスマート』もそうだけど、ハリウッドにしろボリウッドにしろ
何であんなに学生生活がカオスなんだろうか(笑)
あのハチャメチャっぷりは邦画の青春映画ではまず見ない。
男子寮で全員パンツ一丁で水かけ合戦やるとか、すんごく楽しそうだったよ(笑)
その学生時代の青春感は『きっと、うまくいく』と似た雰囲気があったね。

本作の特徴的なところは流れが2つあること。
ひとつはアニの学生時代の面白おかしいエピソード。
もうひとつは、こっちがメインなんだけど、彼の息子を励ますこと。

この映画はメッセージがシンプルで、負け犬であることを悔やんで死のうとした息子に対して、
負け犬だった自分たちがあきらめなかったこと、結果はどうであれ努力したという事実が大事であること、
その結果大切な仲間ができて幸せに暮らせること、
それを伝えることで息子の人生がまだ終わったわけではないことを知ってもらうとしてるんだ。

『きっと、うまくいく』でも描写があったけど、インドの受験戦争って相当に過酷らしいね。
成績を悲観して自殺する若者もけっこういるのだとか。
まあ、僕も一浪して第一志望落ちたときは相当に荒れたし、
人生終わったって思ったから気持ちはわかる。
そんなときに、おっさんたちがわんさか集まって昔話したところで、
生きる希望が湧くかつったら正直疑問だけど(笑)

とまあ、暗い話は置いといて。
とにかく、アニの学生時代のエピソードは滑稽にも程があるwww
実力で勝てない分、悪知恵を働かせて、相手を陥れる作戦は卑怯なんだけど笑えるwww
NBAでフリースローするときに観客が妨害するっていうまさにあんな感じwww

終盤の『スラムダンク』感はかなりハラハラするから心臓に悪いけど、
終わり方もよかったなー。

インド映画なので尺は長いけど、笑って泣けるいい映画だった。

映画『きっと、またあえる』公式サイ

映画『きっと、またあえる』公式サイトです。8/21[金]シネマート新宿ほか公開

映画『きっと、またあえる』公式サイト

 

これまでシリーズを観てきた人なら泣ける『劇場版「Fate/stay night [Heaven’s Feel]」Ⅲ.spring song』

2020年08月25日 00時26分55秒 | 映画


【基本情報】
製作年:2020年
製作国:日本
 配給:アニプレックス

【個人的順位】
鑑賞した2020年日本公開映画ランキング:9/111
 ストーリー:★★★★★
キャラクター:★★★★★
    映像:★★★★★★★★★★
    音楽:★★★★★

【あらすじ】
前作のラストで聖杯に汚染されてしまった間桐桜。
彼女を守ると誓った衛宮士郎は遠坂凛と共闘し、
聖杯戦争を終わらせるため、過酷な戦いに身を投じることを決意するが、
闇落ちした桜の力は圧倒的で苦戦を強いられる。

また、イリヤスフィール・フォン・アインツベルンは自らの運命と向き合い、
間桐臓硯は桜を利用して己の悲願を達成しようとする。

聖杯戦争の行方は。
桜の運命は。
ついに最後の戦いが幕を上げる。

【感想】
これは、終焉を飾るにふさわしい作品だった。
ちょっと泣いたしね。。。(衛宮士郎とセイバーオルタのところで)

この映画は過去シリーズを観ていたり、
作品のファンじゃなかったりしたらほっとんどわからないと思うので、
そういう意味では一般向けではないかもしれないけど(笑)

このアニメ、元はTYPE-MOONのヴィジュアルノベルゲーム『Fate/stay night』が原作。
それは未プレイだけど、ゲームは"セイバールート"、
"凛ルート"、"桜ルート"の3パターンがあり、
今回の『Heavens's Feel』(通称HF)は"桜ルート"と呼ばれる
エピソードのアニメ化(他2つも過去にアニメ化してる)である。

最初に『HF1』を観たときは、過去作をほぼ何も知らずに観たので、
正直よくわからない部分が多かった。
しかし、あれからすべてのアニメを観た上で本作に臨んだので、
今日はいろいろ想うところがあったな。

とにかく、過去作品の中で一番ダークファンタジーの要素が強いんだよね。
全体的に暗いし、血は出まくるし、何よりも間桐桜の闇が深い。
彼女が幼い頃から11年間も耐え忍んできた
辛く悲しい孤独の日々に対する鬱憤が爆発してしまっているから。
むしろ、あんな生活を続けていて、
よく今まで精神を保っていられたと思う。

さらに、衛宮士郎との恋愛関係が色濃く出ているから、
その対比がまた印象的なんだ。
もちろん、"セイバールート"ではセイバーと、
"凛ルート"では凛と恋仲にはなるのだけど、
これまではプラトニックな雰囲気が強かった一方で、
このHFでは熱く強くお互いを求めているからね。
前作なんか完全に「アダルトアニメかな?」って思うほどだったしw

とはいえ、今作の最大の見どころは何といってもバトルだよ!!
特に、ライダー vs セイバーオルタの戦いは
開いた口が塞がらないほどヤバかった!
あのスピード感とド派手な演出はすんごい興奮しちゃう。
斬撃や爆発の色使いが綺麗で見とれちゃうんだ。
あの『ドラゴンボール』以上の激しい戦いは
アニメ史に残るほどのインパクトがある!!

正直、終盤はわかりづらいところもあった。
なんで衛宮士郎の体から刃出てるんだろうとか(アーチャーの腕を移植した後遺症?)、
彼の行く末はどうなったんだろうなど。
そうは言っても、総じてすごく面白かったし大満足!!

ちなみに、僕が一番好きなのは"セイバールート"。
セイバーと衛宮士郎がだんだんお互いを意識して
恥ずかしがり出すところが一番キュンとするから好き。

劇場版「Fate/stay night [Heaven's Feel]」Ⅲ.spring song

2020年8月15日(土) ROADSHOW

 

これはただのガールズ青春映画じゃない!『ブックスマート 卒業前夜のパーティーデビュー』

2020年08月22日 16時59分29秒 | 映画


【基本情報】
 原題:Booksmart
製作年:2019年
製作国:アメリカ
 配給:ロングライド

【個人的順位】
鑑賞した2020年日本公開映画ランキング:7/110
 ストーリー:★★★★★
キャラクター:★★★★★
    映像:★★★★★
    音楽:★★★★★

【あらすじ】
高校の卒業式を翌日に控えた親友同士の
モリー(ビーニー・フェルドスタイン)とエイミー(ケイトリン・ディーヴァー)。
彼女らは高校生活の全てを勉学に費やし輝かしい進路を勝ちとった。

「パーティー三昧だったやつらとは違うのよ」と誇らしげにしていた2人だったが、
なんとそのパーティー野郎たちもこぞってイェール大、ハーバード大、
さらにはGoogleに進むことを知って驚愕する。

勉強しか知らないまま卒業するのはもったいない!
2人は失った時間を取り戻すべく、
呼ばれてもいない卒業パーティーに乗り込むことを決意する。

【感想】
女優オリヴィア・ワイルドの監督デビュー作品!
最高に笑えるし、涙ちょちょぎれるガールズ青春映画で
メッチャ面白かった!!

みんな大好き下ネタ、ドラッグ、セックス、ゲロなど、
若気の至り全開で、観てると元気出てくるわ!

アメリカ映画のこの振り切った青春感、パーティー感は、
邦画では絶対表現できない陽気さと楽しさがあるよなー。

邦画では出てこない効果音やワードが惜しみなく使われていたり、
コンドームに水入れて投げ合ったりと、
本当にキャッキャしてて楽しそうだったw

がんばってがんばってキスまでいけるかいけないかの邦画と、
「ヤッた?」とカジュアルに言っちゃう洋画の差は大きいね。

しかも、今回は単にはっちゃけるだけじゃなくて、
淡い恋心、親友との対立、人を知ることの大切さなど、
物語におけるテンションの浮き沈みのバランスがよかったんだよ!

だからこそ、笑えるところはすごく笑うし、
こういう映画にしてはめずらしく泣けるところもあった。

また、主人公が女の子だから、てっきり「女の子って楽しいー!」
って感じの映画かなと思ったんだけど、そうじゃないんだよね。

「自分たちの高校生活が間違っていたらどうするか」という軸があって、
あくまでも「失われた時間を取り戻す」っていうことに焦点を当てていたから、
“ヒト”よりも“コト”の方を大事にしたい映画なのかなって感じがした。

実際に、「女の子が卒業間近でパートナーになってくれる男の子を探すために奔走する」
というお決まりパターンを回避するために、エイミーを同性愛者にしたそうなので。

内容からして主人公は男の子に置き換えられるとは思うけど、
女の子がこういうことをしちゃうんだっていう新鮮さはあったし、
その方が笑い的にも勢い的にも勝るような感覚はある。

最初は2人が忌み嫌っていたパーティー野郎たちも、
話してみたら意外といい人たちだったりして、
なんかね、年取ると人間に対する好き嫌いも増えてくるけど、
やっぱりその人を知ろうとしなければ知ることはできないな
っていうことをふと思った(それが難しいんだけどw)。

ちなみに、僕はジジというキャラクターがすごくお気に入りで。
神出鬼没でちょっと様子がおかしい言動がコミカルで笑えるんだけど、
その役を務めたビリー・ロードって、
『スター・ウォーズ』シリーズでレイア姫を務めた
故キャリー・フィッシャーの娘なんだよね。

『スター・ウォーズ』ファンとしては感慨深い。

映画『ブックスマート 卒業前夜のパーティーデビュー』公式サイト

最高な私たちをまだ誰も知らない。史上最高!全米熱狂した命がけの爆走青春コメディ。オリヴィア・ワイルド 長編初監督作品。8月21日(金)ヒュー...

映画『ブックスマート 卒業前夜のパーティーデビュー』公式サイト

 

人の成長について考えさせられる『2分の1の魔法』

2020年08月22日 00時07分43秒 | 映画


【基本情報】
 原題:Onward
製作年:2020年
製作国:アメリカ
 配給:ディズニー

【個人的順位】
鑑賞した2020年日本公開映画ランキング:8/109
 ストーリー:★★★★★
キャラクター:★★★★☆
    映像:★★★★★
    音楽:★★★★☆

【あらすじ】
ここは妖精たちが暮らす不思議な世界。
かつては魔法が当たり前であったものの、
その習得には大変な努力が必要であった。

科学や技術が進化するにつれ、
小人や妖精たちも便利な世界に慣れ、
この世から魔法は消えてしまった。

主人公はそんな魔法が消えかけた世界に暮らす内気な少年イアン(トム・ホランド)。
16歳の誕生日に、亡くなった父親からの遺言で魔法の杖を託されたイアンは、
自分が生まれる前に亡くなった父親に一目会うため、
好奇心旺盛な兄のバーリー(クリス・プラット)と共に冒険に出かける。

【感想】
ピクサー長編映画第22作品目。
今ここに『アナ雪』の姉妹愛が見事に兄弟愛へと紡がれました。・゜・(ノД`)・゜・。

死んだ父親を生き返らせるために、
怖がりな弟イアンと怖いもの知らずの兄バーリーが冒険をするっていう
シンプルなストーリーながらも、さすが安定のディズニー&ピクサーだよ。
ここのところ惜しいなって思う映画ばかり当たる中で、
やっと面白いと思える作品に出会えた。

その要因は"わかりやすい話"と"覚えやすいキャラクター"、
そして"テンポのよさ"の3つに尽きると思う。
特に、テンポのよさは他の映画と比べると強くそう感じるね。
ちょっと長いかなって思うところがまったくないんだよ。
絶妙なタイミングで必ずトラブルが起こって、ハラハラする展開に持っていく。
誰もが共感できる形で仲たがいが起こり、対立していく。
これはもう『トイ・ストーリー』のときからずっとそうで、飽きることがない。

それらをベタだとかありきたりだとかって感じる人もいるかもしれないけど、
やっぱりシンプル・イズ・ザ・ベスト。
王道だからこそ観客のターゲットを選ばない強さがディズニーにはある
(そりゃディズニー嫌いって人も一定数はいるだろうけど)。

その設計され尽くされたストーリーラインの中に、
父に会いたい気持ちと、冒険を通じて気づく兄弟愛が入っていて
ふっつーに泣いたわ。・゜・(ノД`)・゜・。
「そう来るかー」って意外な結末もよかったし。

今作はイアンが冒険を通じて成長していくことも見どころのひとつなんだけど、
映画を観ていて思ったのは、成長は環境によってしか起こらないんじゃないかということ。

彼は怖がりで何に対しても「無理だ」とあきらめてしまう癖があるんだけど、
ピンチに陥るとそんなこと言ってる場合じゃなくなる。
そこで、バーリーに煽られながらも無理と決めつけていたことが
どんどんできるようになっていくのは、
そういうピンチに陥る状況があったからこそ。

もちろん、もともと持っている素質っていうのも関係はしてくるのだろうけど、
無理にでも何かしなくちゃいけない状況にならない限りは、
人って新しいことや大きなことに挑戦しようとしないんだろうなって思った。

中には自らの意志でそういった環境に身を置けるのかもしれないけど、
世の中そんな人ばかりでもない。
そういう点においては、
物語の主人公のように気づいたらトラブルに巻き込まれていたっていうのは、
ある意味恵まれていることかもしれないね。

ただ、個人的にはイアンよりもバーリーの方が親近感がわいた(笑)
剣と魔法に憧れる中二病なんだよね。
とはいえ、この世界では本当にかつて魔法が存在したという設定だから、
中二病ではなく、歴史オタクってことになるのがちょっとうらやましいけどw

ちなみに、マーベル好きなら絶対に字幕版で観るべき。
なぜなら、弟の声をトム・ホランド、
兄の声をクリス・プラットが担当しているし、
2人とものスパイダーマンとスターロードを彷彿とさせるぐらい
ピッタリハマってるのがいい!

そして、母親がちょっとハリセンボンの近藤春奈に似ている気がした(笑)

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ディズニー公式

 

「エクソシスト」×「週刊少年ジャンプ」だった『ディヴァイン・フューリー/使者』

2020年08月21日 00時47分15秒 | 映画


【基本情報】
 原題:사자
 英題:The Divine Fury
製作年:2019年
製作国:韓国
 配給:クロックワークス

【個人的順位】
鑑賞した2020年日本公開映画ランキンク゛:47/108
 ストーリー:★★★★☆
キャラクター:★★★☆☆
    映像:★★★★☆
    音楽:★★★☆☆

【あらすじ】
幼い頃、不慮の事故で父親を亡くしたキム・ヨンフ(パク・ソジュン)。
彼は神に父親の無事を祈ったがその願いが届くことはなく、
以来、神を信じなくなった。

それから20年後、彼は世界的ボクサーとして活躍していた。
ある対戦の帰りの飛行機の中で、
ヨンフの右手に突然謎の傷が表れ、
出血が止まらない状況に陥る。

病院に行っても原因不明であったが、
ひょんなことから知り合ったアン神父(アン・ソンギ)より、
それはヨンフに隠された正義の力だということがわかる。

そして、街にはびこる悪を倒すため、
ヨンフとアン神父は共に立ち向かうことを決意する。

【感想】
「エクソシスト」×「週刊少年ジャンプ」。
そんな感じの映画であった。
(とはいえ『D.Gray-man』や『青の祓魔師』とは違う)

雰囲気としては映画の『エクソシスト』に近く、ややホラー感が強いものの、
後半の戦い方やパワーアップはジャンプ感が出てきて、個人的には好きだった。
それでいて父と子の絆も描いていて、僕は開始後10分で涙出ちゃったからね。。。

最初のつかみと最後のバトルはすごく引き込まれるし、
見ごたえあるなって思ったんだけど、
真ん中あたりはちょっと中だるみしたかなー。

敵のボス探しが時間かかったのと、
上記のようにエクソシストによる悪霊退治や親子の絆、
師弟関係などなど情報量が多いゆえに、どれも中途半端な印象で、
そこまでのめり込むことができなかったってのはある。
これがテンポよく進んでくれたら、絶対もっと面白くなった気がする。

とはいえ、個人的にはそれをカバーするぐらいの
アクションの派手さと悪霊の取り憑かれた人の演技に魅了されたんだよね。

やっぱりアクションはキレがあってかっこいい。
韓国人俳優って背も高い上にみんなメッチャ筋肉あるから
動きのひとつひとつが映えるんだよ。

また、取り憑かれた人たちの奇声の上げ方がマジで怖くて、
あの振り切った演技はちょっとトラウマになりそう(笑)

これ、日本だったらアニメや漫画にしそうだけど、
お隣の国はちゃっかり実写にしてくるところがすごいな。

もともとアクションやファンタジーが好きな身からしたら、
韓国映画のそういったジャンルにおける派手さとかかっこよさってのは、
もう邦画では勝てないんじゃなかって思うことが多い。

この映画、要素の詰め込みすぎによる中途半端さに難を示す人はいそうだけど、
個人的には設定も世界観もよくていいなと思った。
そして、終わり方がMCUっぽい感じなので続編は絶対あるね。

ちなみに、この映画に出てくるパク・ソジュンがずっとキスマイの藤ヶ谷太輔に、
ウ・ドファンがメンタリストDaiGoに見えた(笑)

映画『ディヴァイン・フューリー/使者』公式サイト|8月14日公開

映画『ディヴァイン・フューリー/使者』公式サイト|8月14日公開

http://klockworx-asia.com/divinefury/

 

父への赦し『ハニーボーイ』

2020年08月16日 18時07分29秒 | 映画


【基本情報】
 原題:Honey Boy
製作年:2019年
製作国:アメリカ
 配給:ギャガ

【個人的順位】
鑑賞した2020年日本公開映画ランキング:87/107
 ストーリー:★★☆☆☆
キャラクター:★★★☆☆
    映像:★★★☆☆
    音楽:★★★☆☆

【あらすじ】
若くしてハリウッドのトップスターとなったオーティス(ルーカス・ヘッジズ)は、
仕事に忙殺されるストレスからアルコールに溺れるようになっていた。

2005年のある夜、泥酔して車を運転し事故を起こした彼は更生施設へ送られる。
そこでPTSDの兆候があると診断されて驚くオーティス。

原因を突き止めるため、
今までの思い出をノートに書くようにと言われたオーティスは、
過去の記憶を辿り始める。
真っ先に思い浮かぶのは父のこと。

10年前の1995年、子役として活躍する12歳のオーティス(ノア・ジュプ)は、
前科者で無職のステージパパ(マネージャー的存在として子どもの芸能活動に付き添う父親)である
ジェームズ(シャイア・ラブーフ)に振り回される日々を送っていた。

そんなオーティスを心配してくれる保護観察員や癒しの存在である隣人の少女と交流しながら、
オーティスは自分が一家の家計を支えている状況と感情的な父親の存在の間で揺れ動く。

【感想】
シャイア・ラブーフの自伝的映画。
彼の父親がこんな毒親だったとは初めて知った。

オーティスがPTSDになったのは幼少期の父親の影響である。
すでにハリウッドでトップスターとなった彼の稼ぎは一家を支えるまでになり、
父親もそれを当てにする状況。
独立することは十分に可能だったのに、それをしなかったのはまだ12歳の子供。
親の愛情が欲しかったのだと推測する。

すでに母親も離婚していたし、彼が頼れる大人は父親しかいなかった。
感情的で暴力も辞さない父親は、まさにクズと言っても過言ではないけれど、
それでもオーティスにとってはたった一人の肉親。
オーティスが妄想の中で父親に「寂しい」と口にしたことに、
幼い少年の本音が出ていたと思う。

でも、僕はこの映画のテーマは「赦し」なんじゃないかと感じる。
PTSDにまで追い込んだ父親だから、当然憎むべき部分もあると思うし、
現にシャイア・ラブーフは本作の製作をきっかけに、
6~7年絶縁状態であった父親と話をしたのだそう。

それでいて、その父親をシャイア・ラブーフ自身が演じているのだ。
仕事として割り切ったところもあるとは思うけど、
絶縁状態にあった父親を自ら演じるということは、
ある程度の気持ちの整理や受け入れることも必要だと思うから、
この映画はシャイア・ラブーフにとっても何か一区切りつけたという気もする。

とはいえ、映画として面白かったかというとそれはまた別(笑)
セリフが何について話をしているのかわかりづらいところが多くて。
僕の読解力の足りなさのせいかもしれないけど、
けっこう雰囲気で見ていたところもあったので、
個人的な面白さとしては下の方。

でも、Rotten Tomatoesの評価高いんだよねー。
批評家も一般の観客も。

もしかしたら、向こうの人はハリウッドで子役から活躍している子の親は
毒親っていうことに共感しやすかったりするのかも。

それにしても、今年は毒親映画が多いな。

映画『ハニーボーイ』 公式サイト

大人になった今、僕は知った。そこに、愛があったことをー。8月7日(金)ヒューマントラストシネマ有楽町、新宿武蔵野館 他 全国順次ロードショー

映画『ハニーボーイ』 公式サイト

 

スマホ依存症の全員類に告ぐ!『ジェクシー!スマホを変えただけなのに』

2020年08月16日 17時48分29秒 | 映画


【基本情報】
⠀ 原題:Jexi
製作年:2019年
製作国:アメリカ
⠀ 配給:ショウゲート

【個人的順位】
鑑賞した2020年日本公開映画ランキング:57/106
⠀ ストーリー:★★★☆☆
キャラクター:★★★★☆
⠀ ⠀ ⠀ ⠀ 映像:★★★☆☆
⠀ ⠀ ⠀ ⠀ 音楽:★★★☆☆

【あらすじ】
スマホ依存症のフィル(アダム・ディヴァイン)は、
不注意によりスマホを壊してしまう。

新しいスマホに変えたところ、
それにはライフコーチ機能“ジェクシー”が搭載されていた。

ジェクシーのアドバイスのおかげで友達や恋人ができたフィルだが、
今度はジェクシーがフィルに恋したため、
嫉妬による暴走が始まり、事態はとんでもない方向へ。

【感想】
『ハング・オーバー』シリーズの原案・脚本を手掛けたコンビの最新作!
これは笑うしかないwww
アメリカらしいお下品感満載のコメディwww
スマホ中毒な人にはぜひ観てもらいたいwww

とにかく、主人公フィルのキャラクターとジェクシーという
AIアシスタントが自我を持ったという設定が面白すぎるwww

フィルを演じるのは『ピッチ・パーフェクト』シリーズにも出ている
アダム・ディヴァイン。
スマホばかりいじって友達も恋人もいないから、
コミュニケーション能力がとことん低く、
気に入った女性に対してアホな質問ばかりしてしまうのがキュートで笑えるwww

でも、それ以上に笑えるのがジェクシー。
声を担当したのは『ピーター・ラビット』や
今年6月にやっていた『15年後のラブソング』のローズ・バーン。
持ち主の生活向上を目的としたAIなんだけど、
欠陥により人間の感情がわかるようになってしまったというのだ。

その結果、主人公のことを始終バカにしまくり煽りまくりで、
かつ口も性格も悪い。

シャワールームに持っていけばチ○コを笑い、
両乳首の距離が狭いことにダメ出し。

仕事場ではつまらない会議中にアポのアラートを鳴らすと共に
「こんなクソ会議早くやめろ」と暴言。

気になる女性のところに行けば、「つべこべ言わず話しかけろ!」と煽り、
デートのときの会話がつまらなければ
「お前はバカか?」と画面いっぱいにテキストを表示する始末。

他にもSiriやアレクサのこともビッチだの娼婦だのこき下ろすのもウケるw

そんなAIが彼のことを好きになったからさあ大変。
フィルがケイト(アレクサンドラ・シップ)とデートしたことに嫉妬し、
翌朝の目覚ましアラームは鳴らさず、通勤経路も正しく表示せず、
秘密の写真まで社内に一斉送信してしまうことに。

しかも、大元がクラウドにあるため、
スマホを交換してもどこまでも追ってくるから変えようにも変えられず、
さらには他の機械を乗っ取ることもできるというちょっとしたターミネーター感w

フィルに充電ケーブルを抜き差しさせることで
疑似セックスをするのも頭おかしすぎて笑ったわwww(イッたときの演出も最高w)

AIアシスタントが自我を持ったらというコメディだったけど、
自我は持たないまでもバグやウィルスによって同じようなことが起きたらと考えると怖いわ。

特に、あんな写真を勝手に全社員に送られたら、、、
どこぞのお笑い芸人と同じになってしまう。。。(笑)

スマホ全盛期な現代だからこそ笑える映画だったね、これは。
ちょっと出オチ感もあったけど、個人的には好きw

小・中学生が喜びそうな下ネタを大の大人が
これでもかってぐらいやっちゃうのが洋画のコメディのいいところ。

日本人だってそういう下ネタで笑えると思うけど、
映画やドラマで観ないのはなぜだろう。
『親バカ青春白書』の第1話で戸塚純貴が
「ち○ち○」って言ってたぐらいしか、最近は聞かないな。

映画「ジェクシー! スマホを変えただけなのに」オフィシャルサイト

映画「ジェクシー! スマホを変えただけなのに」オフィシャルサイト

 

言葉にすることの尊さを知る『思い、思われ、ふり、ふられ』

2020年08月15日 16時17分32秒 | 映画


【基本情報】
製作年:2020年
製作国:日本
⠀ 配給:東宝

【個人的順位】
鑑賞した2020年日本公開映画ランキング:61/105
⠀ ストーリー:★★★★☆
キャラクター:★★★☆☆
⠀ ⠀ ⠀ ⠀ 映像:★★★☆☆
⠀ ⠀ ⠀ ⠀ 音楽:★★★☆☆

【あらすじ】
明るくて社交的な朱里(浜辺美波)。
内向的でうつむきがちな由奈(福本莉子)。
クールで物静かな理央(北村匠海)。
爽やかで誠実な和臣(赤楚衛二)。

彼ら4人は偶然にも同じマンションに住み、
同じ高校に通う1年生。

親同士が再婚したことで姉弟となり、朱里に言えない恋心を抱える理央。
そんな理央に憧れるけど自分に自信が持てずに気持ちを伝えられない由奈。
和臣に惹かれていき、自分の感情に戸惑う朱里。
ある秘密を目撃してしまい、自分の気持ちを隠してしまう和臣。

一人の告白をきっかけにそれぞれの感情は複雑に絡み合い、
相手を思えば思うほどすれ違ってしまう。

4人の切なすぎる片想いの行方は。

【感想】
『ストロボ・エッジ』、『アオハライド』の
咲坂伊緒による"青春三部作"の最終章。
それが『君の膵臓を食べたい』の
浜辺美波と北村匠海の再共演で実写映画化。

思ったよりよかった、これ。
実写版しか観てないけど、
過去2作と比べると一番面白かった。

まずタイトルがすごいなと。
『思い、思われ、ふり、ふられ』って、
もう全部そうじゃん。
恋愛って。
すべて内包しちゃった。

想いが交錯しまくる中、
うまくいかない思い描いた未来や繋がりたかった相手。
でも、その失敗があったからこそ、
別の幸せを手にしていく展開は、
「あー、こういうことあったなあ」とか、
「こういうことで悩むよなあ」など、
懐かしさと共にこの歳でも胸にキュンとくるものがあった。

特に、理央と朱里の関係のやるせなさときたら。
理央から気持ちを伝えるまさにそのときに、
理央の父親と朱里の母親が再婚して姉弟となることがわかり、
お互いに「空気を読んで」感情に蓋をするという、
本来自由であるはずの気持ちが大人の事情で制限されてしまうのは辛い。

理央がやや暴走気味になったとき、
由奈の言った「言葉にしたら終わり」ってセリフも深いなと思ったよ。

でも、そんな由奈が一番変わるんだよね、この映画。
恋愛を通じてというより、むしろ「好き」という気持ちを
“伝える”ことを通じて成長していく姿はまぶしい。

恋愛に限らず「きちんと伝える」というのは大事なこと。
それによって世界は大きく広がるし、自分も成長する。
ただ、「言葉にしたら終わり」というのもまた事実。
そんな矛盾を抱えながらも一歩踏み出した由奈はMVPだろ。

咲坂伊緒の作品に共通してるなって思うのが、
登場人物は高校生なのに、キラキラ青春で楽しいことばかりではなく、
辛いことや暗い部分にも焦点を当てた
ヒューマンドラマ寄りの純愛になってること
(あと、夏祭りと文化祭があるのも共通してる)。

それゆえか、みんな高校生なのにも関わらず、
経験してること、考えてること、セリフのどれもが大人っぽくて、
実は人生一周してきてるんじゃないかって感じるんだよね。

一昔前のトレンディドラマを彷彿とさせるぐらいの
恋愛至上主義な物語ではあるのだけど、
若い子だけでなく、大人でも思うところはあるはず。

なんとなくアニメの方が向いているような気もしたんだけど、
まさかアニメ版も9月18日に公開するとは。
観てみようかなー。

てか、戸田菜穂もすっかり高校生を持つ母親役なんだねー。
『ショムニ』で秘書をやっていたときが懐かしいわ(笑)

映画『思い、思われ、ふり、ふられ』公式サイト

咲坂伊緒「思い、思われ、ふり、ふられ」が待望の実写化!!浜辺美波×北村匠海×福本莉子×赤楚衛二らフレッシュなキャストとOfficial髭男d...

映画『思い、思われ、ふり、ふられ』公式サイト

 

永瀬廉が意外とハマッてた『弱虫ペダル』

2020年08月14日 21時51分28秒 | 映画


【基本情報】
製作年:2020年
製作国:日本
⠀ 配給:松竹

【個人的順位】
鑑賞した2020年日本公開映画ランキング:86/104
⠀ ストーリー:★★★☆☆
キャラクター:★★☆☆☆
⠀ ⠀ ⠀ ⠀ 映像:★★★☆☆
⠀ ⠀ ⠀ ⠀ 音楽:★★★☆☆

【あらすじ】
小野田坂道(永瀬廉)は千葉から秋葉原まで電車で通う
アニメ好きなオタク高校生。
高校入学と共に念願のアニメ研究部に入ろうとしたが、
休部を知りショックを受ける。

ある日、彼の自転車の走りを見た
同級生の今泉俊輔(伊藤健太郎)から
レースの勝負を申し込まれる。
そこで、自転車で走る楽しさを初めて感じた坂道は、
秋葉原で出会った鳴子章吉(坂東龍汰)に誘われて
自転車競技部に入部する。

練習をこなし、徐々に自転車選手としての才能を発揮する坂道。
ついには県大会のレギュラーメンバーに選ばれ、
初めて出来た「仲間」と共に、
インターハイ出場を懸けたレースに挑む。

【感想】
もはや「永瀬廉の映画」って感じしかしないw

この映画のために原作を11巻
(インターハイで小野田坂道が落車からの100人抜きするところで御堂筋が行手を阻むところ)
まで読み進めたけど、まさにこの映画もそこらへんまで。

ただ、設定はちょっと違ってて、
映画では上級生とマンツーマンで練習するところと合宿がいっしょになってたり、
終盤のメインレースは“インターハイの千葉県予選”という建て付け
(でも、エピソードは原作のインターハイ本選を一部踏襲)
になってたりする。

なので、2時間できれいにまとまる形にはなってるし、
原作を知らなくても楽しめるような工夫はされてると思った。

でも、これはまあ漫画の実写化あるあるだけれど、
尺の都合でいろいろすっ飛ばされてるから、
原作を読んだ身からしたら全体的に薄く感じてしまうし、
キャラへの感情移入もほぼできない。

スポーツ系の映画だとやっぱり「倒すべき相手」がいることで盛り上がると思うけど、
今回そういうのはなく(御堂筋の「み」の字もないよ)、
単に小野田坂道が「ずっと独りだったから友達と走りたい」
という願望の実現が全面に出ているだけなので、
個人的には物足りないかなー。

これがね、三部作の一発目とかならまだしも、
ピンの作品だとちょっと寂しいね。

だから、永瀬廉のファンならいいけど、
普通に原作好きの人はそんなにハマらないかもしれない。。。

ただ、その永瀬廉が予想以上に小野田坂道だったのがちょっとびっくりw
原作では「ビジュアルは三下」なんて言われてるのに、
特A級の顔面を持つ永瀬廉を投入したことで、
これはフォルムもスタイルも違いすぎるだろって思ったけど、
甲高い声でもじもじしてるのが特徴捉えててよかったなって思った。

他のキャストも豪華で、
伊藤健太郎と橋本環奈のコンビは『今日から俺は!!』を思い出すし、
『ぐらんぶる』を観た後だと、素っ裸だった竜星涼が声を低くして
キャプテンの金城真護役をやっているのは、そのギャップに笑ってしまうwww

映画『弱虫ペダル』公式サイト | 大ヒット上映中

累計2500万部突破の大人気スポーツ青春漫画、初の実写映画化!主演:永瀬廉(King & Prince)。大ヒット上映中

映画『弱虫ペダル』公式サイト | 大ヒット上映中

 

和を基調とした画がすごく綺麗な『私たちはどうかしている』:第1話

2020年08月13日 01時04分14秒 | ドラマ


和菓子屋を舞台に繰り広げられるサスペンスドラマ。

15年前に和菓子屋の若旦那が殺されたのだけど、
その若旦那の息子である高月椿(横浜流星)が、
花岡七桜(浜辺美波)の母親で和菓子職人の花岡百合子(中村ゆり)を
現場で見たと証言したことから、彼女が捕まってしまうという暗い過去。

結果、七桜は椿を恨んだまま離れ離れになるものの、
ひょんなことから再会し、
しかも椿と結婚して彼の和菓子屋家に入って真相を探るという、
まさに“どうかしている”設定のドラマ。

和菓子も和食の一環であるから、
雰囲気的に『将太の寿司』や『味いちもんめ』に似た感じがするんだけど、
このドラマ、すごく綺麗なんだよね。

横浜流星と浜辺美波の顔面ももちろんそうなんだけど、
職人さんの作り出す緻密な和菓子と、
菓名を言うときの演出の“和”感がすごくいい。
そして、その菓名を言うときの必殺技感w
『BLEACH』の卍解したときみたいで言いたくなるw

来週の予告観ると、早速浜辺美波がまわりからいじめられてて、
『家なき子』を彷彿とさせる展開がまた面白そうだから、これは毎週観たいな。

あと、前原滉はメガネかけないと彼だと気づかないwww

私たちはどうかしている

日本テレビ2020年夏の水曜ドラマ「私たちはどうかしている」公式サイト。浜辺美波×横浜流星 主演。今、最も美しい2人が、美しい和菓子の世界を...

日本テレビ

 

一度結ばれた運命は時を経ても必ず二人を結びつける『糸』

2020年08月12日 23時51分59秒 | 映画


【基本情報】
製作年:2020年
製作国:日本
⠀ 配給:東宝

【個人的順位】
鑑賞した2020年日本公開映画ランキング:64/103
⠀ ストーリー:★★★☆☆
キャラクター:★★★☆☆
⠀ ⠀ ⠀ ⠀ 映像:★★★☆☆
⠀ ⠀ ⠀ ⠀ 音楽:★★★★☆

【あらすじ】
平成元年生まれの高橋漣(菅田将暉)と園田葵(小松菜奈)。
北海道で育った二人は13歳のときに出会い、初めての恋をする。

しかし、ある日突然葵が姿を消した。
母親が連れてきた養父からの虐待に耐えかねて、
町から逃げ出したのだ。

真相を知った漣は、必死に葵を探し出し、
駆け落ちを決行するも、すぐに警察に保護されてしまう。

その後、母親に連れられて北海道から移ることになった葵。
漣は彼女を見送ることもできないまま、二人は離れ離れに。

それから8年後。
地元のチーズ工房で働いていた漣は、
友人の結婚式で訪れた東京で、葵との再会を果たす。

北海道で生きていくことを決意した漣と、
世界中を飛び回って自分を試したい葵。
すでに二人はそれぞれ別の人生を歩み始めていたのだった。

そして10年後の平成最後の年。
二人は運命に手繰り寄せられるかのように近づいていく。

【感想】
特別先行上映にて鑑賞。

普通に感動作ではあった。
13歳のときに出会った男女が波乱万丈な紆余曲折を経ながら、
18年後に再びその手を取り合う。

縦の糸はあなたかもしれないし、あなたじゃないかもしれない。
横の糸はわたしかもしれないし、わたしじゃないかもしれない。
でも、一度結ばれた糸は必ず二人を引き寄せる。

最近観た邦画の中では一番ロマンチックで純愛でほっこりする話だった。

しかし、20歳のときに観ていたら号泣してたと思うけど、
今回僕はほとんど泣けず。。。(笑)

歌をモチーフにした映画って、かなり歌に引きずられるから、
今回のように名曲中の名曲だとけっこう期待値上がっちゃうんだよね。
それでいてこの豪華キャストだし。
だからと言うべきか、期待しすぎた印象は否めなかった。
(それは、昨年観た『雪の華』で学習済みwww)

いい話ではあったんだけど、ちょっと気になった点としては、
出会ってからの18年間を描くからけっこう急ぎ足だなと感じるところがあった。

もちろん、それによって話がわからなくなるなんてことはないし、
むしろきちんと登場人物の歩んできた軌跡がわかるのはよかったんだけど、
あんまり余韻に浸る余裕がなかったかなーって。

あと、出会ったときと8年後のキャストは変わるけど、
その次の10年後のキャストはいっしょだから、
ここの時間経過はあまり感じないかったなー。

そして、特に目的がないまま進む感じが
個人的にはちょっと物足りなさがあったかも。
旅とか人生とかはアテもなく彷徨うのも
ありっちゃありだとは思うけど、
物語となるとやっぱり何か目的が欲しくなっちゃう。
敵を倒す、秘宝を探す、憧れの人と付き合うなどなど。
それがあるからこそ、感情の揺さぶりが大きかったりもすると思うので。

まあ、この映画は日常を懸命に生きていていても
巡り合ってしまう運命にロマンを感じるってのはあるんだけど。

最初の段階では結末がどうなるかがわからないから、
この先どうなるんだろうという期待はあるんだけど、
ワンシーンワンシーンは次に来るセリフや展開が予想しやすいほどベタで、
そこはけっこう好きだった。

しかし、もし連絡先を交換してたら、
ほとんどの難題は解決されてしまう疑惑は拭えない(笑)

それにしても、邦画で歌をモチーフにした作品で面白かったのってあんまりないなあ。
やっぱり話がわかりやすそうなプリンセス・プリンセスの『M』や
広瀬香美の『ロマンスの神様』、SOPHIAの『黒いブーツ 〜oh my friend〜』
あたりを映画化してくれたらうれしい。

映画『糸』公式サイト

菅田将暉×小松菜奈。珠玉の名曲、中島みゆきの名曲「糸」を映画化!めぐり逢う、二つの物語。8/21(金)公開!